読売新聞 【本よみうり堂】 からの Twitter によると
母の視線で綴った 小林多喜二の生涯を語った実像 を紹介する「手記」が
『母の語る小林多喜二』 (新日本出版社)
として出版されたとのこと。

以下、【本よみうり堂】 (2011/8/23) から御紹介
プロレタリア作家、小林多喜二(1903~33年)の母、セキが息子の生涯を語った手記が、北海道の小樽文学館で確認され、荻野富士夫・小樽商大教授の解説を加え、『母の語る小林多喜二』(新日本出版社)として出版された。
肉親ならではの貴重な実像が伝わる証言となっている。
手記は1946年、編者の小林廣が聞いたもの。出版の予定だったが中断し、その原本が同館に寄贈されていた。
プロレタリア文学を志した多喜二には漠然と、育ちが「貧しい」イメージがある。だが母によると、小学校は無欠席で通し、商業学校時代は学業の傍ら親類のパン工場の手伝いや色々な仕事をしたが、<友達同士で白眼視されることもなく、朗かな日常でありました>。
後の彼は小樽高商を経て、北海道拓殖銀行に就職。帰宅後、夜遅くまで執筆を続けた。拓銀時代の彼は料理屋に売られたという女性の借金を肩代わりし、引き取った。だが、彼女は自分の境遇を悩み、家を出た。
<本当に綺麗(きれい)な、そして無邪気で、心持ちのさっぱりとした……こんな可愛(かわい)い娘なら多喜二の嫁としても決して世間に恥ずかしくない>。純愛だったと母は振り返る。
学業や仕事に励み、恋愛にもまっすぐだった自慢の息子は、社会の矛盾を直視した『蟹工船』などの作品を執筆。戦前の特高警察の拷問を受け、死亡した。だが、心温かい母は社会を恨まず、戦後、このように語っていた。
<太陽は、総(すべ)てのものを平等に照らして下さいます。(略)これからの日本人は屹度(きっと)良い方へ、良い方へと延びていくでしょう>
(2011年8月23日 読売新聞)
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お客様おすすめ度
☆☆☆☆☆
著者/訳者
小林セキ/述 小林廣/編
出版社名
新日本出版社 (新日本出版社)
発行年月
2011年07月
サイズ
190P 19cm
販売価格
1,470円
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母の視線小林多喜二の実像 生涯を語った手記出版
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