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観劇レビュー&旅行記
【観劇レビュー&旅行記】を中心にFC2上で、私の思いを気の向くままに書いてゆきます。 政治・時事評論は 【JUNSKY blog】に引続き運用します。リンクの一番上に記載しています。


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【100分 de 名著】 信号待ちも楽しからずや
2011年6月28日(火)

梅雨空の 車で学ぶ 新知識

  信号待ちも 楽しからずや
  (純空)

    最初は、文字通り 「通勤の」 と始めましたが、季語がないことに気付き

    「梅雨空の」 に変更しました。 季語が要るのは俳句の方だったかな?

 朝のラッシュ時に自家用車で会社に通うと、赤信号待ちでイライラするかも知れません。

 私は、通常 NHKーFM のクラシック番組を聴いているのですが、

最近、ちょっと趣向を変えました。

 その クラシック音楽は流しながら、文字が大きめで軽く持てる本でちょっとした勉強を

することにしたのです。

 そういう短くて断続的な勉強にピッタリで、文字の大きさも手頃な本を見つけました。

 それは、NHKテキスト

 ちょうど、この6月にやっている、ピーター・ドラッカーの「マネジメント」を紹介する

     【100分 de 名著】 6月号。

     NHK Drucker Text 6223003


 この教育テレビの番組自体は残念ながら見損ねたのだが、テキストも解り易くて好い。

 テキスト執筆者は、「マネジメント」など、ドラッカー(P. Drucker)の著作の大半を

和訳して日本に紹介した 上田惇生 さん。

 上田惇生氏は、テキスト冒頭で、岩崎夏海氏の著書 略称【もしドラ】 正式には

【もし高校野球の女子マネージャーが ドラッカーの「マネジメント」を読んだら】に

言及し、専門家として、このお茶楽けた表題の本を けなすのではなくて、

「思わず感動して涙を流してしまいました」 と高く評価して、まずは驚かせます。

「誰にでも分かるスタイルで書いたものは、今までどこにもなかったから、

 すごくうれしかったのです」「これこそが、私がずっと求めていたものだ」

 と言われています。

 私は、数年前にドラッカーの本(マネジメントではなかった)を1・2刷読んだことは

ありますが、「マネジメント」 や 【もしドラ】 は読んでいませんでした。

 AKB48の前田敦子さんが主演した、映画版【もしドラ】 は、見ましたが・・・

    **************

 その、【100分 de 名著】 「マネジメント」は、

朝の通勤 ほぼ1週間分の信号待ちで読み終え、次には、【100分 de 名著】5月号

孔子の 「論語」 を読み終えました。

7月号を楽しみにしたいと思います。


NHK 教育 (ETV) 【100分 de 名著】 紹介ページ


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 【100分 de 名著】 「マネジメント」 執筆者・上田惇生 さんの【もしドラ】評 

『マネジメント』が感動を与えるわけ

 今回取りあげるピーター・F・ドラッカーの「マネジメント」ですが、これほど注目されたのは、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社刊、以下『もしドラ』)のヒットがきっかけでしょう。

 一昨年の十二月に発売された『もしドラ』は、累計二五〇万部以上を売り上げただけでなく、マンガ化やアニメ化や映画化もされて、ビジネスマンだけでなく若い学生の間にも、ドラッカーブームともいえる社会現象を巻き起こしました。

 私も『もしドラ』を、発売前のゲラ(校正刷り)の段階で読ませていただきましたが、電車のなかで読みながら、思わず感動して涙を流してしまいました。読んだとたんに「これこそが、私がずっと求めていたものだ」と思ったのです。
 以前から私のなかには、ドラッカーの著書はビジネスマンだけでなく、できるならば組織社会のなかで生きる人々すべてに読んでもらいたいという気持ちがありました。ドラッカーの著書はただの経営学の本ではなく、そこには人と人が一緒に働くことの喜びや、社会的存在としての人間の幸せの意味など、普遍的なことが多く書かれています。それを誰にでも分かるスタイルで書いたものは、今までどこにもなかったから、すごくうれしかったのです。
 さらには、何度読み返しても『もしドラ』のストーリーのなかには新しい発見があるのです。本になってから読んでまた泣いて、さらに三回目に読んでまた泣いて……。恥ずかしながら読むたびに、私の涙の量はどんどん増えていっています。


 「マネジメント」という言葉をそのまま訳せば「管理」「経営」などの意味ですが、ドラッカーのマネジメント論をひと言でいえば「人と人とが成果をあげるために工夫する」──ということです。人と人が一緒に働いていれば、必ずしやそこには仕事をやり遂げた感動の種が存在する。
 だから、小説やマンガ、アニメ、映画になってもその部分をきちんと伝えることができれば、読んだ人や見た人が感動するのは当たり前のことなのです。

 『もしドラ』の作中テキストとなったドラッカーの著作『マネジメント[エッセンシャル版]』やその原本である『マネジメント』が、多くの人々の間で今も読み継がれているのも、単に経営や組織作りのノウハウが書かれているのではなく、そこに人の心を動かさずにはおかない「感動」があるからです。
 『もしドラ』の著者である岩崎夏海さんも『マネジメント[エッセンシャル版]』を読んで感動したからこそ、あの作品が生まれたと語っています。コピーライターでエッセイストの糸井重里さんとお会いした時も、南の島に推理小説とドラッカーの両方を持っていって読んだら、ドラッカーの本のほうが遥かに面白くて、それを機に大ファンになったといっておられました。

 『マネジメント』というと、金儲けのための企業をいかに運営していくか——について書かれたハウツー本だと勘違いしている人もまだまだ多いようです。でも、決してそうではありません。根底には「人間の本当の幸せとは何か?」という大きな命題が横たわっている。それをふまえた上で、よりよい社会を作っていくための組織、企業の有り方について書かれたのが『マネジメント』なのです。
 たとえばこんな例があります。アメリカにエドワード・ジョーンズという証券会社があるのですが、昔、そこの幹部たちが『マネジメント』を読んで感動し、「この本に書かれているような会社を作りたい」と思ったそうです。手紙を何通も書いてコンサルティングをお願いしたのですが、最初に会った時、ドラッカーは彼らにこうアドバイスしたそうです。
 「お金を儲けるためにやってくるお客を相手にしてはいけません」
常識で考えると、このアドバイスは理不尽ですよね。相手が経営しているのは証券会社です。証券会社の顧客というのは資産を上手く運用して儲けたいと考えて当然です。それを相手にしちゃいけないというのは、証券会社としての仕事を放棄しろと言っているようにも聞こえます。
 しかし、改めて証券会社の存在意義に立ち戻って考えてみると、ドラッカーの言うことは間違っていません。私たちの多くは「証券会社=資金をうまく運用して儲けさせてくれる会社」と思いがちですが、本来の証券会社というのは、お金がある程度貯まってそれを運用したいと考える一般のお客と、資金を必要としている企業を繋ぐパイプ役を確実に果たすために存在しているのです。
 つまり、証券会社の役割は、世の中が必要としている「財サービス」を提供することであり、儲けさせることが目的であってはならない。「儲けるためにやってくるお客を相手にするな」—— と言ったドラッカーの言葉の真意はそこにあるというわけです。
このエドワード・ジョーンズ証券は、素直にドラッカーの言葉を実践することになりました。具体的に何をしたかというと、怪しげな金融商品は一切扱わないと決め、お客に投資先を相談された際にも、表向きは華やかであっても内情がしっかりしていない企業の株は絶対に薦めないようにしました。さらにはそういう株や債券を含んだ金融商品は開発しないと決めたそうです。
 その結果、どうなったと思いますか? エドワード・ジョーンズ証券は、全米で最大の店舗数と信用を誇る証券会社に成長し、働きたい会社ベスト10に毎年ランキングされる超優良企業になったのです。
 なんだかいい話ですよね。心がきれいになるような素敵な話です。

 ドラッカーの著書『マネジメント』には、お金儲けのための方法ではなく、今述べたような、人と人が一緒に働きながら、まっとうな社会を作っていくための方法が書かれています。だからこそ、それを読んだ人は感動するのです。

 『もしドラ』を読んでドラッカーに少しでも興味を持たれた方は、本家であるドラッカーが書いた『マネジメント』や『マネジメント[エッセンシャル版]』の読破に、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。経営に興味がない人にとっては、多少、難解な部分もあるかと思いますが、そういうところは読み飛ばしていただいて構いません。
 経営者やこれから起業したいという人だけでなく「自分が何のために働いているのか分からない」「就職することに希望が見出せない」なんて悩んでいる学生の皆さんや、仕事に行き詰まっている人にも『マネジメント』は必読です。人と人が一緒に働くことの意味や、会社がこの世に存在している理由が分かれば、悩みもスッキリ。新たな気持ちで明日からの仕事に取り組めるようになると思います。
 

 
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