ボルトインモデル
このところ複数のプラモを積んだ側面画像でお手軽に更新しておりますが、今回もその方向で。
こうした画像は、発売当時の売り場で見た光景の記憶と脳内でリンクするのか、ふしぎな魅力を感じます。
バンダイ模型が1977年に発売したボルテスV・ボルトマシーンシリーズ。
ゼンマイ動力・各600円ですがフリゲートのみコロ走行で700円という変則的な構成です。
接着不要でビス・ナットによる組み立てを多用しており、フリゲートには専用ドライバーが付属します。
同時期の電動大鉄人17などにも同じドライバーが入っていました。
前年のバトルマシンシリーズ(再販)と並べてみるとかなりボリュームアップしています。
バンダイ模型のキャラクタープラモは1976年から接着不要の簡易組み立てを大きく取り入れていますが、77年にはその傾向がさらに強まってほとんど組み立てオモチャというべき内容になっています。
簡易組み立てを優先するあまり形状再現がないがしろにされる、という本末転倒の域に達している印象です。
ボルトイン時にはクルーザー・パンザー・ランダーはゼンマイユニットを取り外します。
ボンバーは左右の手首を付け替え、フリゲートは機首をはずします。
ボルトイン状態、画像はバンダイキャラクタープラモ年代記(学研2007)より。
耳にあたる部分が女性のカールした髪のように見えて、おかしな印象です。長すぎる首はボンバーのノズルをそのまま使用しているため。腰や手足に残された車輪も美観を損ねています。
簡易性の行き過ぎで、形状再現に悪影響が出ているのがよくわかります。
こうした方向性は売れ行き向上にはつながらず、同時期のスーパーカーブームに背を向けた判断ミスもあってバンダイ模型は組織存続の危機に陥ったそうです。
高年齢向けで精密再現・接着必須の宇宙戦艦ヤマトシリーズがこの危機を救いますが、バンダイ模型のキャラクタープラモは簡易性と精密再現の間を揺れ動くことになります。
これを精密再現・接着必須で決着させたのが1/144ガンダム(1980)であり、技術開発で形状再現と簡易性を両立させたのがHG・1/144ガンダム(1990)です。
こちらは当時のカタログや広告に掲載されていた試作品。
製品版よりかっこよく出来がいいですが、合体ギミックがどこまで実装されていたのかはわかりません。
ボルテスVは600円の単品プラモもボルトインを再現しています。画像は1981年の再販箱より。
このバランスはどこから発想されたのでしょうか、謎です…
なお再販はボルテス単品のみで、ボルトマシーンは放送当時のみの発売です。
ボルテスの完成品は手にしたことがないので、組み立ててみたい衝動に駆られます。
ボルトインボックス版と並べたり、ダンガードA・大鉄人17といっしょに1977年の3大ロボの再現も楽しそうです。