美研 スケールモデル怪獣 1

美研 スケールモデル怪獣 1
 
 

 
画像の怪獣人形は1971~2年に発売された高さ8cm前後のスケールモデル怪獣シリーズです。
ゴムのような軟質素材でワンパーツ構成のムク成型、発売元は美研という会社でした。
 

 
 

美研は児童向けのフォノシート付き紙芝居を多く発売しており、1970年代初頭にはそのジャンルの大手でした。
画像は1971年夏頃?のチラシより。
 
 

これは小松崎茂作画によるウルトラマン三作の復刻版。
同社の紙芝居は書店だけでなく玩具店でもよく目にした記憶があります。
 
 

こちらは同じチラシの裏面。帰ってきたウルトラマンの放送開始を受けて怪獣関連商品を積極的に展開していることがわかります。
 
 

帰ってきた~の放送開始以前、テレビで新作の無かった1969~70年にも怪獣の人気は根強く持続しており、それに着目した美研は怪獣バッジやウルトラ怪獣手帳を発売して人気を得ていました。
 
 

特にウルトラ怪獣手帳NO.1はすべてカラー写真で構成された画期的な怪獣図鑑で、比較的安価なこともあり大ヒットとなっていました。上のチラシには「100万部突破のベストセラー」と書かれています。
続いて同じ構成の怪獣手帳NO.2や仮面ライダーポケット百科なども発売されています。
 

 

美研のスケールモデル怪獣は、第二次怪獣ブームが爆発的に盛り上がっていたころに発売されました。
怪獣玩具としてはブルマァクのソフト人形の人気が最高潮だったころですが、スケールモデル怪獣はそれまでになかった「リアル感」を売りにして差別化を図ろうとしていたようです。
 
 

同時期のミニサイズ玩具との比較。向かって左2体はブルマァクのミニソフト、中央右は日東科学のプラモデル、右2体はブルマァクミニミニ怪獣。
これらの中では、たしかに美研製がもっとも映像イメージに忠実な印象です。(左端の未塗装ソフトは再版品)
 
 

スケールモデル怪獣はこのようにクリアケース入りで販売されました。
画像のような四足怪獣はヨコ型、人間型はタテ型、二足で尻尾のある怪獣は中間型のケースが使用されています。
台紙部分のイラストは簡易ジオラマのような雰囲気で、人間型では人形の背面になる背景部分も追加されています。
 
 
 

 

台紙上面の文字情報はイラストにまぎれて読みにくいですが「怪獣名 (C)円谷プロ NO.180 1/540スケール 株式会社美研」となっています。
この個体は初期生産分のようで、後期分では怪獣名以外の文字情報は台紙側面に移動して読みやすくなっています。
また側面の色もオレンジなどに変更されたようです。
 
 
 

このようなクリアケース仕様の玩具にはミニカーなどが先行例として存在していたようで、キャラクタージャンルでもフジホビー、ブルマァク、永大などが美研に追随しました。
1960年代のブリキ玩具やソフト人形には無かったちょっとした高級感や「宝物っぽさ」を感じる点で、クリアケースには新しい魅力があったようです。
こうした「玩具の宝物感覚」はのちにポピーのポピニカ・超合金で決定的になります。
 
 


スケールモデル怪獣は大ヒット商品にはなっていないもののおおむね好評だったようで、帰ってきたウルトラマンやミラーマンを題材に新作が投入されています。
カラーバリエーションが存在する怪獣もあり、ある程度の期間は生産が続けられていたようです。
 
 

そうした人気を受けてかバンダイも1972年に同種の人形を仮面ライダー、ウルトラマンA、変身忍者嵐で展開しています。
ただし中空の2パーツ構成でウルトラマンAの超獣以外はかなり大きなものとなっていて、仮面ライダーには1/18スケールの表記があります。
 
なおライダーや怪人のベルトはゴム製の別パーツでしたが、素材の安定性に問題があったらしく経時劣化で崩壊してしまうようです。
 
 
 


 
次回から第1弾12種を詳しく取り上げます。
 
[ 2013/09/29 23:05 ] チープトイ チープトイ | TB(0) | CM(10)

二者会談

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        オイソガ氏。      ビンボーヒマナ氏。
 
 
 
(バンダイ模型メカニックロボコンジャンク、アオシマブロックロボットカリキュラマシーン)
[ 2013/09/11 01:16 ] プラモデル プラモデル | TB(0) | CM(8)