つなぎ更新です。
最近購入した2冊。
造形師村瀬継蔵(洋泉社)は、同氏が携わった造形物を記録してきた個人写真をまとめたもの。
そのほとんどが初公開写真という凄い一冊です。
映画怪獣ばかりでなく、完成直後のベロクロンやバキシム、造形中のグリーンマンやクレクレタコラなども掲載されています。
とくに、グリーンマン本編撮影風景の写真に対戦怪獣として「突撃!ヒューマン!!」から流用されたメガヘルツが写っているのは驚きでした。
メガヘルツは成田亨デザインをモ・ブル社内で造形したと思われる怪獣で、おそらく村瀬氏は造形に関わっていないと思われます(本書では明言されていないので未確認ですが)。
偶然とはいえ、ヒューマン怪獣のディテールがよくわかる写真が複数枚掲載されているのは思わぬ収穫です。
「メガヘルツの背中が見られるのはこの本だけ!」というわけで、成田ファンとしても気になる本になっています(^^
ただし、無思慮なレイアウトで見開き写真の多くがとても見づらくなっているのが残念です。
肝心な部分が本の綴じ目にかかっていて、せっかくの貴重写真が台無しにされているページが少なくありません。
洋泉社は研究読本シリーズや特撮秘宝でも同じことを繰り返していて気になっていたのですが、写真集という企画において最悪の形で問題が顕現してしまいました。
貴重な写真をなるべく大きく掲載しようというのはいいのですが、それなら横向きに配置するなり書籍の判型を横長にするなりして、写真自体を毀損しない工夫をしていただきたいです。
この点の改善と、今回未掲載のドルゲ魔人などをまとめた続刊を期待したいと思います。
画像はジンクロンとミクロマンで表紙を再現してみたもの。とくに意味はありません(^^
「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男(講談社)はプロデューサー西崎氏の評伝です。
積極的な関係者取材で、アニメ業界以前から事故で亡くなるまでが詳述されています。
個人的にはヤマト以前の虫プロでの氏の動向や、テレビ一作目終了から劇場公開までの状況の流れについて初めて知ることが多く、興味深いです。
画像は野村トーイのダイキャストシリーズ、1/850ヤマトと1/100コスモタイガー。
ミサイル発射などのギミックはありますが外見上のアレンジは控えめで、堅実なつくりに好感が持てます。
ヤマトは本体が合金なのでかなり重いです(^^
当時、さらば~ヤマト2の時期に野村トーイが独占的に玩具展開を始めたのはかなり唐突な印象がありました。
同社にはロンパールームなどの幼児玩具のイメージが強かったし、ダイキャストから第一艦橋プレイセット、コスモガン、各種雑玩、さらに独自のプラモデルまで発売するというその勢いのすごさも記憶に残ります。
同時期には食品分野でグリコがヤマト商品を大々的に展開しており、やはり同じ唐突感がありました。
こうした事象は、1年前まではマイナーなダークホースだったヤマトが、メジャーなヒット作品という位置づけに変わったことによる状況変化のあらわれだったのでしょう。
ところで当時、野村トーイのプラモデルは大型スーパーのオモチャ売り場には入荷していましたが、模型店では見なかったように記憶しています。
流通が玩具経路だったのでしょうか。