初期のガンダムプラモデル

機動戦士ガンダム



画像は韓国生産版のガンダムプラモデル。
ガンプラブームの1981年、バンダイ模型が供給不足に対応するために一時的に国内流通させたものです。
当時は店頭で見たことはなく、入手はほとんどあきらめていたのですが、縁あってひょっこり手元にやってきました(嬉

元々は韓国メーカーによる無許可の複製品だったものをバンダイが差し押さえ、金型に手を加えて正規品にしたそうです。
現物のランナーを国内生産品と比較するランナー内のパーツ配置が一部異なっています。
また、特に1/144は成型状態がかなり悪いようです。V字アンテナは溶けかかったような状態でパーツ自体が細く小さくなってしまっていますし、脚の付け根のパーツには角度が付いておらずただの十字状になっていたりします。

組み立て図の日付は1/144が1981年5月、1/100は同年9月になっているので、無版権品を改造したのは1/144だけで1/100は当初からバンダイ模型の主導で韓国生産された可能性が考えられそうですが、詳細は不明です。



韓国版といっしょに通常の1/144ガンダムも入手したのですが、こちらは組み立て図と塗装図が別紙の初期タイプでした(ただしサーベルは4本に改修済み)。
1/100の初期タイプ(十字マークがデカール版)はすでに所有しているので、とりあえずガンダムの初期プラモが手元にそろいました。
サーベル2本の1/144最初期版は気長に機会を待とうと思います…



ほかに1/144ガンダムのバリエーションには、塗装済み状態で1988年に発売されたフルカラーモデル(FCM)と、翌89年に箱変えしてシリアルナンバーを加えたガンダム10周年記念版FCMがあります。
これらのFCMは中国生産になっており、上掲の国内版1/144とは別の金型が使用されているようです。



みんなのガンプラ(アスキー・メディアワークス2010)での大下聡氏のインタビューで、1/144ガンダムには3つの増し型があったと述べられています。
また同書の松本悟氏のインタビューではFCM企画時にタイの協力工場を使う予定があったことが語られており、実際にタイ生産版の1/144ガンダムの存在はウェブで確認できます。

こうしたことから、1/144ガンダムの金型はオリジナル1、増し型3、韓国版1、の計5つが存在していたと考えられます(韓国版が増し型に含まれるなら計4つ)。
そのうちひとつはタイへ、ひとつは中国へ運ばれて現地生産に使われたのでしょう。
韓国版はあくまで急場しのぎとすれば、現在国内にはオリジナル含め1~2セットのみが存在しているということになりそうです。
初期ガンプラについては深いマニアの方も多いようなので、より詳しい情報などありましたらご教示いただけたらと思います。



当時のガンプラでほかに気になるものには、すでに絶版の1/250イロプラがあります。

で……


これらを積んでみました(^^

韓国版1/144はベストメカコレナンバーが04になっていますね。
FCMでもガンダムがナンバー4なのはベストメカコレに合わせたのでしょうか?


[ 2015/10/25 22:55 ] プラモデル ガンダム系 | TB(0) | CM(19)

バラゴンとヤマト

つなぎ更新です。


最近購入した2冊。



造形師村瀬継蔵(洋泉社)は、同氏が携わった造形物を記録してきた個人写真をまとめたもの。
そのほとんどが初公開写真という凄い一冊です。
映画怪獣ばかりでなく、完成直後のベロクロンやバキシム、造形中のグリーンマンやクレクレタコラなども掲載されています。

とくに、グリーンマン本編撮影風景の写真に対戦怪獣として「突撃!ヒューマン!!」から流用されたメガヘルツが写っているのは驚きでした。
メガヘルツは成田亨デザインをモ・ブル社内で造形したと思われる怪獣で、おそらく村瀬氏は造形に関わっていないと思われます(本書では明言されていないので未確認ですが)。

偶然とはいえ、ヒューマン怪獣のディテールがよくわかる写真が複数枚掲載されているのは思わぬ収穫です。
「メガヘルツの背中が見られるのはこの本だけ!」というわけで、成田ファンとしても気になる本になっています(^^


ただし、無思慮なレイアウトで見開き写真の多くがとても見づらくなっているのが残念です。
肝心な部分が本の綴じ目にかかっていて、せっかくの貴重写真が台無しにされているページが少なくありません。
洋泉社は研究読本シリーズや特撮秘宝でも同じことを繰り返していて気になっていたのですが、写真集という企画において最悪の形で問題が顕現してしまいました。

貴重な写真をなるべく大きく掲載しようというのはいいのですが、それなら横向きに配置するなり書籍の判型を横長にするなりして、写真自体を毀損しない工夫をしていただきたいです。
この点の改善と、今回未掲載のドルゲ魔人などをまとめた続刊を期待したいと思います。

画像はジンクロンとミクロマンで表紙を再現してみたもの。とくに意味はありません(^^






「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男(講談社)はプロデューサー西崎氏の評伝です。
積極的な関係者取材で、アニメ業界以前から事故で亡くなるまでが詳述されています。

個人的にはヤマト以前の虫プロでの氏の動向や、テレビ一作目終了から劇場公開までの状況の流れについて初めて知ることが多く、興味深いです。



画像は野村トーイのダイキャストシリーズ、1/850ヤマトと1/100コスモタイガー。
ミサイル発射などのギミックはありますが外見上のアレンジは控えめで、堅実なつくりに好感が持てます。
ヤマトは本体が合金なのでかなり重いです(^^


当時、さらば~ヤマト2の時期に野村トーイが独占的に玩具展開を始めたのはかなり唐突な印象がありました。

同社にはロンパールームなどの幼児玩具のイメージが強かったし、ダイキャストから第一艦橋プレイセット、コスモガン、各種雑玩、さらに独自のプラモデルまで発売するというその勢いのすごさも記憶に残ります。
同時期には食品分野でグリコがヤマト商品を大々的に展開しており、やはり同じ唐突感がありました。

こうした事象は、1年前まではマイナーなダークホースだったヤマトが、メジャーなヒット作品という位置づけに変わったことによる状況変化のあらわれだったのでしょう。


ところで当時、野村トーイのプラモデルは大型スーパーのオモチャ売り場には入荷していましたが、模型店では見なかったように記憶しています。
流通が玩具経路だったのでしょうか。



[ 2015/10/06 11:24 ] 書籍・雑誌 | TB(0) | CM(6)

アトランジャーミニモデル後期箱?

アトランジャーミニモデル後期箱?



てれびくん1976年11月号(小学館)の表2に掲載されたアオシマ・ミニモデルの広告。
ミニモデル13号~22号の写真が掲載されています。



このうち13~16号のアトランジャーシリーズは、これまでの書籍などでは画像のような1~12号と同タイプの箱で紹介されてきましたが…





この広告では横長で取っ手のついたタイプの箱が掲載されています。



これはミニモデル19~22号の「ロボット島」シリーズと同じ仕様ですが、アトランジャーではこのようなタイプは見たことがありません。





両タイプを比較してみると箱の長さや厚みも異なっているので、もしもアトランジャーの取っ手付きタイプが存在するなら中のトレイも新たに作り直されていると思われます。

同時期の別広告では17・18号の鋼鉄ジーグシリーズも同様の取っ手付きタイプが掲載されているのを見たような記憶があるのですが、こちらは現在未確認です。

はたしてこれらは市場に出ていたのでしょうか?
詳しくご存知の方は情報をお知らせいただけたらと思います。






上の広告が掲載されたてれびくんには他にも気になる情報があるので、ついでに触れておきます。



これはポピニカ・バトルマシンの懸賞ページ。
バトルジェットがきちんと合体していないのは撮影者が扱いに不慣れだったのか、あるいは試作品ですり合わせ不足だったのでしょうか?
以前のバトルジェットの記事では3種類のカタログ掲載品を取り上げましたが、これはその二番目と三番目の間に位置する状態の個体と思われます。



この時点でバトルマリンまでは製品版とほぼ同じ仕様になっているようです。
バトルクラフトはまだ追加パーツが付いておらず、ドリルがメッキされていません。



耳の部分は濃紺成型、腕は明るい青色で、やはりこの仕様が最初期生産分だった可能性が考えられます。
さらに、よく見るとクラッシャーとタンクの接合部に明確な色のギャップがあって、クラッシャーは本体の塗装も通常より明るい色になっているようです。

これが市販された最初期版なのでしょうか? 謎は深まります…




こちらはダイアポロンⅡアクションシリーズのブルマァクによる告知広告。

ジンクロンの合身ロボは単品版のみの掲載で、この時点では大箱セットについては触れられていません。
セット版はやはりコンバインボックスの後追いで発売されたのか、それとも合身セットの方が先だったのでしょうか?
こちらも謎ですね…