エース・ナイン・エックス+1
2011年10月現在TOKYO MXではジャンボーグAが放送中です。
9月放送分からジャンボーグ9が登場し、エース・ナインのダブルヒーローが活躍する話数が続いています。
ジャンボーグはどちらも立花ナオキが操縦するロボットなのでエースとナインが並び立つことはありえないのですが、イメージカットとして2大ヒーローが握手する場面も撮影されていました。
画像はタカラの変身サイボーグ1号用変身セットです。ジャンボーグ9のベルトは自作したもの。
ジャンボーグAの本放送は1973年ですが、企画されたのはは1969年だったそうです。
製作決定以前の1970年10月ころから小学館の学年誌で一部設定の異なるマンガが連載されていました。
その漫画版ジャンボーグAの直前には、70年春から小学一年生でジャンボーXという円谷プロによる怪獣ものマンガが連載されており、ブルマァクからソフト人形も発売されました。画像向かって左は450円の大サイズ、右は650円の特大サイズです。
ジャンボーXは名前の類似からジャンボーグAの原案のようにも思えますが作品内容やキャラクターには共通点は無いようで、映像作品としての企画書が存在したのかも不明です。
これは小学一年生1970年7月号付録の小一かいじゅうだいじてん。
内容は挿絵によるウルトラ怪獣図鑑ですが、裏表紙には当時連載中だったジャンボーXが掲載されています。
マンガで描かれたジャンボーXの顔は、ソフト人形とはかなり違う印象を受けます。
このマンガ版の顔、なにかに似ているような気がするのですが…
画像はマーミット製スーパーアクションヒーローズのスペクトルマンです。
こちらはヤマカツの5円ブロマイドより、スペクトルマン初期スーツの頭部。
スペクトルマンのマスクは何度か改修されていますが、画像の状態がもっとも原型に忠実だと思われます。
ひたいの特徴的な形状や頭部全体の基本的な面構成がジャンボーXに似ているようにも見えます。
スペクトルマンは製作決定から放送開始までの準備期間が1ヶ月も無いという通常はありえないスケジュールでスタートしています。
ヒーローにはデザイン画は存在せず、異人館工房の鈴木徹氏と井上繁氏がメインスタッフの意向をもとに1日足らずで頭部原型を制作したそうです(スペクトルマンVSライオン丸/太田出版1999より)。
放送が迫っている以上、あれこれと模索をするような時間の余裕は無かったことがわかります。
ジャンボーXの連載は小学一年生の11月号までだったようで、一方スペクトルマンのデザイン・造形はおそらく12月上旬くらいに行われたと思われ、一応時系列のつじつまは合っています。
スペクトルマンの頭部デザインは非常に個性的で、なにがデザインモチーフになっているのか以前から気になっていたのですが、ジャンボーXから影響された要素があったのでしょうか?
前述の太田出版の本では原作のうしおそうじ氏が「スペクトルマンのデザインは意見を出したメインスタッフのイメージの結晶」との発言をしています。
ただし同書に収録されたうしお氏の発言にはのちに事実誤認を指摘されている部分もあり、100%の信憑性が保障されてはいないようです。
またスペクトルマン(宇宙猿人ゴリ)にはパイロットフィルムが存在していますが、パイロット版スペクトルマンの頭部のおおづかみなシルエットは決定版の頭部に近いようにも見えます。
ジャンボーXとスペクトルマンは似ているように見えますが、明確に参考にしたのか、無意識のうちに似てしまったのか、あるいはまったく関係はなかったのでしょうか。
いずれにせよ真実は直接の関係者にしかわかりません。