神の軍団



いろいろヘヴィな現況ですが「未整理の引越し荷物をシリーズごとにお片付け計画」をゆるゆると進めています。


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今回は超合金ライディーンをまとめました。
あちこちから集めたら、結構な数になりますね。


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1975年放送当時に発売されたデラックス超合金ライディーン。
初期の超合金は1300円を基本価格としていましたが、初の変型ギミック内蔵で1600円になりました。
継続生産分は安全対策のため頭部側面の突起が丸くなっています。


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1978年発売のブラックライディーン。
77年夏公開の劇場版ヤマトに端を発したアニメブームを受けて中高生以上のアニメファンをターゲットにした初のキャラクター玩具であり、数多あるブラックバージョン玩具の原点でもあります。
各部のラインはシール処理ですが、金メッキ調のホイルシールにマットブラックを印刷する仕様で質感を高めています。
なお画像の個体はST番号が81年になっており、3年程度は生産が続いたようです。


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「永遠の名作」シリーズでの再版バージョン、ST番号は83年です。
85年ころには「永遠のヒーロー」シリーズとしても復刻されています。
画像は使用感の薄い個体なのですがゴッドバードのツメがひとつ割れてしまいました。
ツメを固定するビスがパーツ側の穴より径が太いため負荷がかかり、経時劣化で割れてしまう例があるようです。
瞬間接着剤が効かなくて困りましたが、ポリでも接着可能な高性能接着剤でなんとか復活しました(^^


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1990年代後半のフィギュアブームのころ「郷文」という会社が再版したライディーン。
スタンダードのコンバトラーVとゴッドシグマも同仕様で発売されました。
都内の一部大型百貨店や、松戸にあったホビー複合施設「コントンタウン」などでの流通限定だったようです。

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このライディーンは色調がブラックライディーンに近いのですが、プラパーツは成型色のままになっている部分が多いので質感はかなり異なります。
ブラックライディーンには、やはり元祖として独特の存在感がありますね(^^


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やはりフィギュアブーム時、超合金魂がスタートしたころにかつての超合金を一部形状変更して復刻する動きがあり、ロボコンとライディーンが発売されました。
画像のライディーンはイベント・通販限定だったゴールドメッキ版。
フェード・イン前の素体状態に見立てられるのがイイです。


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超合金を縮小復刻したTHE超合金のライディーン。
材質・ギミックともオリジナルにかなり近づけられており、極小サイズのパンチも発射可能な優れものです。
角の先端の妙なアレンジなど気になるところもありますが、製品としてのクオリティが高くお気に入りです。

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THE超合金のブラックライディーン。
各部のラインは塗装処理で、ある意味で本物より手のかかった仕様です。
ただしフェイスガードのラインが太すぎる、ゴッドバードの目がおかしなデザインに改変、ゴッドブロックのラインがなぜか金になっていない、など詰めが甘いのが残念。

THE超合金では製品化してほしいロボがまだまだあったのに、10種で終了してしまって残念でした。
継続されなかった主因は期待ほど売れなかったことでしょうが、ラインナップ選定にも問題があったのではないかと思います。
マジンガーZはメジャーな3期でなくマイナーな4期版、ゲッター1~3が揃っている一方でグレートマジンガーやゲッタードラゴンは無い、ガンツ先生よりグレンダイザーやガイキングを入れるべきでは、などなど…
「それらは第2弾が実現した時のために温存しておいた」ということかもしれませんが、シリーズ自体が消えてしまっては意味がありません。
マジンガーZは限定で1期版も出ましたが、パーツトレイはジェットスクランダーを収納する形状になっていたので3期版も出すつもりだったのでしょう。

変なところで出し惜しみをして結果的に商品寿命を縮めているのはフィギュアブーム(超レア・激ヤバ・即ゲット!)の弊害でしょうか。
最初の10種をガッツリ人気ロボで固めておけば、ヒット商品になる可能性も高まったと思います。
その結果2弾が実現して「THEポピニカ」としてバトルマシンやボルトマシーンを縮小復刻していたら、オモチャファンは絶賛、狂喜していたことでしょう。
現在では生産現場の賃金や技術レベルが大きく変わってしまったので、THE超合金のような製品は再現不可能でしょうね…(T T


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ガシャポンで超合金を縮小復刻したカプセル超合金、ノーマルライディーンの箱は行方不明(^^;
サイズを考えれば充分な完成度です。
これらも現在では再現不可能でしょうか。


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スーパーロボット超合金のブラックライディーン。
超合金魂のブラックライディーンは妙なデザインに改変されていたので、ポピーデザインを再現してくれたのは嬉しかったです。
ただし現物を手にするといまひとつピンと来ない……
やはりブラックライディーンのデザインはポピーの超合金だからこそ映えるもので、まったくバランスの異なるスーパーロボット超合金では無理が生じるのでしょうね。




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超合金ライディーンはゴッドバードの目がきれいで印象的ですが、アニメの設定とはまったく違うデザインです。
本編映像をなぞるだけでなく「オモチャはオモチャとしての魅力や完成度を追及する」というこうした姿勢が、当時のポピー製品を競合他社とは一線を画す魅力あるものにしていた気がします。
無論そこには相応の能力とセンスが必要で、超合金の生みの親である村上氏の存在が大きかったのでしょう。
例えばガイキングは村上デザインではありませんが、超合金では氏が角の造形にこだわった旨を述懐されています。
同様にべラリオス頭部も造形にこだわったそうで、これらはアニメ本編とはまったく異なる形状になっていながら立体としての魅力と説得力がありました。

余談ながら、こうした視点の欠落が気になるのが超合金魂です。
ダイナミック系ロボならアニメ再現をゴールに決定版玩具が作れるでしょうが、ライディーン以降のオモチャ先導ギミックを持つロボにはそれだけでは不十分でしょう。
とはいえマニア対象の魂において設定からはずれたアレンジを加えるのは困難だろうことは理解するし、ダイモスの変型やダンガードAの腕の処理、リスペクトボルトインボックスの中途半端さ、といった成功しなかった例もあります。
だからこそサイズアップや音声・発光ギミックといった別方向での進展も模索しているのでしょうが、DX魂のコンバトラーやボルテスは肝心の造形・色彩が元の魂の単なる拡大(に見えてしまう程度の差異しかない)では、新たな魅力は感じにくいです。
GX-100は価格や大きさばかりが話題になりましたが、私は造形自体に魅力を感じませんでした。
角の造形ひとつとっても、ポピーの超合金とバンダイスピリッツの魂では目指すものと志の高さがまったく異なります。
詰まるところ「ポピーはすごかった」「村上氏は偉大だった」という発展性のない結論になってしまうのですが、ポピー製品の良さとは何だったのかを改めて考えるのも無駄ではないと思います。


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最後は愚痴っぽくなってしまいました。
還暦も視野に入ってきた世代がそんなにオモチャのことを考えてるのはどうなのよ、という自己ツッコミも必要でしょうかね(^^;




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それにしても、21世紀になってこの映画と同じような状況をリアル体験することになるとは思いませんでした。
透明チューブの中をエアカーが行き来するはずの21世紀は、どこへ消えたのか…

苦しみや悲しみに遭われている方々に一刻も早く安定した日常が回復されるよう祈念いたします。



[ 2022/03/14 13:51 ] 合金 ポピー | TB(-) | CM(2)