ミニ情報です。
すでにご存知の方も多いかと思いますが、1980年代に朝日ソノラマから発売された成田亨画集ウルトラ怪獣デザイン編・同メカニック編が2冊セットで再刊されるそうです。
発売元は復刊ドットコムで1月発売予定とのこと。
現在発売中の成田亨作品集(羽鳥書店)には未掲載の画稿も少なくないですし、特にウルトラ怪獣デザイン編には近年なぜか目に出来なくなっているウルトラセブン決定稿デザインが大きく掲載されているので、この点だけでも意義は深いと思います。
複雑な事情で長く絶版状態だった画集ですので、気になる方は確実に入手されることをおすすめします。
自分はソノラマ版を所有していますが、成田氏関連書籍の復刻支援のために、見たおし用としての購入を考えています。
画像の成田デザインメカは、放送当時にマルザンから発売されたゼンマイ動力ソフトです。
もともと有機的な形状・質感の表現に向いているソフトビニール素材で、メカニックを成型するのはいろいろ無理を感じます。
そのせいか、これらはブルマァクには継承されませんでした。
それでもインジェクション成型より少ない開発費でメカニックを玩具化できる利点もあるため、ブルマァクは新造人間キャシャーンのフレンダージェット、フレンダーマリンなどを同仕様で製品化していました。
早くも12月ですがいろいろ余裕がないので、今回はかわいいパンダに癒してもらいましょう。
画像のパンダは軟質ソフト製、頭部とボディの2パーツ構成です。
底部の穴には笛が仕込まれていて、ボディを押すと「キュキュ~」と鳴きます。
そしてその下のメーカー刻印を見ると…
ブルマァクのロゴ! これがこのパンダを所有している理由です(^^
梱包はSTマーク入りのビニール袋のみで、一見ブルマァク製とは気付きません。
ヘッダーが付いていないのが残念です。
とはいえ、前村教綱氏のリアルタッチのイラストにいつものロゴで「ブルマァクのパンダシリーズ」なんてヘッダーが付いていたら、購入層の女子にはむしろマイナスになってしまいそうです。
この仕様で正解だったのでしょうね。
袋のSTマークは番号が消えかかっていて発売年を特定できませんが、おそらく1972年度後半ころの発売ではないかと想像しています。
ところで、72年12月発売の
原色怪獣怪人大百科第2巻(ケイブンシャ)には付録としてパンダのポスターが付いています。
この点について
よみがえるケイブンシャの大百科(いそっぷ社2014)では「怪獣・怪人となんの関係もないのに理解不能」というような記述がありますが、当時の読者のひとりとしては特に不自然な印象は受けませんでした。
1972年は、変身ブームの熱狂の一方で日中国交正常化の年でもあります。
中国お得意のパンダ外交で日本にはランラン・カンカンという2頭のパンダがやってきて、上野動物園で公開されるや大人気になりました。
幼年誌や学年誌から大人向けの週刊誌やグラフ誌にまでパンダの写真が掲載され、ぬいぐるみをはじめとした多数のオモチャが巷にあふれました。
文具店や駄菓子屋にはパンダをかわいらしくイラスト化した商品が並び、「ピンポンパン」などの子供番組ではパンダを題材とした歌が流れ、実写ヒーロー番組でもパンダを取りあげたストーリーやパンダをモチーフとした怪獣・怪人が登場しています。
73年2月に創刊したテレビランドは、画像の通りマスコットマークがパンダになっています。
こうした状況だったので、怪獣怪人大百科にパンダのポスターが付いたのはブームに乗ったサービスだったのでしょうし、読者にとっても悪くない付録でした。
当時は子供が多かったので、自分は興味がなくても妹・弟や姉などに喜ばれたケースもあったかもしれません。
パンダはある意味で72年度のヒーローのひとりだったのだろうと思います。
なお、ブルマァクのパンダの発売時期についてご存知の方はお知らせいただけると幸いです(^^;