勇者ライディーン 改訂

 勇者ライディーン 改訂 
 

 
ジョイントモデル・勇者ライディーンの詳細についてあらためて取り上げます。(過去記事はこちら


 
製品番号と価格/ 8778 -500、発売/75年10月頃?、使用ジョイント/改良型ハトメジョイント黒色
 



箱デザインはゲッターロボGの2種やグレンダイザーと同じパターンです。
 

 

 
組み立て図のほかリーフレットとアンケートハガキが同梱されています。
 

 

 
ジョイントモデルの特性の説明と先行のゲッタードラゴン・ライガーとの組み換え遊びを推奨する記述があります。
 

 
本体パーツの下にゴッドバード用のシールが入っています。ホイルシールですが表面はマットな質感です。


 

 
組み済み状態。側面はきれいなシルエットです。
画像の個体ではシールとボディ固定用のビスは未使用ですが、ビスは使用しなくても問題ありません。
 

 
本体は胸部・腰部と後頭部が塗装済み。顔が大きめで首が造形されていないため、顎が胴体にめり込んでいるような印象です。
 

 
プロポーションは良好でスマートなかっこよさがよく再現されています。
 

 
肩カバーが干渉するため腕を振り上げることは出来ません。
白成型の再版品はパーツの合いがゆるいようですが、初版品はカッチリした組みあがりです。
 

 
成型色のままの赤い顔は塗装が欲しかったところ。後頭部にはシールの貼り位置を示すモールドあり。
右腕のゴッドブロックは取り外し可能です。


 
製品バリエーション。脚部の赤ラインは塗装済みとホイルシール貼り付け済みの2種があります。
 

 
使用ジョイントパーツは水色の初期型と黒色の改良型が確認されています。
パーツを収めるトレイは初期は個別収納、後期は一括収納になっており、これはゲッターGやグレンダイザーも同様です。
 

 
胴体固定用のビスパーツは初期はアタマが大きく、後期は小さくなっています。ジョイントパーツの改良と同時に変更されたようです。
ビスの成型色・材質は同梱されるジョイントパーツと同じになっています。


 
ようやく初版ライディーンを紹介できました。
未紹介のジョイントモデル関連品には「コンバインベース」もありますので、こちらも近いうちに取り上げる予定です。

グレートマジンガー

 グレートマジンガー 
 

 
マジンガーZは人気絶頂のまま1974年9月に続編「グレートマジンガー」にバトンタッチします。
グレートの登場は早い段階から周到に計画されていたので、関連玩具は当時としては異例の早さで店頭に並びました。
 
プラモデルもゲッターロボの初期製品に続いて開発されたらしく、通常より早い時期に発売されたようです。
初期発売分は以下の通りです。
 
 グレートマジンガー(モータ-歩行)
 ミニグレートマジンガー(ゼンマイ動力マジンガーZの金型改造/チビッコグレートマジンガー名義でも販売)
 ブレーンコンドル(ゼンマイ走行/マスコットグレートマジンガー付き)
 グレートマジンガー(袋入り50円または箱入り80円の廉価プラモ)
 ブレーンコンドル( 同上 ) 

         
グレート本体はモーター版・ゼンマイ版共にマジンガーZ・ゲッターロボの路線を踏襲しており、映像中のイメージとはかけ離れた形状でした。画像のモーター歩行グレートは1998年の再版を仮組みしたもの。
 

ブレーンコンドルによる起動やアトミックパンチの発射などはZやゲッター1と同じ。
マジンガーブレードとグレートブーメランは手で持つことができます。スクランブルダッシュは脱着可能。
ディテール単位で見ると設定に近い部分もありますが、ギミックに制約されたスタイルのためにあまり奏効していない印象です。
 

マジンガーZとの比較。脚の内側に角度のついた形状はよく似ており、ボディ部分の金型はマジンガーZを改造した可能性が考えられますが、真相は不明です。
改造が事実なら、マジンガーZが再版されないのはそのためということになりますが…どうなのでしょうか?


 

オモチャ然としたグレートに対してブレーンコンドルはイメージ通りの形状になっており、この点もこれまでと同様です。
画像の個体は1998年の再版。


50円サイズの廉価プラモは同シリーズのゲッターロボとほぼ同時に発売されたようで、マジンガーZには無かった新機軸商品です。(詳しくはこちら
画像のグレートの台車はゲッター1のもので代用しており、本来はボディと同じ青色成型です。
 

廉価ゆえにギミックによる制約はありませんが、グレートは目の彫刻が丸くなっていたりやや脚の短いスタイルなど、形状的にはいまひとつの感じです。


これら初期発売品の中では、ブレーンコンドル付属の「マスコットグレートマジンガー」が注目されます。
 
実写ヒーローを立像形体で立体化してきた「マスコット」と同じ名義が使われているのは、キャラクターロボットにもようやく形状重視の視点が適用され始めたことを意味していると考えられます。
実際にこのグレートは初期製品の中ではもっとも良好な形状になっています。
 

ただし「ロボット=動くオモチャ」という先入観を払拭しきれなかったのか、四角くデフォルメされた足にはコロ走行用の車輪が付いています。
この先入観はかなり根強いものだったようで、人型ロボットの足裏に車輪を付ける例は1977年のジョイントモデル・ダンガードAまで続いています。
 

このグレートでもうひとつ注目すべきなのは50円クラスの廉価プラモ以外では初めて接着不要のハメコミ式(スナップフィット)が採用されている点です。
ハメコミを活かすことでスクランブルダッシュ・ブレーンコンドル・グレートブーメランは脱着式となり、パンチ発射ギミックと合わせてかなり遊び甲斐のあるプラモデルになっています。
 
このように「マスコットグレート」からはバンダイ模型のいろいろな変化の兆しが見て取れます。
なお、このグレートは「リトルグレートマジンガー」名義で単品売りもされたようですが、現物は確認出来ていません(情報をお持ちの方はお知らせいただけると幸いです)。
また、のちに発売される「グレートマジンガースーパートレーラー」にも同梱されたほか、メッキ・塗装済みの状態で「DXモデル」としても発売されています(参照)。


 
以上のように、グレートのプラモデルは基本的には「バンダイロボットシリーズ」の路線を継承してスタートしましたが、バンダイ模型の「人型ロボット」へのアプローチには少しづつ変化が見られます。
 
1974年の年末商戦向け新製品からは、時代の要求に合致した新しいかたちの「キャラクターロボットプラモデル」を求めるバンダイ模型の試行錯誤が本格的に始まります。
 
(続きはこちらです)