ダイカスト 無敵超人ザンボット3合体セット コンビネーションプログラム
クローバーから1977年に発売された大箱合金セット「無敵超人ザンボット3 コンビネーションプログラム」。
定価は6500円、3機それぞれの単品販売もありました。
ザンボエースにはパンチと平手、ザンバードにはトレンブルホーンが付属。ザンブルはビッグキャノンやビッグミサイルでなくなぜか大型のトレンブルホーンを装備。とりあえず全パーツ現存しています。
合体時にザンボエースの頭部をザンボット3のものに付け替えます。本家ポピーと比べると洗練されていない印象ですが、大型サイズで重量もあり迫力は十分です。
ザンボットのマスクのディテールやザンベースのコクピットが再現されていないなど、細部の造形がいまひとつなのが惜しいところ。
ザンボエースの顔はやや下膨れな印象。脚部シールは合体時にこすれるため、どうしても傷んでしまいます。
画像の現物は発売から2年ほど経過した1979年、「機動戦士ガンダム」の放送中に入手しました。
当時はすっかりガンダムにハマっており、その制作スタッフなどに興味が及び始めた頃に徳間書店からロマンアルバム・無敵超人ザンボット3が発売されました。
本放送の「ザンボット3」は偶然数本見た程度でしたが、この本で初めてストーリーの全容や天才アニメーター・金田伊功氏の作画したザンボットのおそるべきカッコよさを知り、自分の中でザンボット3が再認識されました。
そして関連商品紹介ページには合金玩具も掲載されていたため、俄然「コンビネーションプログラム」が欲しくなったのです。
しかしガンダム放送中の1979年当時、前番組「ダイターン3」の玩具は店頭に少量残っていましたがザンボット3はすっかり消え去っており、いくら探しても見つかりませんでした。
そこで思い切って発売元のクローバーに電話をしてみたところ、受話器の向こうの中年男性に事務的な口調で「在庫はありません」と言われてしまい、断念するしかありませんでした。
それでもどうしても諦めきれず、一週間ほどして再びクローバーに電話をしてみました。
今度は若い女性が出て、やはり「在庫はありません」とのこと。がっかりして電話を切ろうとすると、こちらの落胆が先方に伝わったのか「返品された物ならありますが、それでもいいですか?」と意外な展開になりました(!)。
返品なので破損や故障があるとのことでしたが、手に入る喜びに比べればそれは些細なことでした。
さらに「代金は定価の半額を切手で送ってくれればいいですよ」とのことで、このクローバーの社員さんがなんだか女神のように思えました。
こうして送られてきたのが画像の現物です。
箱に擦り傷が目立ち、中フタのザンボエースの顔の部分に穴が開いていました(売り場に出たときにイタズラされたのでしょう)が、それ以外は問題のない完品でした。
ポピーの超合金に慣れた眼には野暮ったく感じる部分もありましたが、設定に忠実に変形・合体するザンボット3としては唯一の立体物であり、とても満足でした。
(廉価版のコンビネーションジュニアはギミックの省略が多く、設定通りという内容ではなかったようです)
その後、ガンダム映画化とガンプラの大ブームを受けてザンボット3やダイターン3の再評価もすすみ、アオシマのプラモデルをはじめさまざまな新商品が展開されます。そんな中、ザンボット3の合金玩具も再版されました。
画像は1982年、ザブングル放映時期のクローバーのチラシより。写真は初版の物が使用されていますが、実際はシールと箱デザインを一新して再版されました。価格も値上げされています。
再版に当たって勝平役に子役を起用した新撮のテレビCMも投入されており、クローバーはザンボット3にかなり力を入れていたようです。
再版によって、自分の行動はある意味で徒労となってしまいました。
しかしこの「コンビネーションプログラム」には、希少性とは別の部分で、やはり強い愛着があります。
映像作品としての「ザンボット3」もガンダムやイデオンと並んで今でもたいへん好きなアニメのひとつです。
以下、蛇足ですが…
オリオン製の1号基地~3号基地と、合体状態の「キングビアル」。チープトイなので形状はかなり省略されていますが、合体可能な玩具はこれしかないようです。
劇中でもたいへん印象に残る魅力的なメカなので、設定に忠実な合金玩具の発売を期待したいです。
超電磁マシーンボルテスV ボルト=イン ボックス
ポピニカボルトマシーン5台をセットにしたポピー製大箱合金玩具。画像の現物は本放送時、1978年の正月明けに購入したもので価格は8700円でした。
ボルト=イン ボックスとしては初版の後期生産分に当たります。
ミサイル類は残念ながらいくつか紛失しています。左下に見えているのはアンケートハガキと超合金ボールペンの説明書。アンケートハガキの広告面にはポピニカを収容できる「大型基地・大鳥島ビッグファルコン」が掲載されています。
これらの下に超合金ボールペン、ポピニカ手帳、ボルトイン計画書があります。ボールペンは銀色のものが入っていました。
ボルトイン計画書は単品ポピニカ版(画像左上)よりはるかに大きなボックス専用版です。
ポピニカ手帳は3種存在しますが、最後期の「ものしりテレビ局NO.2」が同梱されていました。なお徳間書店刊「ロマンアルバムハイパームック2 超合金魂」には「ものしりテレビ局NO.2はボックス製品には付属されなかった」との記述がありますが、これは事実誤認と思われます。
ポピニカボルトマシーンには仕様の異なる初期版と後期版が存在しますが、画像のボックスには後期版が入っていました。目立つ特徴は肘パーツが黄色から赤に変更されている点です。
テレビCMや雑誌の広告で使用されていたのは肘関節の黄色い初期版だったので本来ならそちらが欲しかったのですが、78年1月時点で売り場に並んでいたボルト=イン ボックスは目にした限りではすべて肘の赤い後期版になっていました。
単品売りのポピニカは緑箱の初期版と青箱の後期版が並んで売られていたので、緑箱を選んで購入すれば初期版が手に入ったのかもしれませんが、当時はそんな知識はありませんでした。
また緑箱でも後期版が入っている場合もあったようです。
画像右は近年入手した初期版ボルテス。肘パーツの色と一部シールのデザインが異なるほか、青色塗装の色味も若干違うようです。
腰の部分を比較するとわかりますが、初期版は彩度の高い濃い青、後期版は明度の高い薄い青になっているように見えます。
個人的には初期版の色味のほうがオモチャらしい華やかさを感じます。
超電磁ロボット2体のそろいぶみ。
ポピニカ5台が合体して巨大な超合金になるというコンバトラーVの登場は衝撃的でした。
一方、同じ基本構造をパーフェクトにまとめ上げたボルテスVにはシステマチックな楽しさがあり、それぞれ個性的な魅力があります。
「ジョイントモデル以前」の項目では、これからモデルボーグやDXモデルを取り上げる予定です。
モデルボーグのグレートマジンガーとゲッター1は、当時組み立てた物がジャンク状態で現存している筈なので心当たりを探してみたのですが……発見に至らず、空振りに終わりました。
その代わりプラモデル関係で発掘されたのがこの空き箱です。
バンダイ模型が1972年の年末商戦向けに発売した「デラックス変身セット」。4大ヒーローの主力プラモを詰め合わせた大箱製品で、価格2000円でした。
内わけは仮面ライダー(ゼンマイ)500円・人造人間キカイダー(ゼンマイ)600円・超人バロム1マッハロッド(ゼンマイ)400円(
参照)・マスコット変身忍者嵐250円(
参照)・仮面ライダー対怪人のミニプラモ4個パック200円(
参照)、そして箱代が50円。
白夜書房刊「究極プラモデル大全」などに写真掲載があります。
画像の現物は箱の側面に破れや褪色があり、下箱はへこんで変形しています。大きな箱を長期間保管するのはなかなかたいへんです。
小松崎茂氏の新規描き下ろしのキカイダー。このセットの箱絵はいずれもヒーロー中心の構図になっています。
超人バロム1も描き下ろしで、他に使用例はないようです。
仮面ライダーのみトイズワークスの小松崎茂画集に原画が収録されており、「マスコット・仮面ライダー/デラックス変身セット」との説明文が付されています。
これは変身セットの他に「マスコット」にもこの箱絵が使用されたことを意味しているのかもしれませんが、そのようなバージョンは見たことがありません。情報をお持ちの方はお知らせいただけると幸いです。
変身忍者嵐は描き下ろしではなく、「ミニ変身忍者嵐」の箱絵から嵐のみ切り抜いて、一部修正して流用しています。仮面ライダーやバロム1の「マスコット」からヒーローだけを単品販売した場合と同じ手法です(
参照)。
今回は他に合金玩具の大箱BOXもいくつか発掘しました。
これらに関しては特に目新しい情報はありませんが、せっかくなので次回から少し紹介してみます。
モデルボーグについてはぜひとも組み済み状態で紹介したいので、いずれ再捜索してみるつもりです。
タカラの変身サイボーグ1号用ヒーロー着せ替え衣装「変身セット」。
1972-73年発売分にはビニールスーツのスタンダードと布や皮革製のデラックスの2種類があります。
画像はV3のデラックス版です。

基本的にスーツ以外のパーツは2種で共用されています。(スタンダード版ライダーのマフラーは代用品です)
1974年発売分だけは2種の区別がなくなっていますが、これは73年後半から顕在化した石油危機による物価高騰の影響と思われ、台紙の小型化をはじめとしてさまざまなコストダウンが行われたようです。
画像は74年発売の電人ザボーガー。ボディの立体再現は放棄されてしまい、「ザボーガー模様の服を着た人」のようになってしまっています。
コストカットがなければ前年発売のロボット刑事のようにソフトビニールパーツが採用されていたと思われ、たいへん残念です。
そこで、1999年発売の「変身サイボーグ99」版から胴体パーツのみ流用してみたのがこちら。
「本来こうあってほしかった」というイメージにかなり近いものになりました。
もしも当時ザボーガーのデラックス版が発売されていたら、こんな感じになっていたかもしれません。
同じく74年発売の仮面ライダーX。撮影会で使用された銀色スーツを再現してすばらしい出来ですが、胸部は印刷のみというさびしい表現になっています。
こうした部分は前年まではスーツ表面に段差の処理がほどこされていましたが、コストカットのために省略されてしまったようです。
そこでメディコム製リアルアクションヒーローDXのスーツを流用してみました。
メディコム版は各部の処理が整然としすぎているので70年代の玩具と見なすには無理がありますが、「もしもデラックスが発売されていたら…」という想像の手がかりにはなりそうです。
なお、アマゾンライダーも同じように試してみたかったのですがメディコム版のスーツが脱着不可能のため断念しました。(アマゾンのマフラーはパーツ化されていないため、画像のものは適当な代用品です)
こちらは72年発売分ですが、バロム1のスタンダード版。
布製スーツのデラックスは未入手なのですが、ボップの紛失が多いため完品の入手はなかなかたいへんです。
ためしにメディコム版のスーツを流用してみた「なんちゃってデラックス」がこちら。
厳密には色調や質感が微妙に異なりますが、雰囲気はあじわえます。
仮面ライダーと並べて「別冊たのしい幼稚園」表紙の特写を再現。
なお、バロム1の変身セットはボップの他にブーツにも注意が必要です。正面上部が山型にカットされているのが正規の仕様です(ただし直線カットの個体が存在する可能性もあります)。
美品・完品の収集とは別に、時にはパーツを組み替えたりして遊んでみるのもオモチャの楽しみのひとつだと思います。
今回は幻のデラックスを想像してみました。