ジョイントコン-バトラーV デラックス

ジョイントモデル第8弾、ジョイントコン-バトラーVデラックスです。


製品番号と価格/8783-1500、発売/1977年3月?
3月頃の雑誌広告に「新発売」と告知されています。


箱デザインなどガイキングと共通ですが、なぜか商品名に「セット」が付きません。


中の構成もガイキングと同じ。アンテナの塗装が明るい黄色になっています。


銀色のパーツはガイキングと共用です。赤と白のランナーはガイキングとは色を入れ替えています。黄色と水色のパーツが新規です。


F1マシンの構成もガイキング版に準じており、シートの2つの穴にジョイントパーツを取り付けます。コクピット部のカウルにはなぜか梨地処理が施されています。


コンバトラー搭乗パターン。当時の広告では左上のような状態で掲載されていました。右下画像はシール貼付前の状態。


マシンのデザインは「不死身の男」ニキ・ラウダが乗っていたフェラーリ312T2をもとにしています。画像は永大のダイキャストミニカー(一部破損あり)との比較です。


ガイキングセットのマシンとの比較。やや車体が長く、全体に大きめに感じられます。


交換用アームマシン。画像はガイキングセットの物で、コンバトラー同梱品は成型色の赤と白が入れ替わっています。
「アームクレーン」はたこ糸まで付属しており、ハンドルを回すと先端が伸縮します。パーツ分割はかなり細密です。同様の趣向は「グレートマジンガー秘密基地」にも採用されていました。
ミサイルユニットは2個付属。小型の飛行メカのようなものも射出できます。


商品全容。「アームマシン」関係はガイキングの物で代用しています。またコンバトラーは単体売りのものです。


膝のジョイントパーツを使うとハトメジョイントのジョイントモデルも合体可能です。



ガイキングの項でも触れましたが、ジョイントモデルとF1マシンの組み合わせはタカラの「ミクロマン」のように遊ぶことを想定していたのかもしれません。
そんな雰囲気で撮影してみました。

ジョイントガイキング デラックスセット

ジョイントモデル第7弾、ガイキングデラックスセットです。


製品番号と価格/8782-1500、発売/1977年3月?


通常の上下分割箱ですが、上箱は大きなウィンドウ部分のため強度が不足して破損している場合が多いようです。


ガイキングの角の塗装は明るい黄色に、トレイも黄色に変更されました。
緑の内箱のイージーマシンとはモーター動力ユニットです。かつて今井科学が動力部完成済みのモーターキットを「イージーキット」と呼称していました。バンダイ模型は今井の人材や工場を継承しているので、このような名称を使用したのかもしれません。


イージーマシン(画像右上)にはモーターと各種金具が取り付け済みで電池ボックスも兼ねています。リード線を使用しないシンプルな構造です。
組み立てははめ込みとビス止めですが、バックミラーなどの細部パーツには接着剤の使用が薦められており、チューブ入りのセメダインが付属しています。


マスコミBOOKというカタログ入り。バンダイ模型とポピーの合同カタログとなっており、こうした形態は珍しいと思います。

ディスプレイ大空魔竜にはスタンダード超合金の画像が流用されています。またスカイゼル・グランゼルは未発売に終わったマスコットの試作品のようです。
未確認ですが、このころの一時期、ポピーがスポンサーとなっていた番組の提供クレジットが「バンダイグループ」に変更されていた期間があったようです。詳細は不明ですが、番組中に流れるCMはポピーのままなのにクレジットのみバンダイグループに変わっていて違和感を覚えた記憶があります。
このカタログはそうした時期に作成されたのかもしれません。


F1マシン完成品。少ないパーツで大胆な部品構成です。プラモデルというより組立オモチャという印象。シートの2つの穴はジョイントパーツの差し込み口です。


説明書で推奨のガイキング搭乗法三態。腰部ジョイント・膝部ジョイントを使用するほか、左下の画像ではジョイントは使っていません。右下画像はステッカーを貼る前のF1マシンですが、なんともオモチャっぽい外観です。


後部をトランクのように開いて電池を入れます。(単3電池1本使用)
画像の個体は問題なく走行しました。  


6つのタイヤで明らかなように、マシンのデザインは当時人気のタイレルP34を模しています。画像はニッコー製のラジコントイとの比較。


ガイキングの交換用アームマシン。
ハサミ状の「アイアンクロー」は開閉可能。「アームミサイル」はスプリング内蔵のミサイルユニットですが、入念に摺り合わせなどの調整をしないとスムーズな発射はできません。


ドリル状のミサイルも付属。「ゴーガン」は輪ゴムで矢を飛ばします。
腕に各種パーツを付け替える趣向は、変身サイボーグやジャンボマシンダーを連想させます。バンダイ模型も本品以前にグレートマジンガーとゲッター1の「秘密基地」でこの機構を採用していました。


商品全容。
「アームマシン」はコンバトラーと共通なので、残りの種類はコンバトラーの項で紹介します。


ジョイントモデルの特性は映像作品のイメージに忠実な形状と関節可動ですが、このデラックスセットの内容には違和感が残ります。F1にガイキングが乗った図はブリキ玩具の時代に戻ってしまったかのようです。

「可動人形とマシン」の組み合わせで連想されるのは、このころ人気を集めていたタカラの「ミクロマン」シリーズです。ジョイントモデルとF1マシンの組み合わせという発想にはその影響があるのかもしれません。
本品とほぼ同時期の「ミクロマンコマンド」シリーズにも「タイレルマシン」というオリジナル6輪メカが存在しています。

同じ可動人形とはいえ玩具オリジナルヒーローのミクロマンに対し、巨大ロボットという属性のガイキングやコンバトラーを同列に扱うのは無理があったのではないでしょうか。