トイジャーナル1975年3月号(東京玩具人形問屋共同組合)掲載のタカラ広告より。
1月までに発売済みのM10X~20Xシリーズに加えて、3月から展開されるM11X~12Xシリーズが紹介されているのですが、
よく見るとM124マックスはこの時点ではマッキーという名称だったようです。すでにロッキー、ブラッキーという先例があるため、似た印象になるのを避けるために名前を変更したのでしょうか。
また、11Xシリーズはこの広告ではボブソンが白、バーンズが青で製品とは逆になっています。
12Xシリーズはさらに混乱しています。
白黒写真なので断言は出来ませんが、製品ではメイスン赤・マイケル青・ミラー緑・マックス黄なのにここではメイスン青・マイケル黄・ミラー緑・マッキー赤となっているようです。
上段の既発売品でもジョンとロビンの写真が入れ替わっていたりロバートとロッキーが逆になっていたりするので信憑性には疑問が残りますが、新発売前の混乱が表れているようで興味深いです。
こちらは上記より2ヶ月前のトイズマガジン1975年1月号(商報社東京本社)より、座談会でCMについて語っているタカラ関係者の発言です。
ミクロマンは当初北海道で先行発売されたことが知られていますが、北海道限定でテレビCMも流されていたようです。
タカラSFランド大全集(講談社1999)に収録されたミクロマンCM映像では、最も古いバージョンでも75年3月発売のマリンコプターなどが使用されています。
この発言は74年11月ころのものと思われるので、北海道で流されたCMは独自のバージョンだった可能性がありそうです。
このCMの内容などについて、ご存知の方はお知らせいただけると幸いです。
ついでに、こちらはミクロマンと同じ広告でのサイボーグシリーズ。
アンドロイドAをよく見ると、腕と脚はノーマルクリアになっているように見えます。
同シリーズの超人ではこのような状態の試作品写真が公開されていますが、アンドロイドAにも同様の試作が存在していたようです。
そういえば、メディコムのリアルアクションヒーローズ初期製品にはクリア素体のものがあったから、それを組み合わせればこの試作状態が再現できるのでしょうか…?
ちょっと気になります(^^
ダイアポロン準備稿?
玩具商報1976年3月号(
商報社)に掲載されたブルマァクの広告より、UFO戦士ダイアポロンの放映開始と商品展開の告知です。掲載された各ロボットの画稿は決定デザインとは一部が異なっており、準備段階のものと思われます。
ダイアポロンは頭部デザインがまったく違うほか、胸部も少し異なっています。
胸部中央は透明パーツになっているようです。
頭部アップ、小さい画像なのでこの程度が拡大の限界です。
なんとも不可思議な、とらえどころの無いデザインに見えます。
頭頂部はウルトラセブンぽい?
念のため、こちらが決定デザインの頭部(てれびくん76年11月号ブルマァク広告より)。
ヘッダー頭部は中世ヨーロッパ騎士の甲冑をモチーフにしているようにも見えます。原作名称の「アポロン」からの連想でしょうか。(
追記:原作の主人公の頭部がギリシャ風の甲冑になっているのにもとづいているようです。漫画は十数年前に一度読んだだけなので、忘れていました…)合身すると埋没していた頭部がせり上がって瞳が出現する設定?
いずれにせよ主役ロボットの顔としては個性が弱く感じられます。
決定デザイン(
最新版ヒーローロボット大百科/ケイブンシャ1977掲載)と並べてみると、頭部以外はほぼ同じようです。
アポロントラングーは胸の下部などが微妙に異なります。
決定デザインと並べると腕が大きくゴリラのような体型です。これは
合身後は巨大ロボでも合身前はあくまで小型ロボという設定を明確に示しているように思えます。さらに、合身すると腕の付け根が広がるギミックが考えられているようです。
アポロンレッガーはほぼ決定デザインになっています。
並べてみてもほぼ同じ。足首の丸いディテールの位置のみ異なるようです。
レッガーの脚が長いのも合身前後のサイズ差によるものと思われます。
広告掲載は3月発売号なので、締め切りが2月初めとすればこれらの画稿は1月ころの段階のものと考えられます。
4月放送開始であれば本編作画作業は2月にはスタートしていないと間に合わないでしょうから、デザイン変更はかなりギリギリの時期になってから行われた可能性があるようです。
トラングーのデザインを見るとアメフト要素は当初から意識されていたようですが、頭部デザインを変更してアメフトヘルメットそのものにすることには、キャラクター性をより明確化しようという狙いがあったのかもしれません。
主人公たちのコスチュームやボール型の武器を使用することなどを考えると、変更の方向性としては間違っていないと思えます。
ただし決定デザインは良くも悪くもマジンガーの影響を感じさせるものになっており、アメフト要素とともに当時流行の風潮に迎合しているように見えてしまうのも事実ではあります。