1972年度 その3

1972年度発売のバンダイ模型の低価格プラモデル。

ウルトラセブン


ウルトラセブン(ウルトラホーク秘密基地同梱)
ウルトラホーク秘密基地4種(1号・2号・3号・マグマライザー)および各メカ単体売りに同梱された飛行形態のセブン。


ランナーサイズはミニ仮面ライダーとほぼ同じで25円相当。画像向かって右のランナーは1998年の再販品、パーツ自体に変更はありません。
画像のホーク2号秘密基地は「500」の価格表記の上に「800」のシールが貼られており、石油ショック時に値上げされたようです。


再販の完成品。


セブン本体の各面。背部のラインはデザインとは異なっています。


ミニライダーとほぼ同サイズです。



他社の動向


マルサン

「ウルトラマンA」シリーズ/各50円
A以外は一部仕様を簡略化した袋入り版もあり(袋入りは1973年度以降発売の可能性あり)

ウルトラマンA・超獣基地NO.1バキシム・同2ガラン・同3ドラゴリー・同4ガラン・
TACファルコン・同アロー・同スペース・同パンサー・ダックビル・TACガン


アオシマ文化教材社
「快傑ライオン丸」
ミニミニシリーズ/各50円 ライオン丸・天馬・小助・どくろ忍者
対決シリーズ/各100円 ライオン丸対オロチ・ライオン丸対ムササビアン

「赤胴鈴之助」
ミニミニシリーズ/各50円 赤胴鈴之助・竜巻雷之進・鬼面党・岳林坊
決闘シリーズ/各100円 赤胴鈴之助対竜巻雷之進・鬼面党対岳林坊

「ワイルド7」
ミニミニシリーズ/各50円 飛葉オートバイ・同ヘボピー・同親分・同両国・同八百・
              同チャーシュー・同世界・ミニセブンレーラー

「新ムーミン」
ミニミニシリーズ/各50円、台車パーツ付き「ムーミン谷」シリーズは各100円 
ムーミン・ノンノン・ムーミンママ・ムーミンパパ


今井科学
「科学忍者隊ガッチャマン」
ミニシリーズ/各80円、4点パック300円(発売は1973年度以降の可能性あり)
G1号・G2号・G4号・G5号


タツノコランド
「かいけつタマゴン」シリーズ/各100円、4点パック400円(初版は各80円、パック300円の可能性あり)
ミニタマゴン・オタスケゴン・プーラー・ユキコンコン



次回は1973年度です。

1972年度 その2

1972年度発売のバンダイ模型の低価格プラモデル。

アイアンキング


アイアンキング・ダブルサタン 150円
アイアンキング・モンスターゾロ 150円
アイアンキング・不知火一族・敵ロボットの3キャラクターが3枚のランナーで構成されており、一体あたり50円相当。ランナーの形状からして単品売りは無かったと思われます。
画像のアイアンキングの下に見える黒ランナーは不知火一族のもの。


ダブルサタン・モンスターゾロのパーツ詳細。本編イメージに忠実な造型です。


サイズはマスコットのライダーやバロム1とほぼ同じ。
これら4キャラクターに特撮セット風のディオラマベースをセットにした500円の製品「アイアンキング」もあります。
ベースには建物や鉄塔がパーツ化されていていい雰囲気です。
本項の画像はこのセット箱に同梱されていたものです。


サンダーマスク

サンダーマスク・タイヤーマ 150円
サンダーマスク・ハカイダー 150円
アイアンキングと同じ構成で展開され、一体あたり50円に相当します。
キャラクターはサンダーマスク・命光一と高瀬姉弟・タイヤーマ・ハカイダーの4種でディオラマセットもあり。
白夜書房「究極プラモデル大全」などに画像掲載あり。


レインボーマン



ダッシュ1 50円
ダッシュ2 50円
ダッシュ3 50円
ダッシュ4 50円 製品番号8666-50
ダッシュ5 50円 8666-50
ダッシュ6 50円 8666-50
ダッシュ7 50円 8666-50
製品番号はすべて同一だったようです。鉛筆キャップがパーツ化されているのは今井科学からの流れが感じられます。
単体で50円の低価格プラモはバンダイ模型ではレインボーマンが最初で、以後定番化します。


ダッシュ7と任意の1体の2箱パックは100円、7と1~3の4箱パック200円、7と4~6の4箱パック200円。
画像は4箱パックの現物です。


ダッシュ7のパーツ。マスコットのライダーより少し小さめ。


ダッシュ2,3,5の組済み品。当時のキャラクタープラモとしてはリアルな出来で、きちんと彩色すると子どもには「本物そっくり」に見えました。

7つの化身とディスプレイ台座をセットにした350円の大箱製品「レインボーマン」もありました。
箱絵画像をよく見るとダッシュ6や7は単品版と共用しているのがわかります。
台座パーツはのちに「飾り台付き秘密戦隊ゴレンジャー」「同忍者キャプター」に流用されました。




<1972年度の項、続く>

1972年度 その1

1972年度発売のバンダイ模型の低価格プラモデル。

変身忍者嵐


嵐対魔神斎 100円 製品番号5314-100
仮面ライダーミニプラモと同様の台座付き立像二体セット。
ただしサイズが大型化して一体あたり50円相当になりました。



一般的な上下分割箱なので組立図は別紙になり、チューブ入り接着剤と検査票も入っています。
サイズはマスコットのライダーの肩くらい。。


パーツ詳細。台座パーツは厚みがあります。
ランナーの構成から、それぞれ単品での販売はなかったと思われます。


この当時のバンダイ模型の単品売り低価格プラモは同サイズのふたつのワクが連なった形状で成型されているのが基本です。このランナーを出荷時にふたつに切って梱包していたと想像されます。
そのためランナーの形状から単品売りの有無がほぼ確定できます。

嵐対毒うつぼ 100円
嵐対鬼火まむし
嵐対卍かまいたち
嵐対不死身ましら
嵐対ネコマンダラ
これらの二体セットのうち、発売が確認されているのは「毒うつぼ」のみ。
他の四種は未発売だった可能性が高いようです。


これらの化身忍者は「マスコット変身忍者嵐」(250円)に任意の一体が同梱されています。箱に「○○がはいっています」と明記したシールが貼付されたものもあるようです。
また、嵐・鬼火まむし・卍かまいたち・不死身ましらの四体セットの「ミニ変身忍者嵐」(200円)という製品もありました。


鬼火まむし完成品。まむし型の台座も付属。画像の個体は「マスコット」に入っていたものです。


超人バロム・1


チビッコバロム1 100円
仮面ライダーと同じパターンで「マスコットバロム1」から立像のみを単品販売したもの。
ランナー一枚がバロム1で、もう一枚は猛・健太郎・ベルトバックル型台座となっています。


バロム1はマスコットのライダーとほぼ同サイズ。


人造人間キカイダー


キカイダー対ギル教授 50円 製品番号8616-50
キカイダー対グレイサイキング 50円
キカイダー対グリーンマンティス 50円
仮面ライダーのミニプラモと同じ構成の二体セット。


側面のラインナップ紹介は両側共通。箱に50円の表記があり、単品売りが前提となっているのがわかります。任意の二箱のパックセットがあったかどうかは不明。


パーツ詳細。やはり台座が付属します。
ギルはやや頭部が大きい印象。


キカイダー三面。表面ディテールはかなり細やかな彫刻です。
横から見ると頭部と脚の前後幅が広がり気味なのはライダーと同様です。





<1972年度の項、続く>

1971年度 その2

1971年度発売のバンダイ模型の低価格プラモデル。


仮面ライダー 100円?
マスコット仮面ライダー(250円)からライダーの立像だけを単品販売した製品。
箱絵もライダーの右手を描き加えて流用しています。箱画像はホビージャパン1994年4月号に掲載されたもの。


本体のジャンクパーツ。
やや棒立ち気味なのが気になりますが、スーツのシワ表現はリアル志向が感じられます。


頭部は本郷猛をイメージしているようで、髪型などよく再現されています。サイズは9.5cmほど。


月光仮面 100円?
仮面ライダーと同じパターンで、マスコットからヒーローのみを単品販売した製品。
画像はチラシに掲載されたマスコットの箱絵ですが、ライダー同様月光仮面のみ切り抜いて本製品に流用しています。白夜書房刊「究極プラモデル大全」に写真掲載あり。


他社の動向
同期の他社のミニプラモについてメモしておきます。


日東科学
「帰ってきたウルトラマン」シリーズ/各50円
ウルトラマン(立ちポーズ)・ウルトラマン(飛びポーズ)・アーストロン・サドラー・グドン・ゴーストロン・シュガロン・シーゴラス

「シルバー仮面」シリーズ/各50円
シルバー仮面A・シルバー仮面B・キルギス星人・サザーン星人

「ミラーマン」シリーズ/各50円
ミラーマンA・ミラーマンB・アイアン・キティファイヤー・ダークロン・マルチ


帰ってきたウルトラマンの怪獣は、ランナー2枚の本体に岩山台座、フリクション動力まで同梱されてボリューム満点。シルバー仮面やミラーマンでは本体ランナーは1枚になったようです。


アーストロン完成品。圧倒的な存在感です。



アオシマ文化教材社
「スペクトルマン」シリーズ/各50円
スペクトルマン・デビルスター・ボントトルエカ・ストロンガー

「新オバケのQ太郎」シリーズ/各50円、自転車パーツ同梱のサイクリングシリーズは100円
Q太郎・O次郎・P子・ドロンパ

「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ/各50円、自転車パーツ同梱のサイクリングシリーズは100円
鬼太郎・ねずみ男・砂かけばばあ・子なきじじい


スペクトルマンのパーツ。マスコットのライダーとほぼ同サイズですが、造型はマンガっぽい印象。なお、初版は金色成型だったようなので画像の白いパーツは別キャラクターとして再販されたものかもしれません。


ブルマァク
「帰ってきたウルトラマン」シリーズ/各50円
マットアロウ1号・マットアロウ2号・マットジャイロ


今井科学
「謎の円盤UFO」シリーズ/各50円
スカイ-1・シャドーモービル


クラウン
「天才バカボン・スポーツカーのまき」シリーズ/各100円
パパ・バカボン・ハジメちゃん



次回は1972年度です。

1971年度 その1

1971年度発売のバンダイ模型の低価格プラモデル。


仮面ライダー対カメレオン男
仮面ライダー対ヤモゲラス
仮面ライダー対コブラ男
仮面ライダーシリーズのミニプラモ、初期3種。
ひと箱にライダーと怪人の2体入り、いずれか二箱をシュリンクパックした状態で100円。
画像は当時のチラシの一部です。


ライダーのパーツ。本体のサイズは6.3cmほど。


ライダーとヤモゲラスの完成品。本来ヤモゲラスにはヤモリ型の台座が付属していましたが、欠品しています。
当時のスタッフに取材した書籍によれば、このころのバンダイ模型社内には「プラモデルはオモチャではない」「精密なスケールモデルこそ模型の本道」といった意識が強かったそうです。
これらミニプラモも、サイズを考慮すればなかなかリアルな造型です。成型の都合か、頭と脚の前後幅が広がり気味になっているのが惜しいところ。


同時期のポピー製ミニ人形との比較。プラモデルのリアル志向がよくわかります。


仮面ライダー対オオカミ男 製品番号5292
仮面ライダー対アルマジロング 5293
仮面ライダー対ジゴクサンダー 5294
仮面ライダー対エジプタン 5295
ミニプラモ後期発売の4種。いずれか二箱をシュリンクパックした状態で100円、四箱のパックは200円。



これらはひと箱50円で販売されていた可能性が高いですが、箱や広告には50円の価格表記は確認できません。
ひと箱単位の販売は問屋か小売り段階の判断で行われていたのかもしれません。
また、初期の3種と後期4種のどれかが組み合わされたパックが存在したのかは不明。
画像に使用している現物は4個パックの状態で、「変身セット」というセット商品(価格2000円)に入っていたものです。


裏面は組み立て図、側面は両側共通でラインナップ紹介になっています。
なお、初期3種の箱絵ではライダーの体側ラインが細く描かれており、旧2号の写真資料が無い時期に描かれたようです。後期4種は実物に忠実な描写に変更されています。
これらの箱絵原画はトイズワークス刊「小松崎茂 バンダイボックスアートコレクション」で見ることができます。


後期怪人のパーツ詳細。怪人のモチーフをイメージした台座が付属します。それぞれにチュ-ブ型接着剤も同梱されていました。
成型色から考えてオオカミ男とアルマジロング、ジゴクサンダーとエジプタンは同一の金型に彫られていた可能性があります。
なお「地獄サンダー」「エジプタス」が正式な設定名です。


これらミニプラモは「ミニ仮面ライダー」という150円の製品にも同梱されました。
これはライダーと任意の怪人2体にサイクロン号(単品販売なし)がセットになったもので、箱絵違いで3種が存在しています。箱絵の怪人は初期の3種ですが、後期の怪人が同梱されたものが存在したのかは不明です。


<1971年度の項、続く>

バンダイ模型のミニキャラクタープラモ

バンダイ模型のミニプラモ


本項ではバンダイ模型が1970年代に発売したミニプラモを取り上げます。
おおむね100円以下のものを対象に、発売年度毎に具体的なラインナップと製品内容についてまとめることで、全体の系統的な変遷が理解できればと考えています。


この時代のキャラクタープラモの多くは現在入手困難で、本項においても提示できる現物画像は多くはありません。
未入手品については出版物やウェブで確認したことを文字情報や広告画像でまとめていく予定です。


そうした二次情報のまとめにはあまり意味がないという認識はあります。実際「ジョイントモデル」や「パズルモ」についても現物を組んで初めて気づくことも多く、一次資料の重要性は理解しているつもりです。

しかし対象とするプラモの現物すべてを入手・組立するのは当ブログでは現実的に不可能です。
また、1970年代のキャラクタープラモについては「ヤマトブームでディスプレイ志向が生まれるまではギミック優先の動くオモチャだった」とひとくくりにされてしまいがちで、質の変化にまで踏み込んで系統的にまとめた資料はあまり目にした記憶がありません。
(例外としてアオシマプラモに関しては竹書房刊「超絶プラモ道2」という資料が存在していますが)


こうした状況なので、レベルが低くてもとりあえず資料をまとめてみることにいくばくかの意義が見出せるのではないかと考えています。
いずれはガンプラ以前の70年代キャラクタープラモ全般についてまとめられたらと思いますが、その前哨として本項では低価格プラモに絞って取り上げてみます。


次回は1971年度製品の紹介です。

パズルモ・パック


パズルモには「パズルモ・パック」というセット売りが存在します。
分割箱タイプのアカレンジャー・ロボコン・ライディーン・グレンダイザーの4個がビニールに入れられ、紙製のタグで留められていたようです。価格は400円と思われます。

画像はウェブで確認した当時品を参考に再現してみたものですが、グレンダイザーは実際には一体箱でなく分離箱タイプが使用されていました。
当時の低価格プラモのセット売りは4つを並べてシュリンクパックした形態が主流ですが、パズルモの場合4つ並べるとかなりの大きさになるため、扱い安さ等を考慮してこのような形態を採用したのかもしれません。
他の種類のパズルモを組み合わせたパックが存在する可能性も考えられますが未確認です。
<追記>現物を入手しました。INDEXの「パズルモ・パック改訂」のリンクからご覧下さい。




今回までで「パズルモ」と「ジョイントパズル」についてはおおむね取り上げました。
次回からは1970年代のバンダイ模型のミニプラモ全般について、その変遷をまとめてみたいと思います。