ひとつめは単品プラモについて。
5台のボルトマシーンの合体を再現したボルテス単品プラモは、本放送の1977年に横レイアウトの箱で発売され、ガンプラブームの81年に画像の箱で再販されています。
700円前後の価格でギミックを再現したロボットプラモとしては、1979年のダルタニアスを経て80年の1/100ガンダムにつながっていくラインの始祖となる存在です。
前作コンバトラーVは合体再現プラモはゼンマイ動力バトルマシンだけで、ジョイントモデルが簡易的にタンクとクラフトのみ分離可能でした。
ボルテスも当初はジョイントモデルの発売も計画されていましたが、近い価格帯で合体を再現した単品プラモに変更されたようです。
箱側面の完成写真、おかしなプロポーションです。
これは5台のマシーンのサイズ・ボリュームを均等にしているのが原因で、ロボット形態にそのシワ寄せが来ているのです。
バラ売りならともかく、当初から5台セットなのになぜこんな設計なのでしょうか。
ランナー配置図を見ると、各ランナーはふたつの枠がつながった形状が基本になっているのがわかります。
またパーツナンバーは各マシーンごとに1番から振られています。
こうした形態は、例えば同じ1977年の大鉄人17の4点セットにも見られます。
このセットの場合、各マシンにはミニゼンマイ動力を内蔵予定だったと思われる痕跡があり、当初はバラ売りを計画していた可能性が考えられます。
当時はアオシマのミニ合体マシンが児童の人気を集めており、またスーパーカーのミニプラモも各社競って発売していました。
バンダイ模型もこうしたミニプラモ戦線で新たな一手を打とうとしていたのかもしれません。
ボルトマシーンも、当初はバラ売りを想定していた可能性が考えられないでしょうか。
ボルテスの部品図を色分けしてみました。
ふたつの枠で収まりそうなのは1号・4号だけで、2・3・5号はそれ以上の面積を占めています。
結果的に5台で12の枠が必要になっているので、単純にふたつの枠を基準とするならバラ売りには対応していないことになります。
とはいえ、当初からセット売りの予定だったとすればわざわざふたつの枠が連なるランナー形状にする意味がありません。
梱包段階である程度ランナーを切り分けてカラフルな状態にしてのバラ売りを想定していた可能性がありそうですが、2枠に収まっていないので100円の価格には出来ず、200円とするにはボリューム不足なので結局バラ売りを断念した、とかでしょうか。
真相はわかりませんが、バラ売りを想定していたと考えれば各マシーンを同サイズにしていることに納得がいくのですが……どうだったのでしょう?
ふたつめはボルトパンザーについて。
先月DXデンジタイガーを入手したのですが、キャタピラパーツにどうも見覚えがある気がします。
思い立ってポピニカ・ボルトパンザーと比べてみると…
同じパターンでした!
サイズもほぼ同じくらいのようです。
ということは、もしかして……
パンザーのパーツがデンジタイガーに合いました!
ただしパンザーに付けた場合より少しきつい感じで、負荷がかかってちょっとこわいです。
パンザー用のキャタピラがそのままデンジタイガーに流用されていたとすると、はじめからキャタピラに負荷がかかっていてその分痛みも早く、結果として残存数が少なくなっていると考えられそうです。
手元のデンジタイガーのキャタピラは、パンザーのものより伸び気味になってしまっており、長い時間のうちに変形してしまったのでしょう。
DXデンジタイガーのキャタピラ問題には、パンザーのキャタピラを流用するのがひとつの解決策となりそうです。
もっともパンザーのキャタピラ自体なかなか入手困難だし、それを4つもそろえるのは相当ハードルが高そうなので、解決策とは言えないでしょうか(-_-)
今回ひさしぶりにポピニカ・ボルテスを手にしたら、クルーザーの変型基部が破損していました。
そのパーツは超合金ダイデンジンなどでも問題になっている呪いの「青プラ」、しかも初期生産個体なので条件は最悪です…
とりあえず破片を接着してみましたが、元に戻る確率は低そうです。
初期版ランダーも状態のいい個体はいまだに手に入らない、というかほぼ入手不可能になってしまったし、なかなかうまくいきませんね。