モテたことは一々例を並べ立てるまでもないですが、この一文には父親と比較してその魅力がさらりと語られています。
ちなみにこの随筆には、秋聲の告別式に秋江の長女、徳田百合子が参列し、弔辞を聞いているうちに泣いたことが具体的に書かれています。ところが野口冨士男の『德田秋聲傳』では、最後
04-01 06:13
お立ちになった先生は、十三、四歳の少女の目にもとても素敵に見え、自分は美男と思っているうぬぼれ強き男、秋江などとても足許にも及ぶまいと思った。」
何気ない一齣ですが、最後の一文が実の娘が言うだけに山葵が効いていいですね。秋聲が秋江と違って女性を惹きつける魅力を持っていて、要するに
04-01 05:59
が立っておられた。
『秋江君、何だ寒いのにそば屋に置いてきて、どうして家に連れて来ないんだ』と父をなじられた。『二人も連れてるからね』と父は言い訳をしていた。先生はお優しいお顔で私達を交互に見下ろされ、『女学校は何年ですか』と制服を着ていた二人にお尋ねになった。(中略)すらっと
04-01 05:57
昭和13年のある秋の宵、秋聲宅を訪れていた秋江が娘二人を近くの蕎麦屋で待たせていた。秋江が秋聲宅を辞する段になって娘たちに使いを遣り呼び寄せると(以下引用)
「そこにはもう帰り支度をした父と、玄関の上がり框にはウールのグレーのマフラーをくるっと一巻きしてふところ手をされた秋聲先生
04-01 05:55
Author:亀井麻美
kamei asami
德田秋聲,徳田秋声,德田秋声
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