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経済なんでも研究会
原油高騰の 危険度 (下)
2018-10-12-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本の損失も実は膨大 = 原油価格の直近の底は16年2月、1バレル=26ドルまで下落していた。最近の水準は、その3倍弱。こうした価格の高騰で喜ぶのは、産油国ばかり。非産油国は、いろいろな形で損害を被っている。そのなかでアメリカはガソリンの値上がりで消費者の負担が増える一方、シェール生産に弾みがつくというメリットも。全体としての勘定は、そう大きな損失とはならない。

最も大きな損失を受けているのは、インドやブラジル、南アフリカやインドネシアといった新興国だ。アメリカの金利高で資金が引き揚げられ、通貨防衛に悪戦苦闘しているところへ、輸入原油の高騰が重なった。こういう事態は、おそらく初めての経験だろう。輸出競争力が低下する一方で、国内のインフレが進行している。各国は防戦におおわらわだ。

日本の場合は経済の基盤が強いうえに、巨大な対外債権を保有している。このため資金の還流は起こりにくい。現に株式市場への投資資金も、そこそこ流入している。したがって、新興国のような苦しい事態は表面化しない。だが見方を変えると、日本もきわめて大きな損失を受けていることが判る。

貿易統計をみると、最近の鉱物性燃料の輸入額は月1兆8500億円。2年前に比べて7000億円も増えた。単純計算すれば、年8兆円以上になる。これだけの購買力が、電気料金やガソリン代の高騰を通じて産油国に移転しているわけだ。仮にこれだけの金額が国内の消費に充てられれば、デフレなどはとっくに消えているはずである。

       ≪11日の日経平均 = 下げ -915.18円≫

       ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ


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