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経済なんでも研究会
「過去最大の予算案」は 無意味
2025-01-03-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 間違いではないが誤解を招きかねない = 25年度の予算案が昨年末、閣議決定された。一般会計の総額は115兆5415億円。新聞やテレビは「過去最大の予算案」という見出しで、大々的に報道した。たしかに当初予算としては過去最大なので、決して間違ってはいない。しかし、この「過去最大」という表現は全く無意味であるばかりか、多くの人に事実を誤解させる危険がある。最近は巨額の補正予算が編成され、当初予算の比重がいちじるしく低下しているためである。

一般に財政支出が増大すれば、景気は刺激されると考えられている。したがって「過去最大の予算」ならば、景気はよくなるだろうと考える人が多いのではないか。しかし、これは間違い。24年度は当初予算こそ112兆5700億円だったが、巨額の補正予算が組まれたから、予算の歳出総額は126兆円を超える。だから仮に補正予算が編成されないとしたら、25年度は財政が景気の足を引っ張る形になってしまう。新年度予算を景気刺激的ととらえるのは、大きな誤解である。

国債の発行額についても、全く同じことが言える。25年度予算案で、国債の新規発行額は28兆6490億円。税収が大幅に増加する見込みから、国債発行額は24年度の当初予算に比べると7兆円近くも減少した。大変に結構なことだが、仮に25年度も補正予算を組むとすれば、国債発行額は間違いなく追加される。当初予算の段階で喜んでいたら、裏切られることになるだろう。

ことしも年度の後半になると、補正予算が編成される公算はきわめて高い。物価高が続くため、電気・ガス料金を引き下げる対策や生活保護の強化などが欠かせないとみられるからだ。だが23年度は13兆円、24年度は14兆円の補正予算を組んでも、景気はそれほど良くならない。補正予算はなんのために必要なのか。原点に戻って考えるべきではないだろうか。

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