◇ 「中間層が多ければ、よい政治が行われる」 = 古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、こう喝破した。--「富裕な人々は往々にして大掛かりな悪者になり、貧乏な人々は無頼の徒になりやすい。だから、この両者が少なく中間層が多い国では、よい政治が行われる」と。いま政治家は2500年前のこの名言を、じっくりと噛みしめるべきだろう。つまりは富裕者と貧乏人が増える格差社会、そこではよい政治は行われない。
世界中で富裕者と貧乏人が増え続け、その格差は拡大している。たとえば国際的なNGO(非営利組織)オックスファムは、20年の推計で「世界の富裕層わずか2153人の資産が、下位46億人分の資産を上回る。こんな格差は人類が初めて経験するもので、もはや制御不能だ」という報告書を発表した。またアメリカでは23年に「上位1%の富裕層が、所得全体の2割を占める」という統計もある。多少の相違はあるにしても、世界各国で格差が急速に拡大していることは確かだろう。
格差の拡大は、ごく最近も加速している。コロナ禍で経済活動が停滞し、多くの企業や個人が収入を減らした。加えて物価の高騰。中間層以下の生活は、本当に苦しくなった。その半面、中央銀行が過剰な金融緩和政策を実施。カネ余りから株価が急騰して、富裕層の資産を膨張させている。その結果は貧富の差をさらに拡大させ、多くの国民が政治に対する不満を増大させた。
じっさいアメリカの大統領選挙で、民主党が完敗した最大の原因は「インフレ」だったと分析されている。イギリス・フランス・ドイツなどでも、与党が負けた最大の原因は「物価高」という評価。中間層や貧乏人が生活苦から政府・与党に対する信頼感を失い、投票では変化を求めた。これが与党総崩れの基本的な原因。言い換えると、民主主義国家の与党は「格差に悩む選挙民の不満」に対処できなかったことになる。
(続きは明日)
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世界中で富裕者と貧乏人が増え続け、その格差は拡大している。たとえば国際的なNGO(非営利組織)オックスファムは、20年の推計で「世界の富裕層わずか2153人の資産が、下位46億人分の資産を上回る。こんな格差は人類が初めて経験するもので、もはや制御不能だ」という報告書を発表した。またアメリカでは23年に「上位1%の富裕層が、所得全体の2割を占める」という統計もある。多少の相違はあるにしても、世界各国で格差が急速に拡大していることは確かだろう。
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じっさいアメリカの大統領選挙で、民主党が完敗した最大の原因は「インフレ」だったと分析されている。イギリス・フランス・ドイツなどでも、与党が負けた最大の原因は「物価高」という評価。中間層や貧乏人が生活苦から政府・与党に対する信頼感を失い、投票では変化を求めた。これが与党総崩れの基本的な原因。言い換えると、民主主義国家の与党は「格差に悩む選挙民の不満」に対処できなかったことになる。
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