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経済なんでも研究会
翻弄された 円と株 (上)
2018-01-30-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダボス会議の要人発言で振動 = 長らく安定していた円の対ドル相場が、先週は久しぶりに上下動した。いずれもスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムに出席した要人たちの発言が、震源になっている。まず24日、アメリカのムニューニン財務長官が記者会見で「弱いドルはアメリカにとって、よいことだ」と発言。これで円は108円74銭と4か月半ぶりの水準に高騰、日経平均は200円近く下落した。

あくる25日、こんどはトランプ大統領がテレビのインタビューで「私は強いドルが見たい」と発言。円は109円台後半にまで反落した。しかし、その真意を測りかねて日経平均は大幅に続落。さらに26日には、黒田日銀総裁の「物価2%上昇の目標に近づいた」という発言で、円は108円28銭にまで再上昇。日経平均は続落している。

これらの発言には、見事な共通点がある。それは、いずれの発言も意図が判然としないことだ。ムニューニン財務長官は、これまで強いドルの支持派として知られてきた。それが突然に宗旨替えした真意は何なのか。トランプ大統領は“アメリカ・ファースト”の観点から、貿易黒字の拡大にご執心だった。それが、どうして?

黒田総裁は「日銀も成果を挙げている」と主張したかっただけなのか。それとも本気で緩和政策の修正を考え始めたのか。いずれも発言の真意が不明瞭だ。このため為替市場には戸惑いが広がり、その不安感が株式市場にも伝わった。今週以降はその波紋も収まり、市場は平静さを取り戻すのか。それとも波紋が波紋を呼び、為替相場の変動は続くのか。

                        (続きは明日)

      ≪29日の日経平均 = 下げ -2.54円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ


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