第14章 景気対策って、なんだろう? ⑩
◇ 金融面からの景気対策 = 安倍首相は12年12月に組閣を終えると、直ちに黒田東彦アジア開銀総裁を日銀総裁に任命しました。アベノミックスの“第2の矢”となる金融緩和政策を、実行してもらうためでした。黒田総裁はこの期待に応えて、13年4月に「異次元緩和」と称するきわめて大胆な緩和政策を打ち出したのです。
具体的には、日銀が世の中に供給するおカネの量を年間60-70兆円にするという内容でした。当時の国家予算が90兆円だったのと比べれば、いかに大きな金額かが判りますね。その方法は日銀が市場から国債や株式を買い上げる。その代金が国債や株式を売った金融機関などに渡されるという仕組みです。
それでも景気は、なかなか上向きませんでした。そこで日銀は14年10月になると、この方式による資金供給量を、年間80兆円に引き上げています。さらに16年1月には金融機関が日銀に預けている当座預金に、マイナスの金利を付けるという奇策まで導入しました。
日銀が資金の供給量をこれだけ増やしても、景気はよくなりません。金融機関の手元には大量の資金が渡されましたが、企業や個人がおカネを借りなかったからです。その原因は、多くの人々が日本経済の先行きに不安を感じていたからだと思われます。そうしているうちに“異次元緩和”の副作用が目立つようになってしまいました。
(続きは来週日曜日)
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◇ 金融面からの景気対策 = 安倍首相は12年12月に組閣を終えると、直ちに黒田東彦アジア開銀総裁を日銀総裁に任命しました。アベノミックスの“第2の矢”となる金融緩和政策を、実行してもらうためでした。黒田総裁はこの期待に応えて、13年4月に「異次元緩和」と称するきわめて大胆な緩和政策を打ち出したのです。
具体的には、日銀が世の中に供給するおカネの量を年間60-70兆円にするという内容でした。当時の国家予算が90兆円だったのと比べれば、いかに大きな金額かが判りますね。その方法は日銀が市場から国債や株式を買い上げる。その代金が国債や株式を売った金融機関などに渡されるという仕組みです。
それでも景気は、なかなか上向きませんでした。そこで日銀は14年10月になると、この方式による資金供給量を、年間80兆円に引き上げています。さらに16年1月には金融機関が日銀に預けている当座預金に、マイナスの金利を付けるという奇策まで導入しました。
日銀が資金の供給量をこれだけ増やしても、景気はよくなりません。金融機関の手元には大量の資金が渡されましたが、企業や個人がおカネを借りなかったからです。その原因は、多くの人々が日本経済の先行きに不安を感じていたからだと思われます。そうしているうちに“異次元緩和”の副作用が目立つようになってしまいました。
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