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経済なんでも研究会
美人投票に迷う ウォール街 (下)
2013-06-13-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ ケインズなら、どう評価? = “金融派”の育成に一役買ったのは、FRBのバーナンキ議長である。同議長は5月22日の議会証言で「雇用の回復が確信できれば、数か月のうちに資産購入を縮小できる」と言明した。FRBは昨年9月以来、量的緩和のために毎月850億ドルの資産を市場から購入している。その縮小は、緩和政策の見直しを意味するわけだ。

有名な経済学者のジョン・メイナード・ケインズは「株式投資は美人投票だ」と喝破した。その意味は「上がる銘柄を見つけるには、自分の予想ではなく、多くの人がどう予想するかを見抜くことが大事」ということだ。この見方からすると、いまのウォール街は“金融派”の推す美人と“常識派”が推奨する美人が伯仲。一般の投資家は、どちらに組すれば勝てるのか判断が難しい状況だろう。

ケインズ卿が生きていれば、間違いなく“常識派”に軍配を上げるだろう。というのも、この大先生は実体経済を重視する主義だからだ。たしかに「景気が悪くなれば株高」という路線は、理屈から言っても長く続くはずはない。結局はカネ余りによる株価の上昇であり、金融緩和も永久には続けられない。

アメリカ経済の回復傾向が持続すれば、そう遠くないうちに金融緩和政策は見直される。それまでに“金融派”が、何度か勢いを盛り返すことは十分にありうるだろう。しかし、それは“金融相場”が“業績相場”に変わって行く過程だと考えることができる。この結論は、あまりにも“常識的”にすぎるだろうか。


    ≪12日の日経平均 = 下げ -28.30円≫

    ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ

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