はてなキーワード: 打者とは
中日という球団があり、これが非常に弱い。そこで、なぜ中日が弱いのかということをファンが色々と考察するのだが、そこで提唱されている有力な説の一つに、ナゴヤドームが広すぎることが中日の打者のパフォーマンスに何らかの影響を与えているのでは,というものがある。
簡単にその説を要約すると、ナゴヤドームが広すぎるためにホームランが出づらくなるため、得点が出ないことによって中日は試合に負けるのだ、というものである。
しかし、この説明は大きく二つの点で(ほぼ誰でも思いつく)矛盾がある。
一つは、ナゴヤドームで試合をする場合は、相手チームも同じ条件であるため、チームの勝ち負けに影響しない、というものである。これは訓練された中日ファンならば分かるが、中日打線が湿り切っていてあと一本が出ないのに、巨人の吉川あたりにホームランを打たれて負けたりするようなシーンが結構あるのである。吉川の例で言うならば、普段狭い東京ドームで野球をしている巨人はナゴヤドームに来た途端に打てなくなるはずなのだが、そう言うことにならないのである。吉川だけではなく丸あたりにも打たれている記憶がある。
二つ目の矛盾は、ナゴヤドーム以外で中日が試合をする際には、上記の条件は当てはまらないので、中日の選手が打ちまくって勝てるはずだが、そうなってないというものである。直近では横浜で試合をしても全然中日が勝てない。これは明らかにおかしい。
これらの矛盾を解消するためには、中日がナゴヤドームを本拠にしているという要因が、ナゴヤドームで試合をする時のみならず,恒常的に中日の打者のパフォーマンスに影響していることを説明する必要がある。
本稿では、学習性無力感の概念によって、ここまで述べてきた事象を説明する。
(めんどくさいので以上終了)
元増田です。
ありがとうございます。間違いなさそうです。
紹介していただいたサイト(https://www.my-favorite-giants.net/giants_data/result_year/1987.htm)でみると
2x-1で、延長戦の記載が無く、9回サヨナラと思われますので、これも記憶と一致します。
当試合の巨人スタメンも同サイトで確認できたのですが、中畑清選手はスタメン1番でした。
1回裏の先頭打者で、一塁に駆け抜けたのかも知れません。本当に迫力ある走りだったのを覚えています。
小学生の時の夏休み。お盆休み前の週末、共働きの両親が、小学生の自分と弟を初めてのプロ野球、後楽園球場に連れて行ってくれていました。
今になって思うと、雨で中止ではないかと気がかりなまま家をでて、今度は延長戦と帰宅時間を心配しながらのサヨナラ勝ち。
喜ぶ子供たちの横で、ほっとしていた両親の心中が想像できます。
調べてくださいまして、ありがとうございます。今度里帰りしたときに、このやりとりも含めて、両親に報告します。
攻撃側は反時計回りにベースと呼ばれる白いものを順に踏み一周することで得点を狙う
攻守交替のタイミングは決まっている
ホームベースと呼ばれる白い五角形がゴール、そのほかのベースには条件次第でアウトにならずとどまれる
ホームベース付近には審判と、打者と呼ばれるバットを持った攻撃側の選手と、防具をつけた捕手と呼ばれる守備側の選手がいる
フィールドには審判、守備側の9人、攻撃側は打者、走るための指示役、0~3名のベースにとどまっている選手が展開
試合中はプレーが有効になるボールインプレー、プレーが無効になるボールデッドという状態の二種類で進行する
主審がプレイと言えば前者に、タイムの要求を審判が受け入れた時や客席にボールが入るなどに後者の状態になる
アウトにならなかった打者はベース上にとどまり次の打者との勝負に移行する
投手という守備側の選手が小高い場所からホームベース上空めがけて投げ、打者は打つか打たないかを選択する
ホームベース上空かつ打者の膝から胸付近までの高さをボールが通過した場合はストライク、それ以外はボールが記録される
各ベースには攻撃側の選手はボールデッド時には最大一人しかとどまれない
ベースの先にまた攻撃側の選手がいた場合その選手も一つ先のベースへ進む
一周を目指し各塁へとどまるべく走る
守備側はアウトを狙う
3人をアウトにすれば攻守交替する
アウトにするには
条件次第ではその代わりにベースを踏むことでもアウトが認められる
反則
など
攻撃側はアウトにならないことを狙う
打者はホームベース以外の各ベースにとどまれて走者となり次の打者を迎えることが出来る
3アウトを取られるまでにアウトにならずにホームベースまで到達できれば得点が認められる
これを繰り返す
名前は出せないんですが、誰もが名前を知っている大打者の話です。
彼と私とではチームが違ったんですが、どっちも若い頃からオールスターの常連だったんで
そういった舞台では同じチームの一員として戦ったんです。
オールスターゲームが終わったあとはチームみんなで一緒に風呂に入るんですが、
まあ男所帯ですからみな前など隠さず堂々としたもんです。
これがどうも気になりましてね。
そこで私はある先輩と結託して、その選手が頭を洗っている隙に股間を隠してるタオルを奪い取ったんですわ。
その選手は顔を真っ赤にして逃げるように風呂から出て行きました。
その大打者は球界を代表する打者になったのと同時に非常に態度のでかい打者になったんです。
私の囁き戦術なんかもまるで通じない。
そこで私はその若い頃の風呂場の一件を思い出し、こう囁いたんですわ。
『ハリ、お前は態度がでかいのに、ナニは小さいのう』って。
そうしたら張本の顔が信号機みたいに真っ赤になって……。
「うどん県」として全国的に有名で、素早く手堅いプレーができるリードオフマン。打順の先頭でしっかりと出塁して、チームの勢いをつける。
阿波おどりやすだち、鳴門の渦潮など独特の文化と風景が魅力。粘り強いプレースタイルでチームを支えるバイプレイヤー。小技もこなせて攻撃に幅を持たせる役割。
温暖な気候でみかんの生産地としても有名。日本最古の温泉とされる道後温泉を有し、安定感のあるクリーンナップとしてチームに貢献。パワーも兼ね備えた頼れる存在。
坂本龍馬の出身地で、豪快さや冒険心あふれるイメージ。鰹のたたきなども有名で、豪快なスイングで一発を狙える強打者。チームの柱として打線の中心を担う。
5番・レフト:愛媛県
愛媛は果物王国でもあり、フルーツを通じて日本に貢献。四国の経済的な支柱としても重要で、打撃力と守備力を兼ね備えた選手。
うどん以外にもオリーブの名産地として有名で、打撃も守備も幅広くこなすオールラウンドなプレーヤー。チームの要所で活躍する頼もしい存在。
阿波おどりの影響で全国的な知名度があり、周囲とよくコミュニケーションを取りまとめる力がある。ピッチャーを支え、安定した守備力を見せる。
冒険的な精神で、サードとして堅実な守備と意外性のあるバッティングでチームを支える。どんな球でも拾って捌く守備力が強み。
四国4県の連携で1人のピッチャーを表現。四国一帯での強力なタッグで、変幻自在な投球を見せるエース。守りにも攻めにもバランスの取れた実力派。
四国各地の特色や名産を活かして、4県を1つのチームとして表現してみました。各県の個性が揃い、バランスの取れたチームとなっています!
日本の都道府県で打線を組むと、各地域の特長や「強さ」を野球チームのポジションに置き換える形で楽しむことができますね!以下は、日本各地の有名な観光地や産業、魅力に基づいて作成した打線です。
広大な大地と自然が豊かで、リードオフマンとしてチームにエネルギーを与える存在。四季折々の観光地も豊富で、どの場面でも活躍できる万能選手。
歴史と文化の中心地であり、日本の「古都」。テクニックに優れ、堅実にプレーする役割。チームを支える縁の下の力持ち。
日本唯一の亜熱帯エリアで観光地としても人気があり、チームのムードメーカー的存在。独自の文化や明るい気候がチームに明るさをもたらす。
日本の中心地で、経済や文化の核。圧倒的な存在感とパワーで打線の中核を担うエース。どこからでも打てる強打者として、チームに絶対的な安定感を与える。
5番・レフト:大阪府
商業とエンターテインメントの街であり、派手なパフォーマンス力もあり。チームの人気を高め、観客を盛り上げるムードメーカーでもある。
自動車産業など工業の中心地であり、堅実で頼れる存在。パワーも兼ね備え、攻守でバランスが取れている。
九州地方の中心的存在であり、食文化が豊か。バランスの取れた攻守が魅力で、攻撃面でも守備面でも頼れる存在。
平和のシンボルとしての役割があり、献身的でチームを支えるポジションにぴったり。広島のグルメや観光も充実しており、守備力が高い。
首都圏に位置し、観光名所も多く多彩な投球が可能。東京を支える大都市としての役割を持ち、安定したパフォーマンスを発揮する。
大谷フィーバーで野球熱が高まり、大谷自身が全国の小学校にグローブを寄付するなど、減少しつつある野球人口を回復しようとする動きも活発になっている。
野球はやめておけ。
神童と呼ばれるレベルの子が結局プロにすら届かないのは当たり前。
大谷レベルの才能でも甲子園には出場できていないことからもわかるように、いくら自分が強くても上の大会には進めない。だからといって強豪校に進んでしまえば9割方は応援席、よくてもベンチである。
中学や高校の同級生を見ていて感じるのだが、優秀な運動センスを持つ人材が野球部に流れすぎていて、レッドオーシャンそのものだ。そのため、ベンチで3年間を終えるような子でも、他の部活ならエース級、インハイ出場レベルになれる逸材だらけである。
このような才能が野球という無駄にレベルの高い運ゲーで擦り潰されるのは日本にとっても本人にとっても損失である。
超一流選手でも打率3割強、調子のいいタイミングを切り出しても4割がいいところだ。つまり大事な試合で打てるか打てないかなんて運にすぎない。
スタメンなら1試合あたり3〜5打席立てるわけだが、死ぬほど努力して打率5割のバケモンになれたとしても全打席凡退の可能性は十分あるし、自分が打てても後続が3割ガチャを引けなければ点数にならない。
プロ野球のペナントレースならある程度確率が収束するだろうが、高校野球はなんとトーナメント戦である。血と汗と涙を流した3年間の集大成がガチャで決まってしまう運ゲーというのはあまりにも馬鹿馬鹿しく、家で寝転がってソシャゲのガチャでも引いていた方がよほど有意義である。
たとえ運ゲーだとしても努力をした日々は無駄にならない! スポーツを通じて身に付けた健全な精神と人間性にこそ価値がある! という人もいるだろう。
しかしこれを見てほしい。
https://video.twimg.com/ext_tw_video/972787886717222913/pu/vid/640x360/Pc24MvGUASmFbpeu.mp4
これは稲村亜美という女性タレントが始球式を行った際の映像である。
恐ろしいことに、稲村氏が始球式を終えたあと、男子中学生たちが何の許可もなく稲村氏ににじり寄り、一斉に襲いかかっている様子がわかる。
野球で心を鍛えているはずの男子中学生たちがこの有り様なのだ。
本当に野球で鍛えられるのは礼儀でも人間性でもなく、怖い監督や先輩の目の前では逆らわないという奴隷根性と、集団で気が大きくなって一人の女の子を襲うという卑怯な「チームプレー」精神なのかもしれない。
大谷が飛び抜けて優れている点は何だろうか。
190センチ超の恵まれた体格、鍛え上げた体、野球に全てを捧げる精神力、マンダラチャートに代表されるような努力の軌跡……。
どんなに筋肉を付けても、どんなに素振りをしても、ボールに目が追いつかないと打てやしない。
しかも悲しいことに、動体視力は筋力と違って、努力より才能に因る部分が大きい。鈴木誠也選手は大谷以上にゴリゴリムキムキに鍛えてメジャーで活躍しているが、大谷には勝てていない。筋力で上回れても、動体視力で上回らないと野球で勝てないのだ。
この後、大谷翔平が理想的なキャリアを全うしたときにどれぐらいの通算成績になるかを試算してみた。ここでいう通算成績はメジャーとNPBでの通算勝敗数、および打者としての通算安打およびホームラン数を求める。
この手のシミュレーションは前提がほぼ全てなのであるが、面倒くさいので下記のように仮定する。
直近の大谷は投手としては22年と23年は先発でフル回転して2年間で25勝14敗で、今年は全休である。シミュレーションの上で、この「2年フル回転1年休み」のペースをメジャー在籍中は続けることになる。投げれる年はエース級として君臨する。一方、直近三年の打者としての大谷翔平はヒットを449本、ホームランを124本打っているので、これが3年間の成績として積み重なることになる。ホームランは一年平均41本。脂ののった全盛期の大谷すごい。
全盛期の大谷の7がけをして3年間合計でピッチャーとしては17勝10敗。ローテーションの主軸としてはやや頼りないが、まだ行ける。
打者としての大谷は3年合計でヒット314本、ホームラン86本。一年平均でホームラン28本。だいたいフリーマンと同じぐらいの成績である。頼れる中軸である。
ピッチャーとしては3年間で12勝7敗。かなり厳しい。バッターとしては224安打62本塁打。ホームランが一年平均20本とかすごい。まだバッターとしてはやれそうだが、この年限りでNPBに復帰させる。
ピッチャーとしては山本昌、工藤公康、黒田博樹の40歳以降の平均成績を収めることとする。
山本昌(46勝42敗)、工藤公康(40勝37敗)、黒田博樹(21勝16敗)より、大谷翔平の40才以降の通算成績は35勝32敗となる。
一方、バッターとしては落合博満、宮本慎也、金本知憲の3人の平均を取ることとする。
落合博満(617安打75本塁打)、宮本慎也(430安打9本塁打)、金本知憲(452安打80本塁打)より、大谷翔平の40歳以降の通算成績は509安打55本塁打となる。
投手としての現在までの成績(メジャー38勝19敗、NPB42勝15敗)、および打者としての成績(メジャー 878安打 225本塁打、NPB 296安打 48本塁打)を上記に加えることで生涯通算成績を求めた。
投手としての大谷翔平はメジャー通算92勝50敗、NPB通算77勝47敗、合計169勝97敗となる。投手単独では200勝への到達は厳しい。
打者としての大谷翔平はメジャー通算1865安打497本塁打、NPB通算805安打 103本塁打、合計2665安打 602本塁打となる。打者としては日本では安打数では王貞治と門田博光の間で歴代4位、ホームラン数では野村克也と門田博光の間で3位に位置することになる。なお、メジャー単独の記録としては、ホームランがルー・ゲーリッグを上回り歴代29位に相当するものとなる。
でも、そういう難しくて、ワンプレーごとにプレーが切れて、戦略性のあるゲームが日本人は好きだよね
野球で言えば捕手が座ってる位置あたりに木の柵があり、投手はボールをそれにぶつけて壊すことがゲームの根幹となる目的だ
打者は木の柵を壊されないように棒を当てて阻止する
つまり、柵に当たりそうなストライクゾーンに来る球は大振りせずバントのように確実に当て、ボール球のような柵に当たるリスクが少ない球を強振して打ちに行く
野球みたいに生還して1点という概念はなく、打者と、向かいにいる走者が互いにベース間を往復し続ける
2人がちゃんと進塁できれば1点だが、野球と違うのはバットに当たっても必ずしも走る必要はないため、野球だと内野ゴロになるような当たりも、走らなければファールのようにアウトにならない
もちろんタッチアウト、フォースアウトはあるため、無謀な走塁はリスクしかないためまず試みない
走らなければ進塁、得点もできないけどね
つまり、クリケットは柵を壊すまでにどれだけ邪魔されなかったかを競うゲームで、打って点を取るというより、柵を壊すまでの失点をなるべく避ける考え方だ
通常の球技はボールを持っているほうが得点する機会を持つが、野球は例外で、ボールを持たない側が得点する稀有な球技だ
それはこのクリケットのルーツ通り、柵を壊すのがメインのゲームだから、投手がしているのが攻撃なわけだ
野球になるとそれが逆転して、打つほうが攻撃で、投げるのは打つ機会を提供するためになってしまった
それに伴い変化したのが走者だ
が、野球のメインは走者を走らせることになった
ベースは安全地帯ではあるが、基本的に走者はいついかなる場合でも走ってよくなってしまった
本塁に帰れば1点となる
滞空時間の長いフライを打った時も走ってよければ、走者がめちゃくちゃ走れてしまうので、「フライウトの時は塁にいなければならない、いなければ帰塁しなければならない」という決まりはあるものの、それ以外はいつでも走ってよい
フライアウトになった時に帰塁していれば、その瞬間「いつでも好きなだけ走ってよい」状態が復活するため、ボールが戻る前に走者が進塁を試みるのがタッチアップ
また、走塁の時間が一番稼げる、打者への投球時に勝手に進塁を試みることが多く、これが一般的な盗塁だ
打者の出塁にのみ制限があり、「守備側がボールを保持していないこと」が走塁可能な条件だ
バットでボールを打てば、ボールはフリーになっているため走ってよく、三振したときも打席から解放されるが捕手が正規捕球をしていなければ守備側がボール保持をしておらず打者走者としては死んでいないため進塁を試みてよい、これが振り逃げだ
となると、基本的な考え方がどうであれ、観戦者は「打つのを見るゲーム」になってしまった
そうなった結果が、今のルールのわかりにくさだと思う
柵壊しから走塁へ、という流れが分かっていれば、野球のルールって、まあそうなるだろうって感じがする
というわけでクリケット見よう
https://anond.hatelabo.jp/20240928071446
先の投稿では、これまで言われてきた「送りバントの得点確率は低い」というエビデンスは、送りバント戦法はそもそも安打が出にくい状況で採用される傾向がある、というだけの可能性を排除できていないこと、そして送りバントの有効性・無効性をエビデンスで示すことは、投手力・打力や得点差などの条件を細かく丁寧に揃える必要があることなど、考えられているよりはるかに難しいことを論じた。
その上で、個人的には送りバントは有効性の高い作戦であると考えている。その理由は以下の二つである。
一つ目は大きな理由で、チームプレーへの意識を高めることである。
送りバントは「犠打」と呼ばれるように、その作戦自体に自己犠牲という意味が込められている。次の打者は、「アイツが犠牲になってくれてチャンスで打席に立っている」という感謝の気持ちを持つようになる。もしヒットで打点が入れば、「アイツのおかげ」「ベンチの作戦のおかげ」ということになり、自己満足的なプレーよりもチームプレーを優先する気持ちが自然と身につくようになる。たとえ目の前の得点確率が高いわけではなくても、安定的に勝てるチームをつくることになる。とくに高校野球の指導者が送りバント戦法を好む最大の理由は、おそらくこの教育的な効果であろうと思われる。
二つ目は小さな理由で、とにかく併殺のリスクを避けることである。
無死一塁で強硬策による併殺は、とくに接戦の場合には球場のファンからも「あー、送りバントしておけばよかったのに」というため息がもれて、相手チームに一気に流れを渡してしまう可能性が大きくなる。僅差で勝っている終盤の場面での強硬策は特にリスクが高い。送りバントなら点が入らなくても、試合の流れを大きく変えてしまうことは基本的にない。送りバントは積極的に得点を取りにいくというよりも、最悪のリスクを回避するための作戦として評価しなければならない。
最後に指摘しておきたいのは、現場の野球指導者が送りバント戦法を放棄していないということが送りバントに有効性があることの、なによりの証明であることである。一塁へのヘッドスライディングや追い込んだ後の「一球外し」など、かつてよく見られたが現在は廃れたプレーや戦法はたくさんある中で、送りバントは廃れる気配が一向にない。過去に送りバントをほとんどしなかったチームは、「山賊打線」時代の西武など、強力打線のチームに限られる。大雑把なエビデンスで送りバントをドヤ顔で否定する前に、なぜ現場が送りバントを採用し続けているのかを真面目に考えてほしいと思う。
長らく「手堅い作戦」「野球のセオリー」とされてきた「送りバント」の評判が最近きわめて悪い。「実は送りバント戦法は得点確率が低いことはエビデンスでも出ている。バントに固執する指導者は老害」という意見が主流になっている。以下の記事が典型的なものだ。
“非効率な作戦”とわかっているのに…日本のプロ野球で「送りバント」は、なぜ減らないのか? 歴史的な「投高打低」に拍車も
https://news.yahoo.co.jp/articles/e6ac76b5d59c79948a1c6544838cffc53813633f
自分は、送りバントの有効性を否定する議論は、全体としては間違いだと考えている。否定派は、そもそもの問題として、バントが有効ではないことのエビデンスを示すことは、一般に考えられているよりもはるかに難しいことがわかっていない。巷で出ている「送りバントは非効率」というエビデンスは、実際にはほとんど役に立たないエビデンスと言っていい。
例えば、バント戦法がより選択される可能性が高い状況を想像して欲しい。それは、一点を争う投手戦である。例えば、戸郷と才木が0ー0で投げ合って無死1塁という状況では、バントが選択される可能性が高くなる。しかし、投手の能力的にヒットを打つこと自体が難しいので、当然ながら点が入る確率は低い。
逆に強攻策が採用される状況は、既に点差が開いている状況で、投手の調子が悪かったり、実力的に2、3番手が投げていることが多い。例えば3−8で負けていて無死1塁という状況では、バントが選択されることはほぼない。投げている投手の調子や能力も高くないので、強攻して普通に安打が出やすい。
このように「バントは得点確率が低い」という巷のエビデンスは、単に打てる確率の低い状況と高い状況を比較しているだけ、という疑似相関の可能性を考えなければならない。そもそもバントをあまり採用しないチームがあるとしたら、今年では横浜がそうであるように、強打者が揃っているチームである。なので、単純に打撃のいいチームと悪いチームを比較して、「バントは得点確率が低い」と結論づけてしまっているだけの可能性もある。
以上のように、真にバント戦法の有効性を検証するには、投げている投手の調子やレベル、チームの打撃力といった条件を細かく丁寧に揃える必要がある。そうしたエビデンスは今のところ見られないし、おそらく複雑すぎて難しいだろう。送りバントの有効性については、「勉強時間を1時間増やしたら点数が10点上がった」というレベルの明白なエビデンスは期待できないのである。
私見では、そもそも送りバントが指導者にが好まれるのは、得点確率が高くなるからという以外の根本的な理由がある。それは、「犠打」と呼ばれるように、そもそもバントにはチームのために自己を犠牲にする、という象徴的な意味がある。自己犠牲の姿勢を見せることによって、全ての選手に「チームのために」という意識づけをして、自己満足的なプレーを抑制することが期待されているのである。しかし、こうしたバントの効用については、データに基づくエビデンスで示すことはできない。結局のところ、送りバントの有効性は、現場の指導者と選手の経験に基づく実感でしか判断できないのでないかと思う。