たまたま読売新聞を読んでいたら、3月28日付編集手帳に、この問題について取り上げられていたのでちょっと引用します。
古川柳に、「本降りになって出ていく雨宿り」という句がある。小降りのときに決断すればいいものを、本降りを待ってずぶぬれになった経験は昭和史にもある
◆日本陸軍は天候ならぬ戦況が日に日に悪化するのを眺めつつも旧満州(いまの中国東北部)から撤兵しようとはせず、国をずぶぬれにした。「そこで戦死した英霊に申し訳ない」という理由からである
◆「これはじつは空念仏(そらねんぶつ)(=偽り)で、本当はその現地の将軍たちが全部メンツをなくすというだけのこと…」であったと、評論家の谷沢永一さんが著書「山本七平の智恵」(PHP文庫)に書いている
◆経営難に陥った「新銀行東京」もメンツを優先して撤兵を拒否する道を歩むらしい。都民の税金から400億円を追加出資して銀行の延命を図るための議案がきょう、都議会本会議で成立の運びとなる
◆見境なしに貸しまくる“銀行ごっこ”をしていた銀行が、審査能力の源泉である人員と店舗を縮小し、一段と“ごっこ”に近づく。延命して雨宿りをつづけたところで、空模様が好転するとも思えない
◆知事や議員には任期がある。役人には異動や定年退職がある。何年か後に本降りを迎えたとき、責任ある立場の人々はすでに職を離れて涼しい顔をし、残された都民が後始末でずぶぬれになる…。正夢でなければいい。
(2008年3月28日02時08分 読売新聞)
これを書いた記者は、どうやら追加出資には反対のようですね。どうなんだろうなぁ、この問題は。私には判断がつきません。
今回は、山本七平がらみで取り上げただけなのですが、この記事に読んで考えたのが、どんな問題であれ、日本人というのは、責任の取らせ方というのがあまり上手でないような気がしてならないということ。
今回のケースが当てはまるかどうかわかりませんけど、常に責任の所在がはっきりせず、実質的責任者と名目的責任者が一致していないような気がしますね~。
何か組織的な原因があるのか、それとも運営上の問題なのか…。
何なんでしょう
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