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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

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2015.06
18
CM:9
TB:0
01:33
Category : 未分類
 産経「世界初メタノールエンジン 大型船舶用、三井造船が公開」だが、ディーゼルがメタノールで動いて何が目新しいのだろうか? 日本SUGEE風のバイアスを感じるものだよ。

 ディーゼルとガスタービンは大抵の燃料で回せる。かつては粉炭を使うという話もあったくらいである。セタン価が高いほうが望ましいが、あまり考えなくてもよい。メタノールだろうがエタノールだろうが、ガソリンだろうが軽油だろうが重油だろうが、エマルジョンだろうが構わないし、極端な話でいえば菜種油でもマーガリンでも動く。ガスでも問題はない。ガスはガスタービンと相性が良いし、ディーゼルでも圧入が上手く行けばそれで動く。

 それを知っていれば、メタノール云々に報道の価値があるかは怪訝である。従来ディーゼルでも燃料の噴射量を大きくすれば終わる。エンジンそのものの最適化もない。配管の腐食対策と潤滑周りを増やすくらいか。

 まあ、石炭で動くエンジンでも作らなければ報道の価値もない。実用できる粉炭ディーゼルができればそれこそイノベーションなのだけれどもね。ちなみにガスタービンでは1950年代だかにユニオン・パシフィック鉄道が粉炭ガスタービン機関車を作っている。すぐに腐食でダメになったし、熱効率は相当に悪そうだけれども。

 もちろん、石炭からの乾留ガスや一酸化炭素でディーゼルは動くだろう。だが、船舶用として考えれば、乾留設備のムダや、乾留後のコークスを窒素等で効果的に冷やす方法がない。無駄に燃焼損がでるので効率は悪いので意味はない。

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http://www.joto-garage.co.jp/environmentinfo39.html

http://www.horiba.com/jp/publications/readout/article/858/

http://www.levo.or.jp/lib/naruhodo/naruho09.html

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime2001/37/2/37_2_177/_article/-char/ja/

幾つか調べてみたけど既存のディーゼルエンジンにメタノールを燃料として使用しても腐食性、燃焼温度の低さで問題あるみたい

まあ元記事も技術的なことに触れてないので何がなんだかではある

IMO

http://www.pecj.or.jp/japanese/minireport/pdf/H25_2013/2013-007.pdf
代替燃料が求められる理由は環境法規逃れ。
そこでスゲー叩きをして粉炭を持ち出したら暗黒面に落ちます。
スゲー叩きをしたいなら、ここが抜けてるという話にしないと。

MANとMOL

http://www.mol.co.jp/unabara/1505/1505n_topics.html#topic02
マァ、日本すごい叩きをするならMAN B&Wを持ち出すし
http://worldmaritimenews.com/archives/100227/man-bw-to-power-up-waterfronts-new-methanol-carriers/
メタノールタンカーが積荷を使って航海するのは手弁当のようなもの。

Re: MANとMOL

腐食はだいたい配管と聞いてますから、それ用の材料使うとか、メタノールに添加剤いれればということでしょう
金属だとアルミ系がやられるとかいう話ですから、銅・鉛を多めの鉄系とか黄銅とかでしょうか

本体まで問題となるなら、容積効率は悪くなりますが4サイクルで掃気を確実にすることと、
熱効率が悪くなるでしょうが加圧を減らすことでしょうねえ

産経新聞はJSFにすらバカにされるだけはありますね

石炭

もしかしたら、蒸気機関なら石炭でもいいんじゃないかな。(;;<●>;ё;<●>;;)

 船舶用エンジンの燃料を重油から天然ガスに転換する動きが強まっている。国際海事機関(IMO)が施行する窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)の排出規制が厳しさを増すためだ。天然ガスは硫黄を含まないクリーンな燃料。中でも液化天然ガス(LNG)と重油を両方使える2元燃料エンジンに対する期待値は高まっており、三井造船やディーゼルユナイテッド(DU)など舶用エンジンメーカー各社のLNG燃料対応の開発も急ピッチで進められている。
 三井造船のディーゼルエンジン製造拠点である玉野事業所(岡山県玉野市)の一角で、LNG運搬船向け燃料ガス供給システム(FGSS)の設置工事が進行している。電子制御式ガスインジェクションディーゼルエンジン(ME—GI)と高圧圧縮機を組み合わせた総合試験ができる「世界唯一のメーカー」(三井造船)になるという。
 ME—GIは熱効率の高い大型2サイクル低速ディーゼルエンジンでありながら、燃料として天然ガス、重油の両方を使用できる。ピストンで圧縮された空気中にガスを300気圧級で超高圧噴射する必要があり、三井造船はこれに対応する独自の水平対向型往復動圧縮機も自前で開発した。
 「舶用エンジンの設計、開発の陣容はずばぬけている。その強みを生かし、さまざまな燃料に対応できる体制を整えた」(田口昭一三井造船執行役員)。今後1—2年でLNG、エタン、メタノール、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテルなど多様な燃料を使う次世代環境エンジン・技術を市場投入する計画だ。

X—DFエンジンをお披露目したディーゼルユナイテッドの相生工場
 三井造船はデンマークのMANディーゼル&ターボ社とのライセンス契約に基づき舶用2サイクル低速エンジンを製造しており、同陣営では川崎重工業や日立造船もガス燃料対応を加速している。
 一方、スイス・ウインターツールガスアンドディーゼルジャパン(旧バルチラ)とライセンス契約を結ぶIHIグループの舶用エンジンメーカーのDUは「MAN」陣営と異なるアプローチで2元燃料エンジン「X—DF」を開発。予混合・希薄燃焼方式によりエンジン単体でのNOX排出を抑えるもので、排気ガス再循環装置(EGR)など排出ガスの後処理装置が不要だ。DUを含め、X—DFエンジンについては世界で20台を超える受注実績がある。

こちらの応用っぽいね、日刊工業新聞より

”二元燃料ディーゼル機関”として世界初

2015年6月17日
メタノールおよび重油を燃料とする二元燃料ディーゼル機関(ME-LGI)
メタノール燃料のデモンストレーション運転実施

http://www.mes.co.jp/press/2015/20150617.html

どーも、LNG、LEG運搬船に搭載し、「積荷(の一部)を燃やして」、空荷の時は重油焚きで燃料費軽減、の二元燃料ディーゼル機関(ME-LGI)シリーズに、メタノール運搬船向けの「世界初」が登場、という話の、「世界初」に記者が反応しただけの様ですね。

共同も同じトコに食い付いた様で(^^;。
http://www.47news.jp/CN/201506/CN2015061701001550.html

「世界初」や「世界最小・最軽量」といった謳い文句に跳び付いていた、新しモノ好きの家電製品ユーザーならともかく、船主は経済性と法令順守(この場合は環境対応)でメリットが無ければ、むしろ保守的でしょうからね、担当記者の視点がBtoC寄りで、BtoBには弱いんでしょうかね?

Re: MANとMOL

>マァ、日本すごい叩きをするならMAN B&Wを持ち出すし

結局、MAN B&W製のライセンス生産で、世界に先じて、実用船に搭載、というのがキモの様ですね。
記者がメーカーズプレートの一枚でも写真に撮ってくれていれば、判明した事なんでしょうけど(八つ当たり)……