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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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2017.09
16
CM:11
TB:0
20:28
Category : 未分類
 Jアラート運用はあまりにも不適切である。日本に弾着しない状況で馬鹿みたいに広域に警報を出すのはマヌケでしかない。これは問題視すべきものだ。

 だが、それを否定しようとする主張がある。要は批判する連中をサヨクであるとし、批判されたJアラートをヨイショするものだ。

 具体的には ふぁるちゃーれ・ペソギソ@koteneko2 さんの主張だ。
的針にはダンマリ
ふぁるちゃーれ・ペソギソ‏ @koteneko2
(´・ω・`)J-アラートでごちゃごちゃ言いよる輩は、このGIFでも見とけ。
#tvasahi #橋下羽鳥
7:41 - 2017年9月4日
https://twitter.com/koteneko2/status/904716057104924673



■ ブースト段階でも何県通過は分かる

 不思議なのはそこにはあるべき的針がないことだ。

 的針とは、探知目標つまりはミサイルがどの方角に進んでいるかといった針路情報だ。例えば一秒毎に目標の位置を拾い、それを線で結べば平面的な針路は分かる。高速で位置が変化する弾道弾なら、先の例なら仮に15秒で15回もとればいい。60度で秒速4mkで上昇したとしても地表面の水平距離で30キロ分にはなる、それで的針を判定すればよい。

的針

 当然だが、イージスのSPY-1やガメラ・レーダにはその力がある。レーダは距離は精密にメートル単位、あるいはそれ以下で出る。方位にしても、レーダのビーム幅を縦横1.5度としても精度(アキュラシー)は1/3くらい、0.5度におさまる。射方位は一定なので一〇回も追尾すれば誤差もおちついてだいたい0.5度以内に収まるだろう。ちなみに今様のレーダなので、これらは自動で行われる。(弾道弾探知ならドップラーシフトも利用しているだろう)

 つまりは、ブースト段階の探知でも「的針から日本の何県の上を通るか」位は分かったということだ。平壌から発射されて、大気の濃い部分を抜けたアタリには転舵は済んでいる。仮にそこで探知して、15秒なりを連続的に継続して的針080°なら「津軽海峡を上空通過する見込み」となる。1300キロ先で誤差0.5(左右0.25°づつ)だと幅100キロ程度に落とし込める。

 その場合、Jアラートは掛けても道南・青森でよい終わる。別に東日本全体に掛ける必要はないということだ。


■ Jアラート批判を補強するからGIFは的針は黙っている

 しかし、件のGIFはそれについて黙っている。指摘しているのは速力変化だけだ。的針といったパラメータを示すと自分たちに不利になる、「Jアラート批判を有利にする」と知っていて黙っているのだろう。

 このGIFや、それを作った御仁は不誠実ということだ。GIFの出元は明白ではなく、ふぁるちゃーれ・ペソギソ@koteneko2 さんがGIFを作ったか、あるいはどこかで拾ってきたのかわからない。だが、GIFは都合のいい要素だけを取り上げた「Jアラート批判」批判にすぎないと断じて差し支えない。