2016年5月18日(水)
各メディアのニュースによると、 フランス人建築家ル・コルビュジエ(1887〜1965年)が設計した 国立西洋美術館本館(東京都台東区)など7カ国17件の建築作品について、 国際記念物遺跡会議(イコモス、本部・パリ)が世界文化遺産に登録するよう 国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告したと発表した、とのこと。
世界文化遺産 西洋美術館、登録へ ユネスコに勧告 コルビュジエ設計 毎日新聞 - 2016年5月18日
世界を跨いで建築設計に新時代を築いた建築家だけあって、 世界遺産の対象になるのは、日本の1件を含んで7ヶ国17件と云う。
そういう世界の流れの中で、自動的に「国立西洋美術館」も選ばれたと云う 訳では無く、2007年からニュースには取り上げられない地道な活動を台東区や 地元の人々で推進してきたと云うことである。
国立西洋美術館、登録へ 推薦10年「報われた」 上野祝賀ムード 毎日新聞 - 2016年5月18日
国立西洋美術館本館は、戦後復興が本格化した1959年に開館したという。 毎日新聞のニュースによれば、ル・コルビュジエの基本設計図を基に パリで彼に師事した前川国男、坂倉準三、吉阪隆正の3人の建築家が 実施設計と現場監理を担当した、とのこと。
世界遺産へ コルビュジエ作風顕著 「ピロティ」や自然光活用 毎日新聞 - 2016年5月18日
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世界文化遺産 西洋美術館、登録へ ユネスコに勧告 コルビュジエ設計 毎日新聞・佐々木洋 - 2016年5月18日
文化庁は17日、フランス人建築家ル・コルビュジエ(1887〜1965年)が設計した国立西洋美術館本館(東京都台東区)など7カ国17件の建築作品について、国際記念物遺跡会議(イコモス、本部・パリ)が世界文化遺産に登録するよう国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告したと発表した。
7月10日からトルコで開かれるユネスコの世界遺産委員会で最終審査される。文化庁によると、ユネスコの諮問機関のイコモスが登録勧告した場合、そのまま認められる可能性が極めて高い。正式決定されれば世界自然遺産も含めた世界遺産は国内20件目。東京都内の世界文化遺産は初めて。
勧告は「構成資産が新たなコンセプトを革新的な形で示し、近代建築運動を広めた」と普遍的価値を認め、国立西洋美術館については「登録を強く支持するなど地元の積極的な参画が認められる」と評価した。
日本、フランス、ドイツ、スイス、ベルギー、アルゼンチン、インドにある17件の「ル・コルビュジエの建築作品」について、7カ国が共同推薦していた。うち10件はフランス。日本は59年完成の国立西洋美術館本館(鉄筋コンクリート地下1階、地上3階建て。延べ床面積約4400平方メートル)のみ。
コルビュジエの建築作品は2009年と11年にも審査を受けたが登録が見送られた。台東区は11年12月、景観計画を策定。美術館がある上野公園を「景観形成特別地区」とし、周辺の建物の色彩を制限するなど景観保護に努めた。
国立西洋美術館、登録へ 推薦10年「報われた」 上野祝賀ムード 毎日新聞・柳澤一男、早川健人、五味香織 - 2016年5月18日
国際記念物遺跡会議(イコモス、本部・パリ)による国立西洋美術館本館(東京都台東区)の世界文化遺産登録勧告から一夜明けた18日、上野公園にある美術館前ではフランスの巨匠ル・コルビュジエが手掛けた名建築を早速写真撮影する人たちの姿が見られたほか、地元では関係者が改めて朗報を喜び、祝賀ムードに包まれた。
国立西洋美術館には開館時刻の午前9時半前、入場券を求める人の列ができていた。江戸川区の無職、神保節夫さん(76)は「これまで建物自体に興味はなかったが、ニュースを聞いて興味が生まれた」と話し、スマートフォンで建物の写真を撮っていた。校外学習で同級生3人と上野公園を訪れた茨城県桜川市立岩瀬西中2年の仁平千菜(にへいゆきな)さん(13)は「昨夜のテレビニュースで見た。建物だけを見に来たが、いい記念になった」と喜んでいた。
2007年9月に仏政府が日本政府にル・コルビュジエの建築作品について共同推薦を持ちかけた際、国立西洋美術館が初めて世界遺産になる可能性を知った台東区は、09年5月に世界遺産登録推進室を設置、文化庁や都、仏政府などと調整を進めてきた。この日、区役所1階入り口に「世界遺産登録勧告」と書いた横約3メートル、縦約50センチのボードを掲げた。
記者会見した服部征夫区長は「登録勧告の内容を見ると、地元の盛り上がりも評価されてうれしい。区を挙げて取り組んできた努力が実った」と満面の笑みで語った。
地元の商店会や町会の代表ら約50人で構成する「西洋美術館世界遺産登録たいとう推進協議会」は、のぼりやパンフレットをつくって登録ムードを盛り上げてきた。石山和幸会長(84)は「活動を始めて約10年間走り続け、ようやく報われた。今後は、新たな街づくりにまい進したい」と抱負を語った。
上野駅南側のアメ横商店街では、菓子店の志村貴久さん(32)が「平日は観光客が減っているので、登録されてお客さんが増えたらうれしい」と語った。
イコモスは国立西洋美術館など7カ国17件の「ル・コルビュジエの建築作品」を世界文化遺産に登録するよう、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告。7月にトルコで開かれるユネスコの世界遺産委員会で審査され、登録が決まる見通し。
世界遺産へ コルビュジエ作風顕著 「ピロティ」や自然光活用 毎日新聞・永田晶子、柳澤一男 - 2016年5月18日 東京・上野の森を舞台にフランスの巨匠ル・コルビュジエが腕を振るった名建築が、世界文化遺産に登録される見通しとなった。戦後復興が本格化した1959年に開館した国立西洋美術館本館。国際記念物遺跡会議(イコモス)による登録勧告の知らせに、識者や関係者から喜びの声が上がった。 国立西洋美術館本館の建設計画が浮上したのは50年代初め。実業家の松方幸次郎が欧州で収集し、戦後は敵国財産として差し押さえられた印象派の絵画など美術品数百点(松方コレクション)を日本に返還する条件としてフランス政府が専用美術館の建設を要望。
設計者として日本政府が白羽の矢を立てたのが、近代建築の巨匠として活躍するコルビュジエだった。
コルビュジエは55年に来日し、上野公園の敷地を視察。帰国後、送られてきた基本設計図を基にパリで彼に師事した前川国男、坂倉準三、吉阪隆正の3人の建築家が実施設計と現場監理を担当した。
59年に完成した同館は1階を柱だけにする技法「ピロティ」やスロープ、自然光を利用した照明計画など、コルビュジエ建築の特徴を備える。彼が構想した、必要に応じ渦巻き状の展示室を増築できる「無限成長美術館」を具体化した作品として評価が高い。
建築史家の五十嵐太郎東北大教授は「彼の思想とアイデアが結実した貴重な作品。想定通りの増築はなされなかったが、アジアで数少ない作品が日本にある意義は大きい」と話す。建築家としての業績を「絵画におけるピカソのように、近代建築の流れを決定づけた。鉄とコンクリート、ガラスを使った機能的な建築を提唱したが、晩年は曲線が特徴のロンシャンの礼拝堂(フランス)を手掛けるなど、実作は幅と深みがある。理論家で著作も多く、言葉を通じて世界的に大きな影響を及ぼした」と語る。
コルビュジエに影響を受けた日本人建築家や美術家は多い。世界的に活躍する建築家の伊東豊雄さん(74)は「生きる喜びや人間は自然とつながっている感覚を造形的に表現できた、まれな建築家だった。国立西洋美術館は特にスケール感がすばらしく、彼の天才性が表れている」と語る。
地元は歓喜
国立西洋美術館がある東京都台東区の商店会や町会の代表ら約50人で構成する「西洋美術館世界遺産登録たいとう推進協議会」の会長、石山和幸さん(84)は「本当にうれしいの一言に尽きる」と満面の笑みで話した。
石山さんが西洋美術館が世界遺産候補と知ったのは、2006年のフランス旅行の時。仏政府がコルビュジエの建築物を世界遺産に推薦しようとしていることを伝える現地の新聞記事の中に「TAITO」の文字を見つけた。気になって調べてみると、わが町の美術館が候補になっていることが分かった。
商店会の仲間らを集めて08年6月に協議会をつくった。当時は地元でも世界遺産候補であることはほとんど知られておらず、石山さんたちはのぼりやパンフレットで機運を高めた。
ル・コルビュジエ 近代建築の巨匠
ル・コルビュジエ(本名=シャルル・エドアール・ジャンヌレは、スイスで生まれパリを拠点に活躍した。 1914年、石積みやレンガ積みによる西洋の伝統的な建築から、鉄筋コンクリートを使った建築工法に転換する「ドミノシステム」を考案。26年には、1階を柱だけにする技法「ピロティ」や屋上庭園など、近代建築を成り立たせるための「近代建築の5原則」を提唱するなど、20世紀を代表する近代建築の巨匠として知られる。30年にフランス国籍を取得。55年に国立西洋美術館本館設計のため来日した。【佐々木洋】
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国内の世界遺産 <文化遺産>−−−−−−−−15件
1993年 法隆寺地域の仏教建造物(奈良)、姫路城(兵庫)
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94年 古都京都の文化財(京都、滋賀)
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95年 白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜、富山)
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96年 原爆ドーム(広島)、厳島神社(広島)
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98年 古都奈良の文化財(奈良)
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99年 日光の社寺(栃木)
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2000年 琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄)
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04年 紀伊山地の霊場と参詣道(三重、奈良、和歌山)
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07年 石見銀山遺跡とその文化的景観(島根)
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11年 平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(岩手)
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13年 富士山−信仰の対象と芸術の源泉(山梨、静岡)
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14年 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬)
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15年 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、山口、岩手、静岡)
<自然遺産>−−−−−−−−4件
1993年 屋久島(鹿児島)、白神山地(青森、秋田)
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2005年 知床(北海道)
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11年 小笠原諸島(東京)
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テーマ:建築
- ジャンル:学問・文化・芸術
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