2013年1月11日(金)
朝日新聞Web版が
【サイモン・ラトル が ベルリン・フィル首席指揮者を退任する】
との記事を配信していたので、驚いて読んでみたら何と5年後の2018年の話し!
(サイモン・ラトル氏 : 写真はWeb画像検索で入手)
尤も、彼のような高名な指揮者は数年先までスケジュールが埋まっているので、
5年前くらいに発表しておかないと、全世界のオーケストラのコンサート日程に
影響を与えるから、ある意味然るべき対応と言えるのだろう。
****************
先だって、参加した福岡市大型文化施設に関する市民側のシンポジウムに
参加した際、将来あるべき公共劇場の【使命】としての教育プログラムが強調
されていたが、その中で、「サイモン・ラトル と ベルリン・フィル」の取組みが
紹介された。 その部分に関する私的覚書き(メモ)を、以下に紹介する。
フォーラム 「公立劇場ができるとき」
このフォーラムは、【福岡市大型拠点文化施設】基本構想を受けて、 有志の人々が意見を交わそうと計画されたフォーラムです。 日時:2012年11月24日(土) 14:00 - 18:00
【公立劇場を支える人材とは】
「芸術監督制度」について
北九州芸術劇場・津村卓氏 新・福岡市民会館(大型拠点文化施設)の場合、大ホールには芸術監督は要らないが、中・小ホールでの育成事業を取り纏める意味では「芸術監督」が居た方がよいと思う。
事例報告;津村氏が現地で視察した ベルリンでの取組み。 ベルリン・フィル管弦楽団と有名なダンスカンパニーの協力による育成プログラム。 意外なことに、実はドイツでは芸術家育成プログラムは遅れていた。 ここに英国人指揮者サイモン・ラトルが就任し、その「遅れ」に驚き、育成プログラムでは先進国の英国のシステムを参考に造り上げた。 「世界の人々に最高の演奏を届けるよりも先に、ベルリン・フィルを支えてくれているドイツ・ベルリンの人々に還元する方が重要だ」との趣旨の発言をサイモン・ラトルがしているとのこと。 この育成プログラムで学んだ子どもたちが、ベルリン・フィルの演奏により「カルメン組曲」を踊るという何とも贅沢なプログラム。
可児市文化創造センター 衛 紀生氏 サイモン・ラトルは英国一のコンサートホールから、世界一のベルリン・フィルハーモニーホールに行った。 英国は地域コミュニティを大事にする。 ホールに【Education】か【Art Development】プログラムが無いと公的補助が受けられない仕組み。 芸術監督制度に話を戻すと、サイモン・ラトルのような人なら必要。 → パブリックとは何かが解っている。 マネジメントやマーケティングも解っている。 地域の人々に支えられていることを知っている。 そういう意味での「パブリック」が解っている人なら良いが逆の場合は、劇場は一挙にダメになる。 例えば、 芸術至上主義の芸術監督はダメ → 『冷たい』劇場になる。 日本の演劇人で「公共」の解っている人材は、ほぼ皆無。 Management Director が必要。 公演者や観客とのコンタクトポイント(直接接客する人々)は、劇場職員であり、その職員の資質と、それを支えるBackground の資質が重要。学歴・職歴は殆ど関係ない。 人柄が第一である。
以上、覚書き終わり(フォーラム全体の覚書はもっと長いが)
ラトル氏、18年に首席指揮者退任へ ベルリン・フィル 2013年1月11日8時45分
【ベルリン=松井健】ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者サイモン・ラトル氏が10日、現在の契約が満了する2018年夏で退任すると表明した。カラヤンやフルトベングラーらが率いたベルリン・フィルはオーケストラの最高峰の一つ。後任選びがクラシックファンの注目を集めそうだ。
楽団員の総会で退任の意向を伝えたと同フィルが発表した。
ラトル氏は英リバプール出身。イタリアのクラウディオ・アバド氏の後任として02年に首席指揮者に就いた。レパートリーを広げ、演奏会のネット中継や、子どもたちの教育プロジェクトなどに取り組んだことも高い評価を受けた。
ラトル氏は「ベルリン・フィルとの共同作業は18年で16年間になる。私も64歳の誕生日が近づく。だれか別の人がこの偉大なオケを引き受けるべき時だ」とコメントした。同郷のビートルズの曲にちなみ、「『僕が64歳になっても、まだ僕を必要としてくれるかい』と自問せざるをえない」とも述べた。
******************************* ランキングの応援をよろしく にほんブログ村 *******************************
- 関連記事
-
テーマ:クラシック
- ジャンル:音楽
|