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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今月は 金利の変更なし?
2025-01-05-Sun  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日米ともに“トランプ待ち” = 日本銀行は今月23-24日、アメリカの中央銀行であるFRBは28-29日に、それぞれ金融政策を決定する会合を開く。事前の予想では日銀が利上げ、FRBは利下げに動く可能性が取り沙汰されている。しかしトランプ次期大統領がホワイトハウス入りするのは20日。したがって日米の決定会合は、いずれもその直後に開催されるわけだ。現状から判断すると、日米の中央銀行はともにトランプ政策の具体的な内容を把握するため、政策の変更を見送るのではないか。

日銀は昨年7月、長く続けたゼロ金利政策から離脱。政策金利をゼロから0.25%に引き上げた。その後は追加の利上げを見送ったため、この1月には決断するという見方が強まっていた。しかし植田総裁は「輸入物価の前年比上昇率は落ち着いてきている」と強調、また「賃上げの動向やトランプ政策の影響も見極めたい」と繰り返し述べている。この発言通りだとすれば、1月の追加利上げはありえない。

FRBは昨年12月、3回目の利下げを断行した。そのとき25年の利下げ予想を、従来の4回から2回に縮小している。これは消費者物価が下げ止まるなどインフレ基調が弱まらないこと、またトランプ政策の内容を検討する必要があるためだと考えられる。こういう姿勢だから、FRBも1月は利下げを見送る公算が大きいのではないだろうか。

日米の中央銀行がともに金利を動かさなかった場合、日本経済にはどんな影響が出るのだろうか。アメリカの市中金利は、利下げが遠のいたことから逆に上昇する可能性がある。一方、日本の市中金利は利上げが遠のいたことから逆に低下する可能性があるだろう。すると日米間の金利差は拡大、円の対ドル相場は下落する方向になる。その程度は予想できないが、少なくとも160円前後にまで下落することは覚悟しておくべきだろう。

        ≪6日の日経平均は? 予想 =≫

  
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「過去最大の予算案」は 無意味
2025-01-03-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 間違いではないが誤解を招きかねない = 25年度の予算案が昨年末、閣議決定された。一般会計の総額は115兆5415億円。新聞やテレビは「過去最大の予算案」という見出しで、大々的に報道した。たしかに当初予算としては過去最大なので、決して間違ってはいない。しかし、この「過去最大」という表現は全く無意味であるばかりか、多くの人に事実を誤解させる危険がある。最近は巨額の補正予算が編成され、当初予算の比重がいちじるしく低下しているためである。

一般に財政支出が増大すれば、景気は刺激されると考えられている。したがって「過去最大の予算」ならば、景気はよくなるだろうと考える人が多いのではないか。しかし、これは間違い。24年度は当初予算こそ112兆5700億円だったが、巨額の補正予算が組まれたから、予算の歳出総額は126兆円を超える。だから仮に補正予算が編成されないとしたら、25年度は財政が景気の足を引っ張る形になってしまう。新年度予算を景気刺激的ととらえるのは、大きな誤解である。

国債の発行額についても、全く同じことが言える。25年度予算案で、国債の新規発行額は28兆6490億円。税収が大幅に増加する見込みから、国債発行額は24年度の当初予算に比べると7兆円近くも減少した。大変に結構なことだが、仮に25年度も補正予算を組むとすれば、国債発行額は間違いなく追加される。当初予算の段階で喜んでいたら、裏切られることになるだろう。

ことしも年度の後半になると、補正予算が編成される公算はきわめて高い。物価高が続くため、電気・ガス料金を引き下げる対策や生活保護の強化などが欠かせないとみられるからだ。だが23年度は13兆円、24年度は14兆円の補正予算を組んでも、景気はそれほど良くならない。補正予算はなんのために必要なのか。原点に戻って考えるべきではないだろうか。

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ウオール街の 世論調査
2025-01-01-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 25年のNY株は10%の値上がり? = 「トランプ次期大統領は減税や規制緩和あるいは原油の増産を先行させ、経済の基盤が固まったあとに関税を引き上げる」--いまウオール街では、こんな推測が広がっているという。そんな考え方が影響しているのかどうかは不明だが、25年の株価については強気の見方が多い。たとえば大手金融6社の予想だと、25年末のSP500指数は6500~7000に集中。現在の水準より10%ほど高くなる。24年の28%上昇に比べれば鈍化するが、それでも満足できる展望だと考える人が多い。

株価の上昇率が鈍化するのは、割高感が増大しているため。QUICK・ファクトセットの調査によると、SP500の1年後予想PER(株価収益率)は22.5倍に上昇。過去10年間の平均値18.4倍より、かなり高くなった。またゴールドマン・サックスは、25年もM7(壮大な7社)への資金流入は続くが、その程度は過去7年間で最少になると予測している。全体としてみれば、絶好調だった24年には及ばないが、それほど悪くはないという感じだろう。

注目されるのは、外国の調査機関が日本株の評価を高めていることだ。シティ・グループは「日本株は25年下期に大きく上昇。最高値を更新して、年末には4万6000円に達する」と予測。ゴールドマン・サックスは「日銀は1月と7月に利上げし、金融株が高騰する」とみる。またJPモルガンは「日本株は世界で最も魅力的なポテンシャルを秘めている」と、きわめて高い賛辞を下した。

ニューヨークの株はまだ上昇するが、限界に近付いている。したがって投資資金は分散を図るが、ヨーロッパも中国も不況の最中。そこで日本株だけが、資金の逃げ場になりうる。日本株のPERは、まだ14.6倍と低い。こうした消去法的な考えも、次第に強まっているようだ。ただ日本の場合、少数与党の不安定さと円相場の動向が警戒要因になりかねないという。    

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独り勝ちだった NY株式市場
2024-12-31-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 時価総額は全世界の51%に = ことしの株式市場を振り返ってみると、最もインパクトが大きかった出来事は「ダウ平均の4万ドル台載せ」ではなかったか。ニューヨーク証券取引所のダウ工業30種平均株価は5月17日、終り値で初めて4万ドルを突破した。リーマン・ショック後09年3月の安値6547ドルに比べると、15年で6倍超に上昇したことになる。そして、その日のニューヨーク市場の時価総額は55兆3000億ドル。全世界の株式時価総額の51%に達した。

大活躍したのは半導体関連を中心とするIT企業。なかでも彗星のごとくに現われて株価を引きずり上げたのは、新興企業のエヌビディアだった。しかし‟カネ余り”という株高の基本的な環境を造ったのは、FRBによる金融緩和政策。FRBは昨年から引き締めに転じたが、資金の吸収はごく僅か。ことし後半からは再び緩和政策に戻り、これが現在は株高の要因となっている。

ニューヨーク市場の盛況に引きずられて、東京市場の株価も大きく上昇した。ただニューヨークの勢いがあまりにも強かったため、日本株の影は薄くなりがち。それでも調べてみると、結構な成績を残している。たとえば2月22日には、日経平均が34年2か月ぶりに史上最高値を更新。さらに直後の3月4日には、終り値で4万円を超えている。また年初来の上昇率をみると、ダウ平均が14%なのに対して日経平均は19%。この点など、もっと評価されてもいい。

日本株を押し上げた要因の1つは、円相場の大幅な下落。年初に144円台だった円の対ドル相場は、現在158円近くにまで下落した。企業が海外で儲けた利益を円換算すると、それだけ利益が膨張する。このために円相場が下がると、輸出関連銘柄を中心に株価が上がった。しかし円安は輸入価格を押し上げ、物価を上昇させる。このため日銀は追加の利上げに踏み切るべきだが、いまのところ決断する勇気がない。

         ≪30日の日経平均 = 下げ -386.62円≫

         【今週の日経平均予想 = 1勝0敗】     


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今週のポイント
2024-12-29-Sun  CATEGORY: 政治・経済
◇ 鬼の居ぬ間に上昇した日経平均 = ダウ平均は先週152ドルの値上がり。終り値は4万3000ドルを少し割り込んだ。クリスマス休暇で商いが減少しているところへ、前3週間で2000ドル以上も下げたことの反動買いが入った。ただFRBの利下げテンポが鈍るとの予想から、長期金利が上昇。これを嫌った売り物も目立っている。特に小型株は債券利回りとの比較から、大きく売られた。

日経平均は先週1579円の大幅な値上がり。終り値は5か月ぶりに4万円台を回復した。特に金曜日は、この日から受け渡しが新年になるため、買い物が増えている。このところ外国人投資家が売りに回っていたが、その外国人の多くがクリスマス休暇。ここを狙って個人投資家が積極的に買ったため、予想外に大幅な上昇となったようだ。鬼の居ぬ間のなんとやらである。

今週の商いは大納会の30日だけ。東京市場では、上げ基調で越年するという予想が強い。しかし年末年始にかけて、トランプ次期大統領が何を言い出すか。グリーンランドを買いたいなどと言っているうちはいいが、世界を驚かせるような発言が飛び出さないとも限らない。要注意だろう。また日銀が1月の会合で利上げを決めるかどうか。市場の方が催促をしているようにもみえるが、日銀に決断する勇気があるかどうか。

今週は30日が大納会。アメリカでは31日に、10月のFHFA住宅価格指数。3日に、12月のISM製造業景況指数。また中国が2日に、12月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

        ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ

   
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貧しくなった 日本人の生活 : IMFの推計
2024-12-27-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1人当たりGDPは台湾にも抜かれて39位に転落 = GDP(国内総生産)は一国の経済規模を示す指標。それを人口で割った1人当たりGDPは平均的な国民の経済規模、つまり生活の豊かさを示す指標だと考えられる。IMF(国際通貨基金)の集計によると、日本の1人当たり名目GDPはことしスペイン・ブルネイ・スロバキア・台湾に抜かれ、世界39位に転落した。国民の生活水準が相対的に低下したことを示している。

世界のランキングをみると、①ルクセンブルグ=13万5321ドル②スイス=10万6098ドル③アイルランド=10万3500ドル④ノルウェー=9万0434ドル⑤シンガポール=8万9370ドル--が上位5位。日本は3万2859ドルで、首位ルクセンブルグの4分の1にも満たない。アジア諸国を見渡すと、シンガポールに続いては香港が20位、韓国が33位、台湾が37位などとなっている。なお中国は73位。

このように各国を比較するため、1人当たりGDPは米ドルに換算される。したがって円安になると、数値は下がる。この影響が大きいことは確かだが、基本的には日本のGDPが伸び悩んでいることが原因だ。たとえばIMFの発表によると、上位39か国のうち1人当たりGDPが24年に減少したのはニュージーランドと日本だけ。人口が減少しているにもかかわらず、こういう状況に陥っているのはなぜだろう。

日本経済研究センターも、同様の集計を発表した。内容はIMFとほぼ同じだが、注目すべきは「35年までに日本が韓国や台湾に追い付き逆転することはない」と予測している点。格差は開く方向だ。このように日本の生活水準だけが低下する最大の原因はなにか。それは政府が目先のバラマキに終始し、成長政策を軽視してきたからに他ならない。この点では、野党も同罪である。

        ≪27日の日経平均 = 上げ +713.10円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】    

   
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     ☆ 追記 = 各新聞は24日付けの朝刊に「日本の1人当たりGDP22位に」という記事を掲載した。これは内閣府が発表し      
              た23年の集計。当ブログはIMFが集計した24年の推計です。念のため。 

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スタグフレーション怖い : NY市場
2024-12-25-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ ‟軟着陸”は遠去かった? = ニューヨーク市場の株価が冴えない。ダウ平均はなんと50年ぶりに10日間の続落を記録。先週末は4万3000ドルを割り込んだ。最大の原因は、来年の利下げにブレーキがかかったこと。FRBは政策金利の0.25%引き下げを決めたが、同時に来年の利下げ予想を「従来の4回から2回に縮小」した。このため長期金利が急上昇、株式は売られドルが買われた。市場では、こんな解説が行き渡っている。

だがブレーキがかかったとはいえ、来年は2回の利下げが見込める。それにしては、株価は下がり過ぎた。なぜなのか。実は市場は来年の状況を、もっと深読みしたのではなかろうか。FRBが利下げの予想回数を減らしたのは、インフレの鎮静化ガ遅れているためにほかならない。したがって、さらに鎮静化ガ遅れると、来年は利下げを期待できないかもしれない。

あたかもトランプ大統領が返り咲く。その政策は関税の引き上げにしても移民の受け入れ停止にしても、インフレの要因になりやすい。下手をすると利下げどころか、インフレ抑制のためFRBは利上げを余儀なくされるかもしれない。すると景気は確実に下降するだろう。つまりインフレと景気後退の共存、スタグフレーションの可能性も考えておかなければいけない。市場は、ここまで警戒したのではないだろうか。

そうだとすると、今後の展開はやはり物価が握ることになる。たとえば消費者物価や個人消費支出物価など、物価関連の指標が上昇基調であれば、市場は警戒を強めることになる。逆に物価指標が下落基調になれば、市場の心配は弱まるだろう。物価が上げ基調で景気が下降気味ならば最悪。物価が鎮静気味で景気が底堅ければ、市場はまた‟軟着陸”期待に戻るだろう。

        ≪25日の日経平均 = 上げ +93.58円≫

        ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ

   
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今週のポイント
2024-12-23-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウ平均は10日間の続落 = ダウ平均は先週988ドルの大幅な値下がり。週末には下げ止まったが、水曜日までは10営業日の続落。実に50年ぶりの珍記録となった。特にFRBが0.25%の利下げを発表した水曜日は1100ドルを超える値下がり。この10日間の下げ幅は2689ドルに達した。利下げは完全に織り込んでいた市場だったが、FRBが来年の利下げ回数見通しを「4回から2回に縮小」したことがショックとなった。

日経平均は先週769円の値下がり。こちらも6日間の続落で、終り値は3万9000円を割り込んだ。ニューヨーク市場が黒雲に覆われたのだから、やむを得ない。その割に下げ幅は小さかったと言えるだろう。日本株が出遅れ気味だったことが、かえって幸いした。またFRBが利下げしたのに日銀が動かなかったことから、円の対ドル相場が大きく下落。これも株価の下落に、ある程度のブレーキをかけたようだ。

「来年の利下げは、ゆっくりしたペースになりそうだ」--この見通しが広がると、ニューヨーク債券市場の長期金利が大きく跳ね上がった。これが株価を下落させ、ドル高を進行させた。今週はその反動で、株高・ドル安の場面があるかもしれない。しかし来年のアメリカ経済に対する不安が、すぐに消えることはないだろう。市場が平常の感覚に戻るのには、少し時間がかかるのかもしれない。

今週は25日に、11月の企業向けサービス価格。27日に、11月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計、12月の東京都区部・消費者物価。アメリカでは23日に、12月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。24日に、11月の新築住宅販売が発表される。

        ≪23日の日経平均 = 上げ +459.44円≫

        ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


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