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経済なんでも研究会
サタデー自習室 -- 金(きん)の研究 ⑧
2008-06-21-Sat  CATEGORY: 政治・経済
8)金ドル本位制・最後の国 = 1971年(昭和46年)、金ドル本位制はあっけなく終了した。この年の8月15日、アメリカのニクソン大統領は突如として「ドルと金との交換制度を停止する」と発表。全世界を驚かせた。ベトナム戦争の影響もあって、当時のアメリカは大幅な貿易赤字とインフレに見舞われ、金の流失に耐えられなくなったためである。

このニクソン・ショックを受けて、主要国は一斉に為替市場を閉鎖した。ただ日本だけが28日まで東京市場を開き続け、この間にドル買い介入で40億ドル、1兆4400億円のムダ金を使ってしまった。だから金ドル本位制は71年8月15日に崩壊したが、形式的に言えば28日までこの市場を維持した日本が、金ドル本位制・最後の国だったと言えるかもしれない。

その年の暮れ。先進10か国の蔵相がワシントンのスミソニアン博物館に集まり、各国は為替レートを調整したうえで固定相場制を維持することになった。この結果、円の対ドル・レートは1ドル=360円から308円へと切り上げられた。しかし、このスミソニアン体制はうまく機能せず、72年から73年にかけて各国が離脱。変動相場制を採用した。日本も73年2月に移行している。

スミソニアン体制がうまく機能しなかったのは、結局のところ金のような価値の最終尺度がなくなってしまったためだろう。固定相場制のもとでは貿易の不均衡が大きくなった場合、たとえば赤字国は国内経済を引き締めて輸出の増加を図る。しかし金の流出といった損失は生じないから、国内を不況にするよりは貿易の不均衡に目をつぶる方向に流れてしまった。

                                 (続きは来週サタデー)  

    ≪20日の日経平均 = 下げ -188.09円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】

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