アメリカの景気には、底入れの気配が見えない。昨年夏にサブプライム問題が表面化してから、金融不安→住宅不振→実体経済の悪化と進行してきた悪循環。このうち金融不安はひと息入れ、住宅不振も最悪期は脱したかのように見える。ところが最近になって原油価格の異常な高騰が、実体経済の悪化に拍車をかける形が鮮明になってきた。
原油高騰の影響は、まず雇用の面に現れている。労働省が発表した5月の失業率は5.5%。前月より一気に0.5ポイントも上昇した。この水準は3年半ぶりの高さ。若年層や黒人・アフリカ系を中心に、失業者が前月より86万人も増えた結果だ。特に建設業や製造業、小売業での雇用削減が響いた。製造業では自動車産業や航空各社。小売業では自動車のディーラーやガソリン・スタンド。いずれもガソリン高騰の直撃を受けた業種がリストラに動いた。
その一方で、個人の消費は健闘している。ショッピングセンター協会の集計によると、5月の売上高は前年比3%の増加となった。これはブッシュ政権による緊急減税の効果によるものとみられている。商務省が発表した5月の小売売上高も前月比1.0%増加で、事前の予想を上回った。
だが6月以降、減税の効果は急速に減衰するだろう。その半面、自動車メーカーは6月にも人員削減を継続する方針。失業者が増えれば、消費は抑えられる。景気の後退はまた一歩深まりそうだが、金融を緩めると原油価格が上がってしまう。金融当局には、対処し切れない状況が生じつつある。アメリカ経済は、はっきりとスタグフレーションの形をとり始めた。
≪12日の日経平均 = 下げ -294.88円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
☆Please click here ⇒
原油高騰の影響は、まず雇用の面に現れている。労働省が発表した5月の失業率は5.5%。前月より一気に0.5ポイントも上昇した。この水準は3年半ぶりの高さ。若年層や黒人・アフリカ系を中心に、失業者が前月より86万人も増えた結果だ。特に建設業や製造業、小売業での雇用削減が響いた。製造業では自動車産業や航空各社。小売業では自動車のディーラーやガソリン・スタンド。いずれもガソリン高騰の直撃を受けた業種がリストラに動いた。
その一方で、個人の消費は健闘している。ショッピングセンター協会の集計によると、5月の売上高は前年比3%の増加となった。これはブッシュ政権による緊急減税の効果によるものとみられている。商務省が発表した5月の小売売上高も前月比1.0%増加で、事前の予想を上回った。
だが6月以降、減税の効果は急速に減衰するだろう。その半面、自動車メーカーは6月にも人員削減を継続する方針。失業者が増えれば、消費は抑えられる。景気の後退はまた一歩深まりそうだが、金融を緩めると原油価格が上がってしまう。金融当局には、対処し切れない状況が生じつつある。アメリカ経済は、はっきりとスタグフレーションの形をとり始めた。
≪12日の日経平均 = 下げ -294.88円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
☆Please click here ⇒
| ホーム |