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経済なんでも研究会
自動車産業に 激震走る! (下)
2024-09-13-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国製EVが独走態勢に = フォルクスワーゲンを経営不振に陥れた最大の原因は、中国車との競争に敗れたことだろう。もともとワーゲンにとって、中国は最大の海外市場だった。ところが中国車が台頭し、ワーゲンの販売台数は過去4年間で2割以上も減ってしまう。さらに本拠地のドイツにも攻め込まれ、顧客を奪われた。ワーゲンのブルーノCEOが「新たな競争相手の参入で、状況は深刻になった」と述べたのは、このことを指している。

中国ではEV時代を迎えて、自動車メーカーが雨後のタケノコのように出現した。なかでも頭角を現したのが、広州のBYD(比亜迪)。なにしろ安いうえに、デザインや装備もいい。昨年末にはEVの販売台数で、アメリカのテスラを抜いている。ことし1-8月には、全世界で前年比30%増の233万台を売り上げた。ほかにもスマホ・メーカーの小米がEV生産に乗り出したが、その価格はテスラの半分だという。

中国車が安いのは、政府が巨額の補助金を出しているため。だから関税を上げて、輸入を抑制する。こういう理屈で、アメリカとカナダは、近く輸入関税を100%に引き上げる。しかしEUは各国の思惑もあって、関税は36.3%への引き上げにとどまった。これだと中国車の価格は、まだ競争力を失わないという。ただ中国車は東南アジアや中南米にも進出し始めており、そこでは日本車の市場を食い荒らすことになる。

情勢の激変で、世界の自動車メーカーが動き出した。GM、フォード、現代などはEV戦略を一斉に変更。トヨタは水素で走る燃料電池車の開発で、ドイツのBMWとの提携を強化。またトヨタ、日産、スバル、マツダの4社がEV電池の開発に1兆円を投じることになった。しかし中国車の勢いは衰えず、すでに独走態勢に入りつつある。それに対抗できるかどうか、よほどのチエと努力がないと難しそうだ。

        ≪12日の日経平均 = 上げ +1213.50円≫

        ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ
    
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