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経済なんでも研究会
株価も「失われた30年」だった!
2023-05-23-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ なぜ大差がついた原因を究明しないのか = 日経平均株価は先週末3万0808円にまで上昇。バブル末期の1990年8月以来、実に33年ぶりの高値を回復した。コロナ規制の解除で経済の正常化が進み、円安の影響も加わったことが原因。アメリカやヨーロッパでは金融引き締めで景気の先行きが不安、中国の回復もはかどらない。こうしたなかで日本の状況に光が当たり、海外の投資家があり余る資金を東京市場に投入した。

「よくぞ、ここまで回復した」というのが、一般的な印象だろう。しかし、よく考えてみると「やっと33年前の水準に戻っただけ」のこと。1990年当時と現在の株価を比べてみると、ダウ平均は3024ドルから3万3427ドルへ。なんと11.0倍も上昇している。ドイツのDAXも同じ。当時の1712が現在は1万6275へ、やはり11.6倍に値上がりしている。その間、日経平均は全く上昇しなかったわけだ。

ついでにGDPの動向も調べてみると、この33年間でアメリカのGDPは4.25倍に増大。ドイツは2.5倍に拡大している。これに対して、日本のGDPはわずか1.57倍にしか増えていない。「失われた30年」という表現は、日本の賃金水準が全く増加しなかったという意味で使われることが多い。しかしGDPについても言えるし、株価についても全く当てはまる。

なぜ、こんなことになってしまったのか。1990年当時はバブルの末期で、株価が高すぎたからという説明もある。だが、それにしても米独との大差はひどすぎる。人口の減少とか超金融緩和でゾンビ企業が生き残ったなどの理由も挙げられるが、これは最近10年に限った原因だ。おそらく多くの原因が絡み合っているのだろう。その原因をしっかり究明しないと、この先も「失われた10年」になってしまう心配がある。

        ≪22日の日経平均 = 上げ +278.47円≫

        ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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