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経済なんでも研究会
トランプ大統領の 大きな誤算
2019-09-25-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国の耐久力を見誤った = トランプ大統領が中国製品に対する関税引き上げ第1弾を発動したのは、昨年7月だった。その後も第4弾まで輸入規制を拡大。現在では輸入する中国製品のほとんどに、高い関税がかけられている。このため中国の対アメリカ輸出は大幅に減少、たとえば8月の輸出額は前年比16%も減った。鉱工業生産が低迷し、GDP成長率も政府が目標とする6%を割り込みそうだ。ところが中国政府は音をあげず、貿易交渉でもアメリカに譲歩をしてこない。

この中国の粘り強さは、トランプ大統領にとって予想外だったに違いない。歴史的にみても、中国人の耐久力の強さは証明されている。しかも現在の中国は共産党の一党独裁で、財政や金融政策を意のままに動かせる。企業や国民の不満も、割と簡単に抑え込める。習近平主席は、長老会議で一任を取り付けるなど万全の態勢を整えていた。

ひるがえってアメリカの状況をみると、中国製品の流入を抑制したにもかかわらず、鉄鋼や自動車の業績は一向によくならない。中国側の報復関税によって、農業は大きな打撃を受けている。また消費財の値上がりで、小売り業界や消費者からの苦情も出始めた。ところが財政は議会、金融はFRBが権限を握っているから、トランプ大統領といえども中国のようにすべてを動かすことはできない。

来年11月には大統領選挙。もう前哨戦はスタートした。このまま進んで行くと、米中経済戦争は大統領選挙のマイナス要因になりかねない。そこで戦術転換。その第1歩として、強硬派のボルトン補佐官を切り捨てた。新しい方向は、懐柔戦術だろう。さて具体的に、どんな手を打つか。いまトランプ氏は、その具体策とタイミングを計ることに腐心しているに違いない。

       ≪24日の日経平均 = 上げ +19.75円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ


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