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経済なんでも研究会
地政学的リスク の 影響度
2017-04-11-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 一時的なら1か月後には回復 = 先週は新聞紙上に「地政学的リスク」という言葉が、何回となく現われた。辞書を引いてみると「地理的条件と政治現象との関係を研究する学問」とある。なかには「ナチスによる領土拡張の戦略論として使われた」とも書いてあって、ちょっと驚いた。とにかくよく判らない言葉だが、最近は中東やアジアで物騒なことが起こると使われているように思われる。

まず日本時間の4日、シリア北西部の町に化学兵器を使ったとみられる爆撃があった。これで地政学的リスクが高まる。次いで5日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射。地政学的リスクが高まり、円高が進んだ。そして7日朝、こんどはアメリカ軍がシリアの空軍基地にミサイルを撃ち込んだ。これでリスクはさらに高まり、市場では国債・金・原油・円が買われ、株が売られた。

先週5日には、FRBが3月のFOMC議事録を公表。内部では「株価が高すぎる」といった意見もあったことが明らかになった。また7日にはアメリカの3月の雇用統計が発表され、非農業雇用者の増加数が予想の半分にとどまったことも大きく報道された。しかし世界の株式市場はこうした材料にはあまり反応せず、地政学的リスクの方を重視したようである。

過去の地政学的リスクを調べてみると、たとえば01年のアメリカ同時テロ、14年のロシアによるクリミア侵攻など、いずれも発生と同時に株価は急落している。しかし1か月後には株価は下落分を取り戻し、その後は上昇した。これは事件の発生から1か月もすると、リスクの一時的なことが判明してくるからだという。さて、今回はどうだろう。

      ≪10日の日経平均 = 上げ +133.25円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ


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