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経済なんでも研究会
違和感だらけの 政府経済報告
2016-06-22-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「回復基調」にこだわる理由 = 政府は先週末、6月の月例経済報告を発表した。最も注目される基調判断は、またしても「緩やかな回復基調が続いている」という表現。さらに景気の先行きについても「緩やかな回復に向かうと期待される」と、意外に楽観的だ。ここ数か月、とにかく「緩やかな回復」で押し通しており、一般人の感覚とはどうもかけ離れているような気がしてならない。

報告の各論をみると、個人消費については「足踏みがみられるが、おおむね横ばい」。生産と輸出はともに「横這い」。企業収益は「高水準だが足踏み」、設備投資は「持ち直しの動き」、雇用は「改善している」という具合。だが、家計の1-3月期の実質消費は前年比1.9%の減少、小売り高も0.3%の減少。全産業の経常利益は9.3%も減った。4-6月期の景気予測調査では、大企業の景況感がマイナス7.9にまで落ちている。

こういう状態が、なぜ「緩やかな回復」と言えるのか。どうしても違和感が付きまとう。そのうえ先行きも「回復」だと書いているが、それなら安倍首相が伊勢志摩サミットで強調した「リーマン前夜の危機感」との整合性は、どう考えたらいいのだろう。月例経済報告は政府の経済に対する正式な見解である。首相の発言とは無関係と言うわけにはいかない。

思い当たることは、ただ1つ。月例報告で「景気は足踏み」とか「停滞」と書けば、アベノミックスの失敗につながりかねない。特に参院選を前にしたいま、そんなことを書いたら大変だ。そこで「緩やかな回復」で押し通すしかない。月例経済報告に対する信頼性は低下しても、担当官庁としては仕方がないか。

      ≪21日の日経平均 = 上げ +203.81円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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