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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

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2013.12
24
CM:0
TB:0
12:24
Category : 未分類
 昨晩書いた話で思い出したが。一種、位相語のような話は結構ある。たとえば、同じ海自の中でもマークによってトランシットだけで3つの意味があった。

 トランシットと言われて思い浮かべるのが職域で違う。

 海自でトランシットと聞いて一番多い認識は、「重視」である。例えば遠くにある煙突と、さらにその先にある山頂が重なって見える状態を言う。海図には煙突も山頂も書いてある。トランシットになった山頂から煙突を通る直線を書けば、その上に自艦の位置がある。あるいは、273度に進む時に、トランシットになる目標があればコンパスは見ないでいい。煙突と山頂なら、手前の煙突が右に動けば、自艦は左にズレているので修整みたいにつかう。

 ただし、イルカ印の潜水艦だと「目標地点への移動」でもトランシットを使う。例えば、小笠原周辺海域に進出するとき、横須賀から小笠原までの移動を指して、トランシットみたいな言い方をしている。同じ単語由来だが、飛行機のトランジットにちかい。ビルマに行くために、バンコクでトランジットするのと似たような感覚なのだろう。OEDで確認していないが、TRANSがあるので、渡るとか、継ぐといった意味に近い本来の用法なのだろう。

 あとは、施設職域だと測量器具のトランシットがある。海施設はゼネコン、マリコンからの公募幹部も少なくないので、実習だとそこらの土木屋どころではない精度をださせる。逆に現場だと、航空機のタッチアンドゴーの間に飛行場に入って横断測量とか無茶苦茶をやっていた。土木の時には「1銭2銭は子供の小遣い」と適当なのに、建築系の実習だとトランシットとコンベックスで+-コンマ5mmの芯出しをやらされたよ。実際にやることあるぞ、競技用のプールで物を知らない水泳協会はそこまでバカなことを言い出すからなといっていた。
 
 他の職域位相語だと、ホーミングがある。普通は誘導のホーミングだが、機関科の蒸気員だと違う意味が最初に出てくる。目の前で見たことがあるのは、その蒸気員の海曹と航空武器の海曹での意味の混乱である。

 2人は仙人クラスなのだが、教育隊で同期だとかで、作る教科書はコレでいいかなという話をていた。蒸気員が「ホーミングボイラが」で大きくひっかかっていた。ミサイル屋からすれば「なんでボイラーがホーミングするのか」という話。面白いから黙ってみていたら「だから、ボイラがホーミングするんだよ」「ホーミングし始めると止まらなくなるじゃん」とか、誤解を全く解けない説明に終始していたよ。

 要は、フォーミング、Formingで「泡立っている」なんだよねえ、洗顔フォームのフォーム。だけど、通例でホーミングという。だけど、武器屋からすればホーミング、Homingで誘導だとおもっていたという話なわけだ。

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