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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

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2012.03
16
CM:0
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23:17
Category : ナショナリズム
 たまには、予約投稿以外にも書いてみようかと。



 今日、尖閣諸島の日本領海に中国公船が侵入した。日経新聞※によると、「16日午前6時ごろ、尖閣諸島」に「中国船『海監50』『海監66』が」「一時、日本の領海内に侵入した。」とのことである。

 私も日本人であるので、中国が行った行動は、領海への侵入と退去拒否としか見えない。中国が行ったのは、日本の領域を侵す行為である。

 しかし、中国人からすれば、日本領域を侵した感覚はない。中国人からすれば「釣魚島領海に入った所、不法に占拠している日本巡視船に文句を言われた」という話になる。

 日本に置き換えれば「北方領土付近で操業中の漁船が、ロシア公船から警告を受けた」ことと同じだろう。

 早速ググったのだが、やはり元気の良い人が、ナショナリズムから爆発している。強硬手段をとれと主張している。しかし、それは得策ではないだろう。

 ここで強硬手段をとれば、中国のナショナリズムも刺激され、爆発する。そうなると、元気のいい中国人が漁船で寄せてくる。これは困り者だ。

 元気の良い人には、ゲームのルールが通用しない。

 日本と中国は、ルールに則ってゲームをしている。尖閣諸島を燃え上がらせて、戦略的互恵関係を損なうことは、両国にとって本意ではない。日中は、海軍競争、尖閣諸島での領土問題、東シナ海ガス田開発で角を突き合わせている。しかし、そのゲームは、戦略的互恵関係を損なわない前提である。ゲームはゲームであり、両国経済的利益を阻害しないルールである。

 しかし、元気の良い人が出てくると全部台無しになる。片方の元気の良い人が過激な行動を取ると、もう片方の国の元気の良い人はヨリ過激な行動を取る。ナショナリズムに火がつくと、戦略的互恵関係、経済的利益がおジャンになってしまう。

 両国政府は、ナショナリズムを抑制しようとしている。尖閣諸島の問題も、互いが勝手に既成事実を積上げない、言わずもがなの取り決めがある。

 両国にとって、現状が一番理想的である。互いに、民間を締め出し、また軍艦を出さない。政府公船同士でゲームを行う。あくまで事務的に対応する。

 中国公船が尖閣諸島12マイルに入るが、居座らず航過する。これはゲームの範囲内であり、ルールを蔑ろにしない行為である。

 日本側も、ルールに則り、互いの互恵的な利益を損なわないように行動すべきである。また、ナショナリズムの暴発も抑制しなければならない。




 まあ、中国国内へのアリバイづくりで、ノルマで日本領海に入ったのではないかね。そして、深刻な対立をもたらす前に、航過したと見ていいのではないかな。

 日本から見ても、いつもの話である。中国側にも、特にエスカレーションさせる意図が見えない。日本人にとっては不愉快だけど、ゲームのルールに従って処理するのが良い。
 基本的に、尖閣諸島は日本側が優位にある。北方領土、竹島とは違い、日本側が実効支配できている。それを安穏に継続することを第一にすべきである。


※ 「中国監視船、尖閣で一時領海侵入 付近「巡視」公表 政府、官邸内に連絡室設置」『日経新聞』2012年3月16日12時21分(WEB)http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9C8197E09B9C99E2E08DE3E4E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195166008122009000000

※※ 2010年9月7日、中国漁船衝突事件以降の騒動は、日本側がゲームのルールを一部逸脱した結果ではないかな。
 それまでの前例では、領海からの退去であった。これを逮捕し、船長は日本国内に拘束しようとした。中国は、日本のルール逸脱に対抗するため、レアアースを禁輸し、中国国内の日本人を拘束した。こう見ることもできないかねえ。

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