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- » 2025 . 01
Category : 未分類
JB Pressの北村淳さんの記事は「危険が危ない」を煽ることを優先しているのではないか?
「日本周辺海域も『波高し』、中国潜水艦が再び米軍空母に接近」なのだが「中国海軍お得意の政治的デモンストレーション」として
と述べている。
だが、潜水艦はキロ型(記事中ではIMP Kiloだから「改良キロ型」としている)と見做している。
果たして在来潜に「アメリカ空母の直近に潜水艦を浮上させ」ることができるのだろうか?
中央が海軍に「米空母間近に接敵し、勝ち誇るように浮上しろ」というのは、無理がある。キロのような在来型潜水艦は、空母機動部隊を追尾できない。水中で高速力を出すとすぐに電池が切れてしまうためだ。このため、ごく短時間のダッシュ以外では2-6kt(4-12km/h)程度しか出さないといった話がある。平時にも12kt以上、戦時には20kt以上で走り回る空母機動部隊を先回りするのは、相手が自艦位置に向かってくる場合以外には、まずはできない。
その意味で元記事自体が怪しいものであった。そもそも「中国潜水艦は少なくとも半日以上にわたって『ロナルド・レーガン』を近距離で追尾していたという。この事実そのものをアメリカ軍当局は否定していない。」(北村)のあたりからも、米国報道は不思議な内容であった。速力と潜水航続距離の関係から在来潜水艦にはそれは難しく、原潜であっても静粛性から同様に難しいためだ。特に中国原潜については、商については実用性は高いといった話はあるが、静粛性が高いといった話はない。
この点から、北村さんの記事で「キロがそれを実施した」とするあたりには疑問を抱くものだ。
要は、対中対峙での「危険が危ない」を強調することが目的であり、事実関係はその次においているのではないかといったものだ。
実際に、潜水艦の評価にも首をひねることがある。北村さんは元はキロよりも優れるとしている。
だが、元はキロより静粛であるといった話はない。もちろん宋よりも優れるといった点は衆目一致しているが「むしろ元でも性能的に満足できないためにラダの輸入を考えている」といった推測も多い。その点、元は静粛性でキロを超えているといった判断にも疑問が残るのである。
そして、潜水艦戦力逆転への危惧は、北村さんの強引な誘導にしか見えない。
だが、その数を比較してもあまり意味はない。中国の主力は在来潜であり、実用に耐える原潜は商のみで、それでも静粛性にも問題を抱えている。対して米国は全て原潜であり、静粛性の高いロサンゼルス後期型以降で揃えられている。 それを見ないのは、昔の防衛白書で「中国は1200隻、北朝鮮は300隻の軍艦を持っている。日本は90隻、在日米軍は15隻しかない」と、数だけで騒ぐようなもので、上海型砲艇やコマール型ミサイル艇と、イージス艦や空母の数を直接比較するものである。そもそも、昔の中国は今よりも多数のロメオ型潜水艦を持っていた。
このあたりで北村さんは無駄に脅威を煽っているようにしか見えない。もちろん、結論の通り、米国は日本の対潜戦能力に期待をしている。だが、その理由は別に米海軍が中国に対して劣勢になったからではないし、今に始まったものでもない。
JB PRESSの安全保障記事については、全体的に冷静ではない。ネトウヨ系に受ける扇情性が重視されており、あまりアナリティクスではない。
もちろん、北村さんの記事は読む価値があることを認めた上での批判である。その点でJB Pressでも、退職後もライト・イズ・ライトを振り回す兵隊上がりの森清勇さんや、産経系で相手のいうことだけを鵜呑みにして何も調べず、時代遅れの防衛産業の提灯持ちを桜林美佐さんの記事とは異なっている。
「日本周辺海域も『波高し』、中国潜水艦が再び米軍空母に接近」なのだが「中国海軍お得意の政治的デモンストレーション」として
「孫子」の伝統を尊重する中国共産党、そして人民解放軍は、潜水艦に限らず軍事力を政治的に多用する。今回の“潜水艦接近劇”も政治的メッセージを発する意図があったと考えられる。[中略]そこで中国海軍は、かねてより予定されていた米韓海軍合同演習に向かうアメリカ空母の直近に潜水艦を浮上させたのだと考えられる。これは、以前よりしばしば中国海軍が実施している政治的デモンストレーションの方法である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45225?page=2
と述べている。
だが、潜水艦はキロ型(記事中ではIMP Kiloだから「改良キロ型」としている)と見做している。
果たして在来潜に「アメリカ空母の直近に潜水艦を浮上させ」ることができるのだろうか?
中央が海軍に「米空母間近に接敵し、勝ち誇るように浮上しろ」というのは、無理がある。キロのような在来型潜水艦は、空母機動部隊を追尾できない。水中で高速力を出すとすぐに電池が切れてしまうためだ。このため、ごく短時間のダッシュ以外では2-6kt(4-12km/h)程度しか出さないといった話がある。平時にも12kt以上、戦時には20kt以上で走り回る空母機動部隊を先回りするのは、相手が自艦位置に向かってくる場合以外には、まずはできない。
その意味で元記事自体が怪しいものであった。そもそも「中国潜水艦は少なくとも半日以上にわたって『ロナルド・レーガン』を近距離で追尾していたという。この事実そのものをアメリカ軍当局は否定していない。」(北村)のあたりからも、米国報道は不思議な内容であった。速力と潜水航続距離の関係から在来潜水艦にはそれは難しく、原潜であっても静粛性から同様に難しいためだ。特に中国原潜については、商については実用性は高いといった話はあるが、静粛性が高いといった話はない。
この点から、北村さんの記事で「キロがそれを実施した」とするあたりには疑問を抱くものだ。
要は、対中対峙での「危険が危ない」を強調することが目的であり、事実関係はその次においているのではないかといったものだ。
実際に、潜水艦の評価にも首をひねることがある。北村さんは元はキロよりも優れるとしている。
これに対して、中国海軍は「宋型」「キロ型」「改良キロ型」、そしてさらに静粛性が高いと言われている「元型」通常動力潜水艦を合わせて40隻ほど保有している。また、比較的新型の攻撃型原潜と最新鋭の攻撃型原潜も少なくとも6隻は運用していると考えられている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45225?page=4
だが、元はキロより静粛であるといった話はない。もちろん宋よりも優れるといった点は衆目一致しているが「むしろ元でも性能的に満足できないためにラダの輸入を考えている」といった推測も多い。その点、元は静粛性でキロを超えているといった判断にも疑問が残るのである。
そして、潜水艦戦力逆転への危惧は、北村さんの強引な誘導にしか見えない。
一方、アメリカ海軍は現行の主たる攻撃原潜である「ロサンゼルス級」を「バージニア級」に更新する作業は遅々として進んでいない。
このような両海軍の潜水艦整備状況から、「それほど遠くない将来に、中国潜水艦戦力がアメリカのそれを凌駕しかねない」と危惧している海軍関係者も少なくない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45225?page=4
だが、その数を比較してもあまり意味はない。中国の主力は在来潜であり、実用に耐える原潜は商のみで、それでも静粛性にも問題を抱えている。対して米国は全て原潜であり、静粛性の高いロサンゼルス後期型以降で揃えられている。 それを見ないのは、昔の防衛白書で「中国は1200隻、北朝鮮は300隻の軍艦を持っている。日本は90隻、在日米軍は15隻しかない」と、数だけで騒ぐようなもので、上海型砲艇やコマール型ミサイル艇と、イージス艦や空母の数を直接比較するものである。そもそも、昔の中国は今よりも多数のロメオ型潜水艦を持っていた。
このあたりで北村さんは無駄に脅威を煽っているようにしか見えない。もちろん、結論の通り、米国は日本の対潜戦能力に期待をしている。だが、その理由は別に米海軍が中国に対して劣勢になったからではないし、今に始まったものでもない。
JB PRESSの安全保障記事については、全体的に冷静ではない。ネトウヨ系に受ける扇情性が重視されており、あまりアナリティクスではない。
もちろん、北村さんの記事は読む価値があることを認めた上での批判である。その点でJB Pressでも、退職後もライト・イズ・ライトを振り回す兵隊上がりの森清勇さんや、産経系で相手のいうことだけを鵜呑みにして何も調べず、時代遅れの防衛産業の提灯持ちを桜林美佐さんの記事とは異なっている。
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祝・「深淵の覇者」発売!
21:02
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No title
19:01
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No title
14:43
ぱど
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実はろくな海図も作ってない海域を
自分の領海だと主張するバカな集団なんだろうな。
些細なことですが
14:48
ブーメラン怪獣レッドキラー
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「空母を捕捉」では?