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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

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2014.07
18
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12:48
Category : 未分類
 辺野古埋立の件だが、最後まで力で押さえつけ切れると判断しているのだろう。調査工事の段階で、埋立面積全てを立入禁止にするという。沖縄タイムス「辺野古24時間厳戒 桟橋を新設 警備船多数」や日経新聞「辺野古、高まる緊張 沖縄防衛局、近く海底調査 」を読む限りは、そう見える。

 だが、力で押さえつけるやり方で埋立までもっていけるのだろうか。

 防衛側は、刑事特別法で逮捕できる状態にすれば、海面進入を拒否できると判断している。上で挙げた日経の記事では
[沖縄]防衛局はボーリング調査に先立ち、制限区域沿いにブイを設置する方針。武田博史局長は「安全確保に万全を期すため」と説明するが、抗議活動阻止の狙いは明白。立ち入れば日米地位協定に伴う刑事特別法の処罰対象となる。防衛省関係者は「ブイは乗り越えさせない」と語気を強める。
と述べている。

 だが、これは甘い見通しである。防衛省の力ではなく、警察と海保に依存する形なのに『ブイは乗り越えさせない』というのは防衛省の事務官がもつ、一種の傲慢を感じるものだ。なんにしても、法令で取り締まりさえすれば、反対派による抗議行動を締め出せると考えているのは、やはり甘い。

 同じく日経の記事ではそれでも反対派は海面に入り込んで反対するだろう見通しを述べている
 反対派は区域侵入も辞さない構えで対決姿勢は鮮明だ。6月下旬から毎日、辺野古沖に船を出し、ブイ設置やボーリング調査の着手を警戒。移設予定地近くで座り込みを続ける名護市の写真家、山本英夫さん(62)は「政府の横暴は許せない。海は国のものではなく、万民のものだ」と訴える。


 例えば、死に損ないの爺婆が出てきたらどうするのだろうか。実際に、04年の調査工事では高齢の婆が出てきた。祝島の反原発運動でも爺婆が出てきている。若い活動家には海保も警察も、警備会社も強くでることもできるだろう。だが、覚悟を決めた死に損ないの爺婆が出てきて、しかも泳いで進入しようとするものを強引に逮捕するようなやり方をすれば、収拾はつかなくなる。

 実工程での着工日には、おそらく反対派の進入はシャットアウトできるだろう。だが、そこからは消耗戦である。そしてそれからは、興味本位もあるので取り締まりはニュースになる。

 一度、そういうニュースが出た場合には、反対派への同情が集まる上に、強引なやり方への反発も強まる。どうみても、工事推進の難度はあがるし、反対派の勢いも強くなる。
 なんせ、名護市長からして辺野古埋立反対派であり、何があってもやらせないとも言っている。反対派への追い風があれば、市長や議員がでての国道シャットアウト位はやるだろう。政治的にも反対運動をやればやるほどパワーアップする。日華事変の蒋介石のようなものだ。

 そうなると、二進も三進もいかなくなる。なんせ、今やろうとしているのは、現状把握や設計を行う調査工事に過ぎない。仮に工期半年の調査工事を最後まで完遂できても、そこから先の本工事はさらに長い時間がかかる。その消耗戦に防衛は耐えられるかどうかは怪しい。

 本来ならば、通常のやり方のほうがよかったのではないか。反対運動との折り合いをつけながら調査工事を進め、できなかった海底地質調査については、別の場所での調査データや陸上部分でのボーリングその他で代用して、調査検討委員会あたりに掛けて設計と工法の妥当性についての確認を受けたほうが、調査工事段階としてはてっとり早い。

 だが、今の政治情勢では、それは得ではない。現政権下では、反対派との折り合いは、政治家や防衛省や役人の利益にならない。むしろ「反対派との対決が政治の望むことであり、得点となる」と防衛省の役人が見て、反対派をねじ伏せることを目的としたやり方を採用したのではないかね。



※   「辺野古24時間厳戒 桟橋を新設 警備船多数」『沖縄タイムス』(沖縄タイムス,2014.7.18)http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=77027

※※  「辺野古、高まる緊張 沖縄防衛局、近く海底調査 」『日本経済新聞』(日本経済新聞,2014.7.13)http://www.nikkei.com/article/DGXNASJC1200I_S4A710C1ACY000/

※※※ 普天間/辺野古には、そこまでの価値もないのだけどね。結局は海兵隊の都合であって、嘉手納があれば日米にとっては是非にどうこうしなければならないことでもない。それに政治的なパワーを吸い込まれるのは、まあムダだねえ。

Comment

非公開コメント

逆でしょう。

使える法なら暴力行為取締法や不法侵入でも使ってブチ込む。
死に損ない?反対派は特攻隊を使ったのですか。非道ですね。

長期戦も反対派には不利。

パワーアップした反対派は先鋭化し、支持を失い、孤立する。
古くは全共闘~連合赤軍、成田の過激派から、今ではしばき隊C.R.A.Cがそう。

てゆうかなぜそこまで戦後レジュームに入れ込むの?

No title

アレゲな首相あたりも「反対派を暴力でぶん殴れば支持率が上がる」と計算してるんとちがうか。辺野古の事業が進捗するかどうかなんてどうでもいい

No title

民間パイロットが不足していると言われている現在ですが、下地島はどうなっているんでしょうか。

http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/doboku/kuko-shimoji/26387.html

嘉手納と手狭な那覇だけでは不安ではあります。普天間は住宅地に囲まれていますし、辺野古に移転するとしても滑走路長は短くなります。

反対派

反対派のお年寄りがどの位いて、どの位の意思で反対しているのかわかりませんが…三里塚闘争みたいにお年寄りの決死隊が出る事があっても、本土では「お年寄りを楯にして酷い!」と冷淡な扱いでしょう。
集団的自衛権反対でガソリンかぶって自殺をはかっても、マスコミは「自殺報道に対する対応」で扱いは小さいです。
もし、沖縄の抗議行動でそんな事があったら「周りの人は何故止めなかったのか!」と、返って反発も強くなるかもしれません。(´・ω・`)

例えを変えると

爺婆は死んでやむなしとしても、仮に治安出動で自衛隊が国民に銃を向けるとしたら、それでも辺野古移転に参戦するかということですわ。極論すればね。
その辺を日本人同士の対立に矮小化してる人もいるけど、本質は国益の問題で、そこまでしても守るべき利益が国としてあるかということです。

海兵隊についていえば、日本の防衛としては必要性は少ない。着上陸が考えられない以上、それを奪還するための戦力を維持するのはコストを食うだけ。
朝鮮半島、台湾有事だと多少使い道はあるかもしれないけど、基本的に制海権が取れなければ戦力投入も出来ないわけで、優先順位としては低い。

その辺をわかっていて、なおかつ日本と米国との力関係を踏まえれば、のらりくらりで行くしかないという結論になると思いますよ。
ロードマップも完成については日本側の努力によるとして、わざと逃げ道のある条約にしてるくらいですから。

Re: 例えを変えると

これが嘉手納ならばともかく。
あってもなくてもどうでもいい普天間と移転先の辺野古だけでここまでやるのは割が合わないのですよ。

結局は、海兵隊という尻尾がその都合で日米政府を振り回しているわけで
普天間は日本の安全保障上で必須のものでもないし、それを解決するために、沖縄の県民感情を逆なでして
無理に辺野古に基地を作るのは間尺に合わないと思うのですけどねえ

まあ、嘉手納統合が一番楽な方法ですけど、米空軍は「海兵隊と一緒は勘弁してくれ」ですから。海兵隊はそういう立場なんですよ

No title

安保反対運動に自衛隊を突っ込ませようとした岸信介の真似ですかね。
しかし「在日米軍のために自衛隊に沖縄県民を排除させる」ってやな構図すな。

辺野古ブイ設置、首相「急いでやれ」 防衛省幹部を叱責
2014年7月19日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-228747-storytopic-3.html

>関係者によると、安倍首相は今月上旬、官邸の執務室に防衛省幹部を呼び、移設作業の進捗(しんちょく)について報告を受けた際、「なぜ作業が遅れている。さっさとやれ」などとブイ設置や海底調査開始の遅れについて声を荒らげて叱責(しっせき)。机をたたくなどしてまくし立てたという。

No title

反対派が先鋭化して支持を失うと考えている人は、
ちょっとネトウヨ脳を覚ましたほうがいいですね。
先鋭化するとしたら、あらゆる合法的抵抗手段が
数の暴力によって押し切られている現実が進行中だからです。
沖縄県民はそれを肌で知っていますし、
この問題を注視している人はその過程も見ています。
反対派がよほど卑劣な手段でも使わないかぎり運動を見放すことはないでしょうし、運動を見放したからといって政府の味方にはなりません。
そもそも政府に抵抗する奴らはけしからん!という心理は右派特有のものですよ。
私の知る限り沖縄県民は総じて反対派に同情的です。
この件は強行すると成田以上の事態になるでしょうね。
なぜなら"民族対立"の側面があるからです。

県民感情とやらも、
本土からの中、Z、民、それに沖教組と自治労沖縄、彼等が牛耳る沖縄マスコミが形成してるんでしょ?

戦後レジュームに夢持ちすぎでは?

No title

>県民感情とやらも、
>本土からの中、Z、民、それに沖教組と自治労沖縄、彼等が牛耳る沖縄マスコミが形成してるんでしょ?

「本土からやってきた」のは基地賛成県内移設万歳派だよ。
そういう活動やってるのは、幸福の科学信者や在特会や素手で便所掃除カルトぐらいしかいないのが現状。

アレ総理、相当イラついているご様子

辺野古ブイ設置:首相「急いでやれ」 防衛省幹部を叱責
http://sp.mainichi.jp/area/okinawa/news/20140719rky00m010005000c.html

>>関係者によると、安倍首相は今月上旬、官邸の執務室に防衛省幹部を呼び、移設作業の進捗(しんちょく)について報告を受けた際、「なぜ作業が遅れている。さっさとやれ」などとブイ設置や海底調査開始の遅れについて声を荒らげて叱責(しっせき)。机をたたくなどしてまくし立てたという。

>>首相は移設問題についてこれまで「地元に丁寧に説明し、理解を求めながら進める」と繰り返しているが、地元名護市が移設に反対する中での作業の強行に自身も深く関与していたことが明らかになった形だ。

>>防衛省は首相の指示を受け、ブイの設置作業を7月上旬に開始する方向で検討したが、その直後に沖縄地方などを襲った台風8号の影響などもあり、遅れたという。

台風の影響なら仕方ないのに(´・ω・`)

部下のやる気をそぐダメ上司ですな、こりゃ(´・ω・`)

大島様へ

>>「本土からやってきた」のは基地賛成県内移設万歳派だよ。
>>そういう活動やってるのは、幸福の科学信者や在特会や素手で便所掃除カルトぐらいしかいないのが現状。

やや日刊カルト新聞: 霞ヶ関・2800人“保守系デモ”と幸福の科学の関係http://dailycult.blogspot.jp/2010/05/2800.html

左翼を身体障害者呼ばわり(*_*;

こんな連中に応援されては米海兵隊も有難迷惑でしょうな(-_-;)

鳴り物入りのオスプレイも

普天間の米軍オスプレイ、佐賀空港へ移転要請 安倍政権

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11259418.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11259418

結局、殴り込み部隊とか言っても、空軍、海軍のように平時から敵と対峙してはいないので、沖縄から引っ込めても問題ないのです。ということを、日本側も認識している。
だから、海兵隊=抑止力だと念仏みたいに唱える人はどうもね。