- 2024 . 11 «
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
- 6
- 7
- 8
- 9
- 10
- 11
- 12
- 13
- 14
- 15
- 16
- 17
- 18
- 19
- 20
- 21
- 22
- 23
- 24
- 25
- 26
- 27
- 28
- 29
- 30
- 31
- » 2025 . 01
Category : 未分類
防衛省が22LRについて入札掛けている話だが、エレー社に限定し、高級品のテネックスにする必要はない。これは、下手をすると事故、国損になるのではないか。
■ 入札の概要
防衛省装備施設本部が、競技用ライフル弾Rの入札の再公告を掛けている。「中央調達に係わる公告」のうち「5.6mm普通弾、ロングライフル、エレイテネックス」がそれだ。
具体的には50m競技射撃に使用する22LR弾薬として、英エレー社が作っている最高級試合用弾薬、テネックスを購入するというものであり、規模は26万2000発となっている。
(エレー以外にもメーカーはあるし、練習用でも充分:写真は練習用弾薬)
だが、「エレイテネックス」は一般競争入札の品目として妥当ではない。これは商標を限定する指示である。また、過剰な品質を要求するものであり、必要な品質についての検討を欠いているのではないかと疑われるものであるからだ。
■ 商標名指定はおかしい
まず、エレー社を指定する必要はない。22LRは100年も前に出来た規格であり、互換性があるため、どこのメーカーの弾でも装填し発射することができる。高品質な競技用弾薬が必要でも、RWS社もラプア社も存在している。その中で、エレー社に限定する必要はどこにもない。
他の製品で例えれば、汎用品の消耗品に、商品名とグレードを書いてしまうようなものだ。シャーペンの芯の調達なら「シャープペンシル芯 0.5mm 黒 HB」と書くべきところを、「パイロットアイン0.5ミリ替芯HB」と書く。あるいはカメラにつかうSDメモリの調達なら、本来なら、会社指定はせずにや「SDXCメモリ 32GB クラス10以上」と書くべきものを、「東芝 EXCERIA UHS-II SDHC/SDXC32GB」と書くようなものだ。
■ 品質の検討や、商標でのグレードでの表現もおかしい
そもそも、過剰品質である。まずは装備施設本部がテネックスを必要とする理由もない。テネックスは競技用銃のしかも試合用である。50m先の5円玉の穴をかすらせる競技用の弾薬であるが、オリンピック選手でもなければ、練習用(エレーなら「スポーツ」)でも試合用でも変わらない。
装備施設本部ではなく、体育学校が買うのなら理解できないこともない。
だが、それにしてもグレードの説明としてマズイ。本来なら「ISSF50m射撃的に対してベンチレスト射撃60発で試験を行い、試射後60発が10点圏に集弾し、57発がX点を超えるグレードであり、同一ロットであること」と書くべきである。テネックスの実精度は知らないが、試合用弾薬ならこの程度はでなければならない。
■ 国損ではないか
実際に、商標や精度への検証なしに、最高級品室の弾薬を要求する調達は、ムダに高価格の弾薬を買うことにならないだろうか。
納入数は26万2000発とされている。エレーのテネックスの国内価格はエニスで56円、値上げ前の銀銃で47円する。北米でも40円はする。落札価格が50円とみても1300万円かかることになる。対して、品質を練習用のエレースポーツ、RWSターゲットライフルにすれば国内価格20円、北米では10円以下になる。国内にはないが、世界には5円程度の練習用弾薬もある。まずは半額以下になるということだ。
装備施設本部の22LR購入も、話がよく分かっていない担当者が調達を起こしたものではないか。従前の通り、競技銃屋の言うとおりに調達を起こしたのだろうが、競技銃屋も調達はよくわからない。それをそのまま鵜呑みすると、国損になるのではないのかね。
※ 「武弾-11 5.6mm普通弾、ロングライフル、エレイテネックス」『中央調達に係わる公告』(防衛省装備施設本部)http://www.epco.mod.go.jp/kokok/17-11/announcement20140703103644.pdf
※※ 写真は、手元にある練習用グレード。左のダイナマイトノーベル系、RWSが好きだったが、アベノミクスとやらで1発24円に値上げされ、右側の20円のエレースポーツにした。ケースがやや使いにくい。
■ 入札の概要
防衛省装備施設本部が、競技用ライフル弾Rの入札の再公告を掛けている。「中央調達に係わる公告」のうち「5.6mm普通弾、ロングライフル、エレイテネックス」がそれだ。
具体的には50m競技射撃に使用する22LR弾薬として、英エレー社が作っている最高級試合用弾薬、テネックスを購入するというものであり、規模は26万2000発となっている。
(エレー以外にもメーカーはあるし、練習用でも充分:写真は練習用弾薬)
だが、「エレイテネックス」は一般競争入札の品目として妥当ではない。これは商標を限定する指示である。また、過剰な品質を要求するものであり、必要な品質についての検討を欠いているのではないかと疑われるものであるからだ。
■ 商標名指定はおかしい
まず、エレー社を指定する必要はない。22LRは100年も前に出来た規格であり、互換性があるため、どこのメーカーの弾でも装填し発射することができる。高品質な競技用弾薬が必要でも、RWS社もラプア社も存在している。その中で、エレー社に限定する必要はどこにもない。
他の製品で例えれば、汎用品の消耗品に、商品名とグレードを書いてしまうようなものだ。シャーペンの芯の調達なら「シャープペンシル芯 0.5mm 黒 HB」と書くべきところを、「パイロットアイン0.5ミリ替芯HB」と書く。あるいはカメラにつかうSDメモリの調達なら、本来なら、会社指定はせずにや「SDXCメモリ 32GB クラス10以上」と書くべきものを、「東芝 EXCERIA UHS-II SDHC/SDXC32GB」と書くようなものだ。
■ 品質の検討や、商標でのグレードでの表現もおかしい
そもそも、過剰品質である。まずは装備施設本部がテネックスを必要とする理由もない。テネックスは競技用銃のしかも試合用である。50m先の5円玉の穴をかすらせる競技用の弾薬であるが、オリンピック選手でもなければ、練習用(エレーなら「スポーツ」)でも試合用でも変わらない。
装備施設本部ではなく、体育学校が買うのなら理解できないこともない。
だが、それにしてもグレードの説明としてマズイ。本来なら「ISSF50m射撃的に対してベンチレスト射撃60発で試験を行い、試射後60発が10点圏に集弾し、57発がX点を超えるグレードであり、同一ロットであること」と書くべきである。テネックスの実精度は知らないが、試合用弾薬ならこの程度はでなければならない。
■ 国損ではないか
実際に、商標や精度への検証なしに、最高級品室の弾薬を要求する調達は、ムダに高価格の弾薬を買うことにならないだろうか。
納入数は26万2000発とされている。エレーのテネックスの国内価格はエニスで56円、値上げ前の銀銃で47円する。北米でも40円はする。落札価格が50円とみても1300万円かかることになる。対して、品質を練習用のエレースポーツ、RWSターゲットライフルにすれば国内価格20円、北米では10円以下になる。国内にはないが、世界には5円程度の練習用弾薬もある。まずは半額以下になるということだ。
装備施設本部の22LR購入も、話がよく分かっていない担当者が調達を起こしたものではないか。従前の通り、競技銃屋の言うとおりに調達を起こしたのだろうが、競技銃屋も調達はよくわからない。それをそのまま鵜呑みすると、国損になるのではないのかね。
※ 「武弾-11 5.6mm普通弾、ロングライフル、エレイテネックス」『中央調達に係わる公告』(防衛省装備施設本部)http://www.epco.mod.go.jp/kokok/17-11/announcement20140703103644.pdf
※※ 写真は、手元にある練習用グレード。左のダイナマイトノーベル系、RWSが好きだったが、アベノミクスとやらで1発24円に値上げされ、右側の20円のエレースポーツにした。ケースがやや使いにくい。
Trackback
Comment
12:24
URL
編集
ここが一番吹いた
No title
08:12
URL
編集
今年の中央調達はエレイ・テネックスとエレイ・マッチOSPだけですけどね
射撃競技用弾薬(エレイ)
ttp://www.mod.go.jp/gsdf/chotatsu/document/pdf/03-GAM-Y708105.pdf
射撃競技用弾薬(ラプア)
ttp://www.mod.go.jp/gsdf/chotatsu/document/pdf/02-GAM-Y708104B.pdf
18:28
石井直彦
URL
編集