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- » 2011 . 04
Category : エネルギー
電力に関しては、夏や冬に向けた電力供給力回復が焦点になる。だが、短期間で東電の送電能力を劇的に強化することはできない。
原子力の発電所の再起動は、相当難しい。今回停止した福島第二原発、4基440万kwの再起動には、時間的な問題に加えて、政治的な問題がつきまとう。福島県は当然渋る。福島県には再起動を拒むだけの正当な理由もある。東電が、あるいは政府がどこまで押せるのかといった、県との綱引きが必要になる。東電や政府には「国民生活」という錦の御旗があり、また「福島の事情はわかる、しかし…」という世論の後押しもあっても楽観視できない。
火力発電に関しても、できることは限定される。停止した火力発電所を起動する程度である。本格的な火力発電所の増設は間に合わない。火力発電所を新設するには2~3年はかかる。手軽な火力発電である、ガスタービン導入も短期間では準備はできない。粉炭や貧ガスからマーガリンまで燃やせるような陸上発電用のヘビー・デューティ・ガスタービン製造はリードタイムが長すぎる。
汎用ガスタービンを集めても、発電規模は限定される。もともと汎用ガスタービンは自家発電用程度に使うものである。出力は不足している。艦艇用(航空転用型)のLM2500でも2万5000馬力(1万8000kw)である。発電効率を加味するとガスタービン1基で1万kwは発電できず、7000~8000kwがいいところである。発電所の体裁を整えるには、50基100基のガスタービンを必要とする。短期間にどれだけのガスタービンを準備できるのかという問題に行き当たる。
電力輸入も短期間では不可能である。ロシアや韓国から電力を輸入するとしても、海底送電線他を準備する時間は短くない。ロシアからとなると、長距離送電のため超高圧直流送電となるが、直流から交流に戻す変電設備も簡単には作れるものではない。
短期間で可能なのは、小規模発電の強化しかない。短期間の小規模発電強化では、夏や冬の電力不足を解決することはできない。だが、問題を緩和することはできる。
企業が保有している自家発電機を日中常時運転することはできる。その企業の負荷を東電から切り離せば、その分、需要は減る。問題は、燃料が続かないことだが、タンク容積の増加や、境界との距離や消火能力、仮設上屋や防油堤築造を条件にの下にドラム缶で集積させてもよい。
自家発電機を増産・緊急輸入してもよい。東電送電網に連結することは割が合わず、本格的な自家発電機は家庭の手には余る。しかし、企業であれば活用はできる。部分的でも負荷を減らせば、需要を減らすことができる。企業に積極的に使わせるには、発電機やA重油への助成をすればよい。
太陽光発電も増産や緊急輸入できる。日差しに応じた発電能力となるので、夏の冷房需要を緩和する有効な手段となる。直流から交流に変える必要があるが、各家庭で使う分には、それほどの問題とはならない。外国製が電圧や周波数に難があっても、問題にはならない。家庭用の電機は、洗濯機も空調も50/60hzは兼用である。電子機器は、整流し、電圧安定化を行うので全く問題とならない。
風力発電も、単独運転であれば比較的短いスパンで建設できる。欧州から回してもらえば、晩夏には間に合う。冬までには十分設置できる。単独ではあまりあてにはならないにせよ、計画停電を甘受するよりはマシと考える企業も出てくる。
いずれにせよ東電は悪い話である。企業や家庭での発電は、東電にとっての市場喪失を意味する。経営的な判断として、早期の回復が可能であると謳うだろう。しかし、実態として電力不足を解決するほどの手段もない。原発の再起動は相当に難しい。火力発電所の新設も時間を要する。できることは小規模発電の強化による問題の緩和しかないのである。
原子力の発電所の再起動は、相当難しい。今回停止した福島第二原発、4基440万kwの再起動には、時間的な問題に加えて、政治的な問題がつきまとう。福島県は当然渋る。福島県には再起動を拒むだけの正当な理由もある。東電が、あるいは政府がどこまで押せるのかといった、県との綱引きが必要になる。東電や政府には「国民生活」という錦の御旗があり、また「福島の事情はわかる、しかし…」という世論の後押しもあっても楽観視できない。
火力発電に関しても、できることは限定される。停止した火力発電所を起動する程度である。本格的な火力発電所の増設は間に合わない。火力発電所を新設するには2~3年はかかる。手軽な火力発電である、ガスタービン導入も短期間では準備はできない。粉炭や貧ガスからマーガリンまで燃やせるような陸上発電用のヘビー・デューティ・ガスタービン製造はリードタイムが長すぎる。
汎用ガスタービンを集めても、発電規模は限定される。もともと汎用ガスタービンは自家発電用程度に使うものである。出力は不足している。艦艇用(航空転用型)のLM2500でも2万5000馬力(1万8000kw)である。発電効率を加味するとガスタービン1基で1万kwは発電できず、7000~8000kwがいいところである。発電所の体裁を整えるには、50基100基のガスタービンを必要とする。短期間にどれだけのガスタービンを準備できるのかという問題に行き当たる。
電力輸入も短期間では不可能である。ロシアや韓国から電力を輸入するとしても、海底送電線他を準備する時間は短くない。ロシアからとなると、長距離送電のため超高圧直流送電となるが、直流から交流に戻す変電設備も簡単には作れるものではない。
短期間で可能なのは、小規模発電の強化しかない。短期間の小規模発電強化では、夏や冬の電力不足を解決することはできない。だが、問題を緩和することはできる。
企業が保有している自家発電機を日中常時運転することはできる。その企業の負荷を東電から切り離せば、その分、需要は減る。問題は、燃料が続かないことだが、タンク容積の増加や、境界との距離や消火能力、仮設上屋や防油堤築造を条件にの下にドラム缶で集積させてもよい。
自家発電機を増産・緊急輸入してもよい。東電送電網に連結することは割が合わず、本格的な自家発電機は家庭の手には余る。しかし、企業であれば活用はできる。部分的でも負荷を減らせば、需要を減らすことができる。企業に積極的に使わせるには、発電機やA重油への助成をすればよい。
太陽光発電も増産や緊急輸入できる。日差しに応じた発電能力となるので、夏の冷房需要を緩和する有効な手段となる。直流から交流に変える必要があるが、各家庭で使う分には、それほどの問題とはならない。外国製が電圧や周波数に難があっても、問題にはならない。家庭用の電機は、洗濯機も空調も50/60hzは兼用である。電子機器は、整流し、電圧安定化を行うので全く問題とならない。
風力発電も、単独運転であれば比較的短いスパンで建設できる。欧州から回してもらえば、晩夏には間に合う。冬までには十分設置できる。単独ではあまりあてにはならないにせよ、計画停電を甘受するよりはマシと考える企業も出てくる。
いずれにせよ東電は悪い話である。企業や家庭での発電は、東電にとっての市場喪失を意味する。経営的な判断として、早期の回復が可能であると謳うだろう。しかし、実態として電力不足を解決するほどの手段もない。原発の再起動は相当に難しい。火力発電所の新設も時間を要する。できることは小規模発電の強化による問題の緩和しかないのである。