村野瀬玲奈の秘書課広報室

２年前に廃案となった入管法改悪案が再提出されました。
これは国連の自由権規約委員会の処遇改善勧告を無視し、難民申請中の母国送還を可能とする改悪案であり断固反対です。
ウィシュマ・サンダマリさんを死なせた反人道的な日本の入管法。
改悪案はさらに差別・排外主義を強めるものです。
私は差別・排外主義ではなくて共生を望みます。
それが人の道というものです。

　アムネスティ調査員の山口かおるさんの報告を紹介します。

　2022年10月後半から11月中旬まで元被収容者・現被収容者30人ほどにインタビューをしました、2022年10月末時点での被収容者は男性239人，女性24人の合計263人でした。牛久と大村は男性だけを収容する施設です。長期収容目的の施設では物の差し入れは可能ですが，短期目的のところは必要なものは自分で買わなければいけません。短期目的の施設の運動場はかなり狭いです。

　収容期間の上限が定められていないことから，無制限の長期収容が常態化しています。ある施設で3年，次で3年のトータル6年間収容されても記録上は3年になってしまいます。来日して10年，そのうち収容が6年目，7年目というのは珍しくありません。遠くの施設に移され，家族と面会できなくなる例もあります。
　入管庁はなぜ長期収容が起きるのか，①難民認定の手続中である，②相手国から受け入れを拒否された，③送還しようとすると飛行機の中で抵抗するので航空会社から搭乗を拒否された，との回答でした。

　部屋は4～6人収容できるものの，現在は感染症対策で1部屋に1～3人が収容されています。部屋には鍵がかけられていて自分で開け閉めはできません。朝の9時半に自動で鍵が開けれられ点呼の後12時までは自由時間です。昼食事は部屋に戻って鍵がかけられた中で食事をとります。13時から16時半までは自由時間でその後は鍵がかかった部屋で過ごします。
　昔は給食センターがあったのですが，今はコンビニで売っているうような弁当。朝はパンで栄養バランスは考えられていません。
　収容されている人たちはいつ出られるのかわからず精神的に追い詰められている人もいます。収容前は元気だったのに出てくるときは病気になっていた。30～40代の働き盛りで解体現場で働いてきた男性が収容後，原因不明の内臓疾患やうつ病など，なんらかの病気になりました。睡眠薬や精神安定剤を手放せず運動する気もなれず，1年で20キロ太った人もいます。
　入管でも自殺したい人が多いのを知っています。そのためひもの差し入れはダメ，焼きのりのダメです。パックに入っている乾燥剤を飲み込んで死のうとする人がいるからです。洗濯用に販売されている洗剤を飲んで死のうとする人も少なくないそいうです。
　牛久と大村は施設が古く冬は寒く，ムカデやゴキブリも出ます。シャワー室を使える時間も決められているので，イスラム教徒の人は身体を清めてから行うお祈りができません。ラマダンのときは長い時間お祈りするので，点呼で中断されてします。

　聞き取りした人は口々に「Torture」（拷問）だと言っています。懲罰房である「保護室」もあります。自殺しないように24時間監視され，トイレで用を足したらそのしぶきが寝床に飛ぶぐらい部屋が狭い。トイレットペーパーは備え付けておらず，いちいち職員を呼ばなくてはならない。食事も自殺防止のためにやわらかいトレイにぐちゃぐちゃになって出される。
　外部の病院へに行き帰りや空港などでは，移動の時に手錠をかけられて腰縄をつけられます。

　以上で引用を終わります。弁護側と検察側が論争し，司法によって正式に処分を下されたわけではないのに刑務所なみの処遇になっています。そして被収容者は人間扱いされていません。これではウィシュマさんが命を落としてしまった，殺されたのも当然でしょう。

　維新の梅村みずほ参議院議員は，ウィシュマさんの死亡に関して，「よかれと思った支援者の一言」が「『病気になれば仮釈放してもらえる』という淡い期待を抱かせ，医師から詐病の可能性を指摘される状況へつながった」などと言い出しました。ハンガーストライキの手段に出て詐病により仮釈放をねらったといのです。ウィシュマさんと遺族への暴言です。ヤフコメを見ると，梅村みずほを擁護する発言ばかり。まるで2ちゃんねるのようです。国連の報告者が何度指摘しても直せないのは，こういった人権軽視・アジア人蔑視の日本国民がいるからでしょう。こんな議員が出てくるのは，そういった地盤があるということです。