村野瀬玲奈の秘書課広報室

東京都議選の結果が出ました。自民党の惨敗、民主党の圧勝です。

なお、『「七生養護学校・障碍児性教育」裁判をめぐる読売と産経の社説は報道機関失格』で「政治家失格」と判定した三人の議員ですが、土屋たかゆき氏（民主党、板橋区）、古賀俊昭氏（自民党、日野市）が当選してしまいました。たいへんに残念です。（残る一人、田代ひろし氏（自民党、世田谷区）は結局落選です。）

さて、この結果をふまえて、衆院選に向けてどう考えるか問う時期になりました。

まず、こんな考え方を知ってみましょう。

●労働組合ってなにするところ？
戦略的投票行動の落とし穴……重複立候補制度
http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10297472237.html

来るべき総選挙に向けて、私たち有権者がどのような選択をするべきなのか、様々な場で論じられています。

その中で、「政権交代のためには小選挙区では民主党候補に投票を集中し、比例は好きな政党に投票するという、合理的な戦略的投票行動をすべきだ」という主張があります。

私は、小選挙区こそ、それぞれの候補の主張を聴いて、自分の考えと最も合致する候補者に投票すべきであり、それを合理的でないからといって一つの方向に誘導しようとするのは民主主義の否定だと考えていますので、そもそもそういった主張には反対でした。

そして、もう一つそういった主張に反対すべき根拠を知りましたのでお伝えしたいと思います。それは、「戦略的投票行動を選択すると、小政党の候補者は比例区でも落選する恐れがある」ということです。

詳しくお話ししますと、それは衆議院選挙だけに認められている「重複立候補制度」によるものです。

衆議院選挙は小選挙区比例代表並立制を採っており、小選挙区と比例代表にそれぞれ候補者を立てますが、所属政党が許可すれば一人の候補者が小選挙区と比例代表に重複して立候補することができます。そうしますと、小選挙区で落選しても比例代表として当選する候補者が出てくることになり、中には小選挙区において供託金没収点（有効投票数の１０分の１）未満の得票であっても当選してしまう候補者が現れました。よって、２０００年６月の衆議院選挙からは、供託金没収点未満の得票だった候補者は、比例代表になっていても当選できない制度となりました。

詳しくは、下記ＵＲＬを参照してください。

Ｗｉｋｉｐｅｄｉａ　　重複立候補制度　　最終更新　２００９年６月２２日１１：２３
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94%E4%BE%8B%E5%BE%A9%E6%B4%BB

つまり、「戦略的投票行動」に納得してしまった小政党の支持者が、みな小選挙区で本当に支持している候補者に投票せず、比例代表だけ支持している政党に投票した場合、その候補者は供託金没収点未満の得票となってしまい、せっかく比例代表で支持政党に投票してもその候補者は落選してしまうのです。

比例代表には重複立候補者以外も立候補するでしょうから、その政党の議席数そのものには影響がないかもしれません。ですが、自分が支持し、是非国政に送り出したいと考える候補者を落選させてしまう恐れがあるのが「戦略的投票行動」です。

候補者の中の誰を支持するか、はっきり意志が固まっているという方は、「戦略的投票行動」が合理的であるとか、正しいとかいった言葉に惑わされる必要はありません。自分の投票行動を後悔しないよう、きちんと支持する候補者に投票してください。

（引用ここまで）

重複立候補と比例復活当選ラインという「制度」の是非について、ここでは深く論ずることはしません。ただ、「戦略的投票行動」は有力な一つの考え方であるけれど、それがすべてではなく、小政党の支持者が小選挙区も比例区も自分の支持する小政党に投票することには現行の複雑な選挙制度のもとでは十分な理由があるということをまず覚えておきましょう。

私は前の記事で、次のように書きました。

『国政で政権交代を望む人が自民党的なものの退場を願いながらも現実の議席構成を考えると、「小選挙区は、自民党的な人物でないことを条件に民主党候補に。比例区は、それぞれの政治信条にしたがって、自公民以外の政党の候補、つまり共産党、社民党、国民新党、新党日本に。」というのが一つの有力な方法になります』と。

その一方で、（定数1の選挙区を除けば）中選挙区制になぞらえられる都議選については次のように書きました。

『自民党的なものの退場を真に願うのであれば、共産党、社民党、東京都のローカル政治勢力である生活者ネットワークの候補者、非自民非民主系で見識のある無所属候補（もしいれば）に投票するのがベストであると考えます。民主党系の候補に投票する必要はないのです』と。

来るべき衆院選で自民党的なものの退場を真に願う人がどう投票すべきかは悩ましいところです。でも、都議選の段階で民主党にすでにこれだけある勢いを見て、上に引用した「労働組合ってなにするところ？」の記事から考えたら、今回の衆院選では、比例区はもちろんのこと、小選挙区も民主党に投票する必要はないと私は考えるようになっています。都議選の民主党はある意味勝ち過ぎです。土屋たかゆき氏という困った人まで当選してしまうくらいですから。

ただ、衆院選で絶対民主党に投票してはいけない、ということでもありません。民主党の中にもよい候補はいますから。たとえば、個人的な意見では、山口4区から立候補するとくらたかこ（戸倉多香子）さんは、絶対に落としたくない民主党候補の一人です。

しかし、衆院選で政権交代を望むなら、一般的に言って、第三極として共産党、社民党、国民新党、新党日本の候補者、非自民非民主系で見識のある無所属候補（もしいれば）に投票するのがベストだと思います。もちろん、どこの所属であれ、とんでもない候補には投票しないことは当然ですけど。

では、民主党への期待や注文はどのように表現すればよいか？選挙で民主党に投票しなくても、民主党への期待や注文を表明することは可能です。有権者・納税者と民主政治のための行動をとっているのかどうか、選挙後も個別の案件ごとに厳しくチェックして、投票のつもりで民主党と民主党の各国会議員に定期的に意見していけばよいからです。

ということで、衆院選での票は小選挙区も比例区も各々の信条に従って共産党や社民党や国民新党に。そして、選挙が終わって議席が確定したら、投票ではなくて「投書」を民主党に出すことがベストだと思います。

折りしも、小泉純一郎王国（？）の横須賀市長選の結果では、自公民の推した候補が若い無所属候補に敗れています。無所属や小政党でも票を集めることは不可能ではないと思いました。

●東京新聞　TOKYO Web
政党候補にノー　　横須賀市長選　自・民ともに不安残す
2009年6月29日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009062902000075.html

　二十八日の神奈川県横須賀市長選で、自民、公明、民主各党の大半の支援を受けた現職候補が、無所属新人に敗れた。名古屋、さいたま、千葉などの大都市の市長選で連敗が続く自民党はもちろん、政権交代を目指す民主党にも不安を残す結果となった。

　自民党は横須賀市長選では正式に推薦、支持は出していないが同市を選挙区とする小泉純一郎元首相を含め大半が現職を支持した。選挙結果は自民党にとって紛れもない敗北だ。衆院選の前哨戦と言われる七月五日の静岡県知事選、十二日の東京都議選が控えているだけに、深刻な結果と言わざるを得ない。

　一方の民主党。自民、公明の基礎票に、民主党支持層が乗れば現職は大勝できたはずだが、そうならなかった。

　この現実は、名古屋、さいたま、千葉での大量得票は「非自民」という消極的支持にすぎず、民主党への積極的支持ではなかったことを示している。この傾向は、他の自治体でも出ている。二十一日の千葉県船橋市長選で、同党は、自民、公明とともに現職を推したが、無所属新人候補に約四千六百票差まで迫られた。

　衆院選に向け、随所から非自民の受け皿として第三極を目指す動きが出始めている。民主党は、有権者の緩やかな支持を、積極的支持に固めないと、非自民の受け皿の地位を第三極に奪われかねない。　（衆院選取材班）

（引用ここまで）

民主党はここから重大な教訓をくみとることができ、有権者は民主党だけが自公政治を軌道修正するための受け皿ではないと勇気をもって確信することができるのではないでしょうか。小政党も大政党の陰に埋もれないように活躍してほしいです。

もう一度。衆院選での票は各々の信条に従って共産党や社民党や国民新党や新党日本に。「投票」ではなくて選挙後の『投書』は民主党と民主党議員に集中させることがベストだと思います。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2009-07-11　転載： これが日本環境学会への、お東京都様からの臆面もない回答文書（豊洲新市場土壌サンプル廃棄）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10297435360.html

■2009-07-11　警察署（警視庁管轄）による築地移転反対宣伝カーの巡回弾圧！（明日は都議選！！）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10297863547.html

■2009-07-12　東京オリンピック招致の恐るべきカンチガイ（あるいは本音丸出し）キャンペーン広告
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10297569726.html

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人気blogランキング（政治部門）（←よかったら押してね）に参加しながら自公チュー政治に「ノー」を言った後、「その代わりに望む政策をどしどし民主党に伝えよう」ミニキャンペーン中で、そこに存在する転がるひよこ豆を食べてクリーム入りの午後のコーヒーを飲みながら、消費税と社会保障と国家予算についての知られざる真実を大脇道場で学んで、多世代交流のブログ広場の中にある世界の片隅で税制についてのニュースを読んで、労働組合ってなにするところかとか、どうしたらみんななかよく多文化・多民族・多国籍社会で「人として」情報流通を促進できるかとか言ノ葉工房の浮游空間で思考して、壊れる前に人生を美しくしたくてフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブに日本民主化の思いを書き綴りながら、とりあえずアブナイ日本で福田衣里子さんや保坂展人さんや志位和夫さんや糸数けいこさんや戸倉多香子さんたちの活躍を祈る、一寸の虫にも五分の魂のサイバー政治団体秘書です。
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●News for the people in Japan　マス・メディア 問い合わせ用　リンク集
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