爛熟期のバロン


爛熟期のバロン
 
 

エヴォリューショントイのダイナマイトアクションシリーズからレッドバロンが発売されました。
ダイナマイトアクションは合金玩具ではありませんが、関節部に磁石と鉄球が使用されているので適度な重量感があり、合金ものに近い満足感が得られます。
 
 

手元のバロンたちと記念撮影。後列はサイボーグ変身セットとブルマァクのソフト人形(胸部破損あり)。
手前向かって右はマックスファクトリー製、左は以前取り上げたマルイのプラモデルです。
 
ポピーが超合金マジンガーZを発売したのは1974年2月ですが、レッドバロンは翌3月に放送終了しており本格的な合金玩具は発売されませんでした。
そのため「レッドバロンの合金可動玩具」は当時以来ずっと「あったらいいな」という想像上の存在であり、それを実現してくれたダイナマイトアクションの発売はうれしく思います。
 

 

 
2000年代以降、レッドバロンと同様に「放送当時には無かったけれど、あったらいいな」と考えていた玩具が実際に商品化される事例が多くなってきたようです。
 
 

例えばジャイアントロボやポセイドンの合金・可動玩具。
GRはソフトガレージ製合金伝説、ポセイドンはダイナマイトアクション版です。
 
 

また、アンドロメロスや合体ロボットムサシのようなある意味でキワモノ的なキャラクターも可動玩具化されています。
メロスはバンダイ製ウルトラ・アクト、ムサシはエヴォリューショントイ製カラーレジンキット版。
 
 

 

 
ロボット以外でも、FEWTURE MODELS・EX合金のマイティジャックやアオシマ・新世紀合金のゼロエックス号。
どちらも塗装・仕上げが美しい完成品で、ゼロエックスは分離・合体可能です。
 
 

 

 
同様に新世紀合金の轟天号やメーサー殺獣光線車。こうしたメカが高品質な合金玩具になるなど、90年代まではまったく考えられないことでした。
 

 


こうした商品化の流れは、1997年のGX-01超合金魂マジンガーZの発売が起点になっているようです。
現在ではGX-01は組み立て部品の多用や磁力の弱い個体の頻発、塩ビ塗装部のベタつきなどの短所が話題にされる傾向がありますが、発売当時には文字通り「あったらいいなという願望が現実化」した衝撃の玩具でした。
本品のヒットによって、大人向けキャラクター玩具市場が本格展開されることになります。
 
画像の現物は発売当日に新宿のデパートで定価で購入したもの。思えば当時は、玩具は定価で買うのが当たり前でした。
 
超合金魂はその後もグレンダイザーでのマリンスペイザー・ドリルスペイザーの商品化、頭部のすげ替え無しの変型合体を実現したザンボット3、設定通りの合体変型と可動を両立したイデオンなど、「ファンの願望の現実化」を次々に実現します。
今回取り上げている近年の玩具の多くは、こうした超合金魂の影響で世に出たという側面が強いと思われます。
 

 


 
現在の大人向けキャラクター市場は、「キン消し・ファミコン・ビックリマン」などを原体験に持つ世代以降にその中核が移っているようです。
大人向けホビーのありようは今後もさまざまに変化していくのでしょう。
 
1990年代末期から2010年代中盤までは、のちに玩具の歴史を振り返ったとき、空前絶後の大人向けキャラクター玩具爛熟期というような位置付けになるのでしょうか。
 
 
[ 2015/02/09 00:53 ] 合金 合金 | TB(0) | CM(4)

No title

はじめまして。いつも興味深く拝見しております。ところで、マニア向け商品の起点についてですが、忘れられがちなのが、マルイのRCゴジラです。後にバンダイの低価格類似商品に潰されましたが、高額でも売れると世に示した功績は、もっと評価されてもいいと思っているんですが、忘れられるんですよねぇ。
[ 2015/02/10 00:05 ] [ 編集 ]

No title

> can*a*koda*a様
マルイのRC初代ゴジラは2000年末の発売だったようなので、大人向けキャラクター玩具としてはかなり早い時期に高額商品の成立を示した例ですね。

もともとラジコンは高価格帯の商品であること、キャラクター玩具とラジコンでは微妙にファン層が異なること、などが忘れられがちな原因でしょうか。

私はあまりに高額で手が出せませんでした…
[ 2015/02/10 00:47 ] [ 編集 ]

No title

はじめて書き込みします。
ダイナマイトアクションといえばマグネモ&合体シリーズの
イメージがありますが、マハバロンのメタリックカラー版は
モデルボーグを意識したかのような仕上がりなので、
いつか合体版、モデルボーグ、DAと並べてみたいのですが
夢は夢のままで終わりそうです…
[ 2015/02/10 07:01 ] [ 編集 ]

No title

合体マシンはハードル高いですからね。
イマイの再販マッハバロンにもレッドメッキバージョンがあって、ちょっといい感じです(^^
[ 2015/02/10 17:12 ] [ 編集 ]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
https://pazulumo.blog.fc2.com/tb.php/189-beba16cc