バンダイ模型 企画・設計担当者の体験談
書影は昨年末に発売されたガンプラ開発者が語るニュータイプ仕事術(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
ビジネス書の体裁になっていますが、内容のほとんどは著者がバンダイ模型やサンライズで携わってきた仕事についての体験談です。
現場の中枢にいた御本人から実感として語られる当時のバンダイ模型の状況やその変遷は、たいへん興味深いものになっています。
例えばバンダイ模型とポピーには直接的な連携の事実はありませんが、個人レベルでは交流があったことが語られています。技術面でも映像作品への関わり方でも、ポピーからの影響があったようです。
また超合金が発売され大ヒットした時期には、同じキャラクターをどのようにプラモデル化するのかという問題について、以下のように語られています(P73~74)。
ずっしりとした超合金のおもちゃとしての存在感に、プラモデルは敵わなかった。プラモデルは軽いので、重量感がない。落とせばパリーンと割れる。超合金はダイカストで作っているので、落としてもガシャッと言うけれど壊れない。
その代わり、2000~3000円ぐらいした。プラモデルは300円だったので、その値段差はあるが、やはり重量感のある超合金が売れていたのだ。
そこで、品質や値段付け、売れる商品は何かと、いろいろなことを研究しながら試行錯誤していった。他社の動き、消費者の要望・クレームと、とにかく幅広くアンテナを張っていたのだ。
ここで語られている「試行錯誤」が、具体的には超合金を模倣したDXモデル、変身サイボーグに影響されたモデルボーグ、ミクロマンにヒントを得た初期ジョイントモデル、マグネモの影響を感じさせる後期ジョイントモデルなどを意味しているのかもしれません。
他にもさまざまな興味深い事柄が語られています。ただし資料やデータを参照せずに記憶ベースで書かれているようで、時系列や事実関係の混乱と思われる部分が散見されるようです。
それでも、外部のライターなどでなく企画・設計者御本人の語る内容ですのできわめて重要、貴重だと思います。
ご一読をおすすめします。
ついでに、模型会社関連ということで蛇足です。
古い情報になりますが、modelcars222号(2014年9月発売)にアオシマ・ショールームを訪ねてという記事が掲載されていました。
アオシマが本社2階にショールームをオープンしたそうで、同社が発売してきたプラモデルの数々が展示されているようです。
ただし公開は取引先などの業界関係者のみとのことで、なんとも残念。期間限定などの形でもいいので、一般ユーザーにも公開していただきたいです。
modelcarsの掲載写真だけでも、気になるプラモがいろいろ目に付きますね~!
アオシマプラモについては、今月末にアウトサイダー・プラモデル・アート 青島文化教材社の異常な想像力という書籍が発売されるようです。
先行の超絶プラモ道2アオシマプラモの世界(竹書房2001)とどのように差別化しているのか、発売が楽しみです。
アオシマ本情報、ありがとうございます!「よ~し、よむぞ~‼」
>ここで語られている「試行錯誤」の具体例
自分もそんな空気感を感じて、ある時から旧ハイコンが気になるアイテムとなりました…。
アオシマは買っていないようでも、50くらいは作ってますね。
> ごんちゃっく様
アオシマ本、楽しみですね~
旧ハイコンは、個人的にはRX-78が発売されなかったのが残念無念です…
> ひこにゃん様
買っていないようで50個って、どういうことでしょう…(^^;
近くの書店には置いてませんでしたのでアマゾンで予約しました。
松本氏は今井科学からの移籍組ですので面白い話を沢山持っているのでしょうね。
旧ハイコンは栃木工場のショールームにバイファムやエルガイム、バルキリー等が展示されていたのをテレビ番組で見たことがあります。
超合金ダンクーガの指が可動する手首などガンダムMK-Ⅱのそれの流用に思えますが真相は?
当時、バイファム、ネオファムのスリングパニアーが別売りされたのを見て、
超合金グレンダイザーのスペイザー(オールプラスチック製)の別売りを思い出しました。
微妙にポピーの匂いがするシリーズだったと思います。
本書の立ち位置は一般向けのビジネス書で、著者のフィールドがバンダイだったからオモチャ好きにも興味深いものになっているのだと思います。
体験者の語る内容ですから、臨場感や裏話的なおもしろさが感じられますが、プラモや玩具の歴史を事細かに綴っているわけではないですから、その点過剰な期待はいだかれませんように……
おすすめと言っておいて矛盾するようですが、念のため(^^;
アオシマ・ショールーム、情報ありがとうございます。
読みたいですね~~。
早速注文しました(^。^)
アオシマ・ショールーム、本社での一般公開が無理なら、展示物を秋葉原あたりに持ってきてイベントみたいな形で公開してほしいです。
梶田氏や上田氏の原画も公開したりすれば意義ある展示になると思いますが、どうでしょうね……?
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