仮面ライダーライセンス
今回も「ちょっと気になる謎」について取り上げてみます。
画像は仮面ライダー放送中の1971年に発売された仮面ライダーライセンス(発売元ポピー・製造元中村商会)。
60年代後半から人気だったスパイ手帳の仮面ライダー版といった感じの商品です。写真掲載は一切無く、カラーイラストを中心に原作を模写した漫画風のカットも併用されています。
未確認ですがライダー2号編放映中の一時期、番組でCMが流されていたように記憶しています。
商品全容。5枚のライセンスカードと小冊子を中心にお面のようなメガネ、時計、シール、身分証明書などで構成されています。
証明書はただのオモチャではなく、記名・写真貼付してポピーに送ると認定書とともに返送されるという本格的なものです。
ただし翌72年のライダー少年隊のような支援組織の隊員として認定されるのではなく、ライセンス取得によって仮面ライダーとして認定されるというのがおもしろいです。
5つのライセンスの内訳はジェット機、サイクロン号、射撃、宇宙、潜水艦となっています。
サイクロン以外は本編内容とかけ離れており、スパイ手帳などの内容をそのままライダー商品として翻案しているようです。
手帳本体に相当するオールカラー小冊子「仮面ライダーのすべて」。
ライセンスのほか、いくつかのポピー製ライダー商品に同梱されていました。
内容はライダーやサイクロンの性能解説やスパイ風の豆知識など。
原作漫画「13人の仮面ライダー」を元に1号から2号への交代についても解説されており、これは1号・2号の混同があたりまえだった当時としては画期的でした。
さらに「ショッカーからの使者」としてクモ男からカニバブル(原作準拠)まで15体のショッカー怪人が紹介されています。
イラストはライセンスカードと同じ描き手によるものと思われますが、こちらは線画に着彩するスタイルになっています。
怪人は撮影用スーツに準拠のものと原作のみに登場したものが混在しているのですが、この怪人たちの絵がとにかくカッコイイです。
元になった撮影スーツや漫画をきちんと尊重しつつ、すべての要素を描き手の感性で再構築しているような印象があります。
特に人体描写の熟達の度合いが、同時期の漫画や挿絵とは次元が異なる感じです。上手い…いや上手すぎます。
「不気味な強力怪人」の印象が明確に伝わってくるゲバコンドル。
リアルな大型トカゲの要素を強く感じさせるトカゲロン。
「凶悪犯を改造した毒性怪人」を見事に表現しているキノコモルグ。
そして、当然ながら仮面ライダーも超絶的にカッコイイ!
原作漫画をモチーフとしながら、描き手のセンスですべてが再構成されているのがよくわかります。
そこで今回の謎なのですが、これらのすばらしい絵を描かれたのはいったい誰なのでしょうか?
(続きます)