やうなチヤチな発明狂がゐたのであるが、彼は、海軍将棋を作つてものにならず、遂に当時の好景気に一儲けしようと企らみ、下駄の鼻緒にダイヤモンドを篏め込むといふ発明をして、東奔西走、遂に財産を無くしてしまつたのであつたが」
前掲、徳田秋聲「科学・発明・人生」(「発明」昭和8年8月)より。
07-01 19:15
この文章、科学や発明に対する秋聲の考え方が克明に書かれているとともに、終盤では『あらくれ』に登場する海軍将棋の考案に没頭する木村という職人のモデルと、『光を追うて』にも描かれている谷崎安太郎に関する言及があり、非常に興味深いです。
「私の古い友人で、今考へれば発明狂とも云へない
07-01 19:14
水無月
6月30日
〖お伴〗
徳田秋聲『黴』(岩波文庫)
「ユリイカ 総特集 大江健三郎 1935-2023」(青土社)
『黴』は梅雨時で雨降りだから
「ユリイカ」はちょうど出たから
https://t.co/Or4UoizJsG
07-01 14:52
ここからは素人の勝手な想像ですが、「発明」誌への掲載時期と矢島守男の死の時期とが重なっていることで、その信憑性が高まるのではないかと思います。はまの死後、秋聲と守男との関係が疎遠になっていたとしても、東京市内のことですし、病気であれば見舞いに訪れたこともあったでしょうね。
07-01 11:10
大阪発明協会編『帝国発明家名鑑』(昭和11年)に名が掲載されています。
医師として記載されている矢島守男の住所と上記名鑑のそれとが一致するので、同一人物と判明したのでした。
秋聲と矢島守男とは馬が合って頻繁に行き来していた時期もあるので、その縁かなと思います。
07-01 10:47
【秋聲と発明】
前記の文章、掲載誌を書くのを忘れておりました。
徳田秋聲「科学・発明・人生」(「発明」昭和8年8月)
秋聲と「発明」という雑誌に何の関係があったのか考えてみると、亡妻はまの親族の矢島守男(明治15年1月10日生、昭和8年8月歿)がいわゆる発明家だったのですよね。以前紹介した
07-01 10:46
一体、私位の年配になると、大抵さうだと思ふのであるが、私は、唯心唯物二元論者である。科学の世界を尊重すると同時に、科学にのみ信頼することの出来ない領域の存在をも認めない訳にはゆかない」
これはたいへん面白い文章ですね。
「徳田秋聲全集」未収録、別巻著作目録に未登録です。
07-01 07:25
【秋聲の科学観、発明観】
徳田秋聲「科学・発明・人生」(昭和8年8月)
https://t.co/aqwEvG0Dqa
「科学の世界、殊に発明といふやうな方面に対してはまるきり門外漢の私ではあるが、機会を与へられたのを幸ひ、私の科学観、発明観といふやうなものを少しばかり述べて見よう。
07-01 07:25
「消息」(「冬柏」昭和7年12月※)
※実際には昭和8年1月刊行です。
https://t.co/rhfTbTqNqE
昭和7年11月26日、有島生馬五十回誕辰祝賀会が東京会館において催さる。
「徳田秋聲先生の発声で有島先生に対し万歳を唱へて一同が乾杯」
上記、徳田秋聲全集別巻年譜に記載なし。
07-01 00:26
こちらの「書態」談義も面白いです。
「徳田秋聲氏とは若い頃から長年親くして居るので、短冊の一枚位は所持しなければならないのであるが、何にも持つて居ない。手紙や端書は数あるが、氏の削いだやうな強い文字から受ける印象は一種の寂莫と秋霜のやうな鋭さである」
07-01 00:23
石原源三「原稿漫談」(「書物展望」昭和7年5月)
https://t.co/4ce0LpQeAA
島崎藤村、田山花袋ら作家諸氏の原稿用紙や文字について。
「徳田秋聲氏のはすこし震へてゐるが、まづ鶴のやうな老人といふ形容が当る」
生田葵「文士と書態」(「書道」昭和8年2月)
https://t.co/UiLlCncVDV
07-01 00:22
座談会「新満洲国とはどんなところか?」(「女人芸術」昭和7年4月)
似顔絵あり
https://t.co/zl7eLsoOSI
出席者:徳田秋聲 村松梢風 平林たい子 下村千秋 吉屋信子 平野零二 藤枝丈夫 長谷川利子
数回しか発言のない秋聲さん、最初の一言が
「苦力(クーリー)はどんどん繁殖するのですか。」
07-01 00:21
Author:亀井麻美
kamei asami
德田秋聲,徳田秋声,德田秋声
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