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2007-09-03

【パキスタン】ブット元首相、亡命先から帰国へ

社会主義インター加盟政党でイスラム社会主義を掲げるパキスタン人民党(PPP)総裁でありながら、政治的意図も絡んだ汚職容疑で海外逃避を余儀なくされていたベナジル・ブット元首相が今月、8年ぶりに亡命先の英国から帰国する見通しとなった。
議会での地盤が弱いムシャラフ大統領と一定の協定を結び、外交安保および国政の基本方針を担う大統領職にムシャラフ氏を残す代わりに、ブット氏は現在のところ表向きは否定するものの主に内政全般を担当する首相職に就くことを想定している模様だが、現憲法では首相職への3期目の就任は違憲とされており、また現在ムシャラフ与党とされる穏健保守派のパキスタン・ムスリム連盟カイディアザム派(国父ジンナーを意味する。PML-Q)から異論が噴出するなど、憲法改正の実現も不透明な状況だ。またムシャラフ大統領の陸軍参謀長からの退任も、議会や政党以上に軍の掌握が重要なパキスタン政界においては大きな不確定要素とされる。

なおブット元首相は在任時、PPPが比較的世俗的な政党であるにもかかわらず、アフガニスタンでのタリバン勢力の興隆を影から支えたともいわれており、父親を処刑された悲劇の女性政治家イメージを用いながら老獪な政治手腕を有する政治家である。
いっぽうムシャラフ大統領のもうひとりの政敵であるシャリフ元首相に対しては厳しい追及姿勢を崩しておらず、ブット元首相への柔軟な対応とは好対照を見せている。

パキスタン人民党公式サイト(英語)
http://www.ppp.org.pk/index.html
#パキスタンはインド・ムスリムの言語であるウルドゥー語を国語と
 しているが、最大の話者人口はインドとまたがるパンジャブ語であり、
 結果として現在も公共の場面では公用語の地位を持つ英語が使われる
 場合が多い。

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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