2011-05-27
【ドイツ】続報・ブレーメン州議選結果
22日に行われたブレーメン州議選(定数83、比例代表制が基本)の選挙は、複雑な選挙制度のため確定まで時間がかかったが、結果は次の通りとなった(カッコ内は前回比)。
社会民主党(SPD) 36(+4)
同盟90/緑の党(B90・Grüne) 21(+7)
キリスト教民主同盟(CDU) 20(-3)
左翼党(Linke)5(-2)
「怒りの市民」(BIW)1(±0)
自由民主党(FDP)0(-5)
ドイツ人民同盟(DVU)0(-1)
この結果を受けて社会民主党と緑の党を与党とするベールンゼン市長の連立政権が継続する。なお「怒りの市民」党はブレーマーハーフェン市のみで5%を突破し、議席を獲得した(全州レベルでは5%に達しなかった)。
社会民主党(SPD) 36(+4)
同盟90/緑の党(B90・Grüne) 21(+7)
キリスト教民主同盟(CDU) 20(-3)
左翼党(Linke)5(-2)
「怒りの市民」(BIW)1(±0)
自由民主党(FDP)0(-5)
ドイツ人民同盟(DVU)0(-1)
この結果を受けて社会民主党と緑の党を与党とするベールンゼン市長の連立政権が継続する。なお「怒りの市民」党はブレーマーハーフェン市のみで5%を突破し、議席を獲得した(全州レベルでは5%に達しなかった)。
2011-05-26
【オランダ】上院選で労働党が現状維持、極右が急伸
23日、オランダで第一院(上院。定数75、州議会による間接選挙)が行われた。その結果、ルッテ首相率いる中道右派自由主義政党の自由民主人民党(VVD)が第1党となり、続いて社会主義インター加盟政党の労働党(PvdA)となった。中道右派のキリスト教民主アピール(CDA)は議席を半減させ第3党に転落、これに移民排斥を掲げる極右の「自由への党」(PVV)が初議席を獲得し続いた。左翼の社会党(SP)は議席を落とし、中道左派・社会自由主義の民主66(D66)、環境派左翼のグリーンレフト(GL)は議席を伸ばした。
今回の上院選挙は3月に行われた州議会議員選挙を受けてのもので、州議会における各党の勢いがそのまま反映されることとなった。また、自由民主人民党とキリスト教民主アピールが連立し、これを極右「自由への党」が支えるルッテ政権への中間評価にもなったが、3党の合計ではわずかに過半数に足りなかった。各党には左右を問わず議席を伸ばした党と落とした党があり、多様な価値観に対する「寛容」を国是とする一方で極右が進出するような世相も広がるオランダにおいて、有権者のルッテ政権への評価が相半ばしていることが示された。今後、ルッテ政権はキリスト教系の小政党の支持を加えて政権の継続を図るとみられる。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比)。
自由民主人民党(VVD)16(+2)#中道右派自由主義、市場経済
労働党(PvdA)14(±0)#民主社会主義
キリスト教民主アピール(CDA)11(-10)#カトリック・プロテスタント連合
自由への党(PVV)10(+10)#極右。移民排斥
社会党(SP)8(-4)#強硬派の社会主義
民主66(D66)5(+3)#中道左派・社会自由主義
グリーンレフト(GL)5(+1)#環境政党。かつての急進党、共産党、キリスト教左派などが合同
キリスト教連合(CU)2(-2)#政治面、人権道徳面では保守、福祉面では左派
政治改革党(SGP)1(-1)#聖書主義のプロテスタント右派
50プラス(50PLUS)1(+1)#年金受給者を支持基盤とする
動物のための党(PvdD)1(±0)#動物の権利を掲げる
独立上院グループ(OSF)1(±0)
労働党 公式サイト(オランダ語)
http://nu.pvda.nl/
今回の上院選挙は3月に行われた州議会議員選挙を受けてのもので、州議会における各党の勢いがそのまま反映されることとなった。また、自由民主人民党とキリスト教民主アピールが連立し、これを極右「自由への党」が支えるルッテ政権への中間評価にもなったが、3党の合計ではわずかに過半数に足りなかった。各党には左右を問わず議席を伸ばした党と落とした党があり、多様な価値観に対する「寛容」を国是とする一方で極右が進出するような世相も広がるオランダにおいて、有権者のルッテ政権への評価が相半ばしていることが示された。今後、ルッテ政権はキリスト教系の小政党の支持を加えて政権の継続を図るとみられる。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比)。
自由民主人民党(VVD)16(+2)#中道右派自由主義、市場経済
労働党(PvdA)14(±0)#民主社会主義
キリスト教民主アピール(CDA)11(-10)#カトリック・プロテスタント連合
自由への党(PVV)10(+10)#極右。移民排斥
社会党(SP)8(-4)#強硬派の社会主義
民主66(D66)5(+3)#中道左派・社会自由主義
グリーンレフト(GL)5(+1)#環境政党。かつての急進党、共産党、キリスト教左派などが合同
キリスト教連合(CU)2(-2)#政治面、人権道徳面では保守、福祉面では左派
政治改革党(SGP)1(-1)#聖書主義のプロテスタント右派
50プラス(50PLUS)1(+1)#年金受給者を支持基盤とする
動物のための党(PvdD)1(±0)#動物の権利を掲げる
独立上院グループ(OSF)1(±0)
労働党 公式サイト(オランダ語)
http://nu.pvda.nl/
2011-05-24
【キプロス】議会選挙が行われる
地中海の島国キプロスで22日、一院制議会の選挙(選出定数56、比例代表制)が行われた。その結果、フリストフィアス大統領の与党・労働人民進歩党(AKEL、共産系)は第2党にとどまり、中道保守の民主連合(DISY)が第1党となった。続いてパパドプロス前大統領を支えた中道の民主党(DIKO)が第3党、社会主義インター加盟政党の社会民主運動(EDEK)が第4党となった。
キプロスは直接公選の大統領制を採用しているため、今回の議会選挙の結果は直ちに政権の帰趨には関係しないが、ギリシャ系のキプロスとトルコ系の北キプロスに国家分裂しているなか、両者の再統合さらにはトルコの欧州連合(EU)加盟問題にまで及ぶ影響が注目される。なお現在、フリストフィアス大統領を支えている与党は労働人民進歩党と中道の民主党で、社会民主運動は北キプロスとの再統合をめぐる閣内対立によって昨年、政権から離脱している。しかし今回、労働人民進歩党と民主党は両党で辛うじて過半数を確保した。
またキプロス議会は憲法上は80議席とされているが、トルコ系の北キプロスからは議員が送られないため、事実上ギリシャ系住民を代表する56議席だけで運用されている(ほかに宗教的少数派を代表するオブザーバー議員が3名)。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比)。なお投票率は79%弱だった。
民主連合(DISY、中道保守)20(+2)
労働人民進歩党(AKEL、共産系)19(+1)
民主党(DIKO、中道)9(-2)
社会民主運動(EDEK、民主社会主義)5(±0)
欧州党(Evroko、中道保守)2(-1)
エコロジー環境運動(KOP、緑の党系)1(±0)
社会民主運動 公式サイト(ギリシャ語)
http://www.edek.org.cy/
キプロスは直接公選の大統領制を採用しているため、今回の議会選挙の結果は直ちに政権の帰趨には関係しないが、ギリシャ系のキプロスとトルコ系の北キプロスに国家分裂しているなか、両者の再統合さらにはトルコの欧州連合(EU)加盟問題にまで及ぶ影響が注目される。なお現在、フリストフィアス大統領を支えている与党は労働人民進歩党と中道の民主党で、社会民主運動は北キプロスとの再統合をめぐる閣内対立によって昨年、政権から離脱している。しかし今回、労働人民進歩党と民主党は両党で辛うじて過半数を確保した。
またキプロス議会は憲法上は80議席とされているが、トルコ系の北キプロスからは議員が送られないため、事実上ギリシャ系住民を代表する56議席だけで運用されている(ほかに宗教的少数派を代表するオブザーバー議員が3名)。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比)。なお投票率は79%弱だった。
民主連合(DISY、中道保守)20(+2)
労働人民進歩党(AKEL、共産系)19(+1)
民主党(DIKO、中道)9(-2)
社会民主運動(EDEK、民主社会主義)5(±0)
欧州党(Evroko、中道保守)2(-1)
エコロジー環境運動(KOP、緑の党系)1(±0)
社会民主運動 公式サイト(ギリシャ語)
http://www.edek.org.cy/
2011-05-24
【ドイツ】ブレーメン州議選で社民党勝利、緑の党も躍進
22日、北ドイツの都市州・ブレーメン州(ブレーメン市とブレーマーハーフェン市で構成)で州議会議員選挙(定数83、5%阻止条項つき比例代表制が基本だが後述)が行われ、社会民主党(SPD、社会主義インター加盟政党)が38%以上を獲得し第1党を維持。また緑の党が福島第一原発の事故を受けて党勢を急伸させ23%近くを得票して第2党となり、20%強にとどまったメルケル連邦首相の与党・キリスト教民主同盟(CDU)は第3党に転落することとなった。
その他の政党では左翼党が議席を確保したものの前回より減らし、また連邦第2与党の自由民主党(FDP)は5%を割り込み全議席を失うものとみられる。この選挙結果を受けて、SPDのベールンゼン市長(参事会議長)が緑の党との連立州政権を継続させる。また、CDUにとっては過去最悪の結果となった。
今回の州議選では、新たにブレーメン州独自のいくつかの試みがなされた。まず選挙権が連邦レベルや他州で採用されている18歳から、独自に16歳に引き下げられた。加えて、5%阻止条項つき比例代表制(ブレーメン市とブレーマーハーフェン市では阻止条項は別々に適用される)の範囲で、有権者ひとり 5票を持ち、これを各党や各候補者に分散させて投票しても、特定候補者に集中して投票(累積投票)してもよい方式が採用された。開票時にはこれらの票をまず政党別に集計して議席を比例配分したうえで、個人票を多く得た候補者から当選を決めていくことになる。通常の非拘束名簿式比例代表制よりもさらに自由度が高い制度だが、投票時の選択が非常に複雑になることと、開票・集計作業に手間がかかるのが難点で、選挙権年齢の引き下げにもかかわらず投票率も前回の約 57%から約54%に低下し、有権者からは敬遠気味の反応が出ることともなった。
ドイツ社会民主党 公式サイト(ドイツ語)
http://www.spd.de/
その他の政党では左翼党が議席を確保したものの前回より減らし、また連邦第2与党の自由民主党(FDP)は5%を割り込み全議席を失うものとみられる。この選挙結果を受けて、SPDのベールンゼン市長(参事会議長)が緑の党との連立州政権を継続させる。また、CDUにとっては過去最悪の結果となった。
今回の州議選では、新たにブレーメン州独自のいくつかの試みがなされた。まず選挙権が連邦レベルや他州で採用されている18歳から、独自に16歳に引き下げられた。加えて、5%阻止条項つき比例代表制(ブレーメン市とブレーマーハーフェン市では阻止条項は別々に適用される)の範囲で、有権者ひとり 5票を持ち、これを各党や各候補者に分散させて投票しても、特定候補者に集中して投票(累積投票)してもよい方式が採用された。開票時にはこれらの票をまず政党別に集計して議席を比例配分したうえで、個人票を多く得た候補者から当選を決めていくことになる。通常の非拘束名簿式比例代表制よりもさらに自由度が高い制度だが、投票時の選択が非常に複雑になることと、開票・集計作業に手間がかかるのが難点で、選挙権年齢の引き下げにもかかわらず投票率も前回の約 57%から約54%に低下し、有権者からは敬遠気味の反応が出ることともなった。
ドイツ社会民主党 公式サイト(ドイツ語)
http://www.spd.de/
2011-05-23
【スペイン】地方選挙で社会労働党が大敗
22日、スペインで統一地方選挙が行われた。その結果、サパテロ首相が率いる与党・社会労働党(PSOE、社会主義インター加盟政党)が大敗し、保守系の野党・国民党(PP、民衆党とも)が大きく伸ばす結果となった。
今回の地方選挙はスペインの17自治州中13州、その他50県議会の大半、8000以上の自治体などでいっせいに行われたが、選挙前から経済危機や高い失業率、特に25歳以下の失業率が約45%にものぼることなどに抗議する青年層中心のデモや座り込み行動が全国的に相次ぐなどサパテロ政権の緊縮財政策への批判や政治不信が高まるなか、社会労働党に厳しい評価が寄せられることとなった。社会労働党の得票率は約28%にとどまり、約38%を得た国民党に大きな差をつけられた。
この結果を受けて、社会労働党内から来年までに行われる総選挙をにらんで首相交代論が出るとの予測もあるが、サパテロ首相は退陣や解散総選挙を否定し、続投の構え。
スペイン社会労働党 公式サイト(スペイン語)
http://www.psoe.es/
今回の地方選挙はスペインの17自治州中13州、その他50県議会の大半、8000以上の自治体などでいっせいに行われたが、選挙前から経済危機や高い失業率、特に25歳以下の失業率が約45%にものぼることなどに抗議する青年層中心のデモや座り込み行動が全国的に相次ぐなどサパテロ政権の緊縮財政策への批判や政治不信が高まるなか、社会労働党に厳しい評価が寄せられることとなった。社会労働党の得票率は約28%にとどまり、約38%を得た国民党に大きな差をつけられた。
この結果を受けて、社会労働党内から来年までに行われる総選挙をにらんで首相交代論が出るとの予測もあるが、サパテロ首相は退陣や解散総選挙を否定し、続投の構え。
スペイン社会労働党 公式サイト(スペイン語)
http://www.psoe.es/
2011-05-22
【南アフリカ】統一自治体選挙が行われる
南アフリカで18日、統一自治体選挙が行われ、ズマ大統領率いる与党・アフリカ民族会議(ANC、社会主義インター加盟政党)が順調に得票するいっぽう、中道リベラル派の野党・民主同盟(DA)が伸ばす結果となった。
アフリカ民族会議はアパルトヘイト廃止以降、政権を維持しているが、最近は行政サービスの停滞や汚職、医療・福祉、貧困・雇用、ズマ大統領の政治姿勢などの問題で各野党からの批判を受けており、得票率をやや落とす結果となったものの、依然として6割以上の得票を維持した。いっぽう民主同盟は牙城であるケープタウン市(立法府が置かれており、南アフリカの3首都のひとつ)で絶対多数を維持するなど、地盤の西ケープ州を中心に得票を伸ばし、25%近くを得票した。アフリカ民族会議から離脱したメンバーからなる人民会議(COPE)も多くの自治体で議席を獲得した。ズールー族を基盤とする黒人保守派のインカタ自由党(IFP)は同党を離脱したグループが結成した新党・民族自由党(NFP)と分裂選挙となったため、地盤のクワズールー・ナタール州でも多くの自治体で多数を失った。民主社会主義的な統一民主運動(UDM)や白人(アフリカーナー)右派の自由戦線プラス(FF+)の得票および獲得議席はごく限定的なものにとどまった。
なお投票率は58%弱だったが、アフリカ民族会議政権の改革の遅れを批判する急先鋒の草の根運動・貧困人民同盟(PPA)のようにボイコットを呼びかけたグループもあった。
アフリカ民族会議 公式サイト(英語)
http://www.anc.org.za/
アフリカ民族会議はアパルトヘイト廃止以降、政権を維持しているが、最近は行政サービスの停滞や汚職、医療・福祉、貧困・雇用、ズマ大統領の政治姿勢などの問題で各野党からの批判を受けており、得票率をやや落とす結果となったものの、依然として6割以上の得票を維持した。いっぽう民主同盟は牙城であるケープタウン市(立法府が置かれており、南アフリカの3首都のひとつ)で絶対多数を維持するなど、地盤の西ケープ州を中心に得票を伸ばし、25%近くを得票した。アフリカ民族会議から離脱したメンバーからなる人民会議(COPE)も多くの自治体で議席を獲得した。ズールー族を基盤とする黒人保守派のインカタ自由党(IFP)は同党を離脱したグループが結成した新党・民族自由党(NFP)と分裂選挙となったため、地盤のクワズールー・ナタール州でも多くの自治体で多数を失った。民主社会主義的な統一民主運動(UDM)や白人(アフリカーナー)右派の自由戦線プラス(FF+)の得票および獲得議席はごく限定的なものにとどまった。
なお投票率は58%弱だったが、アフリカ民族会議政権の改革の遅れを批判する急先鋒の草の根運動・貧困人民同盟(PPA)のようにボイコットを呼びかけたグループもあった。
アフリカ民族会議 公式サイト(英語)
http://www.anc.org.za/
2011-05-15
【インド】続報・各州および地域別議会選挙結果
インド5州・地域議会選挙における各々の詳しい選挙結果は次の通り(議席を獲得した政党のみ。カッコ内は前回比。議席を失った政党もあるため、一部異同がある)。
【西ベンガル州】定数294(小選挙区制)
●州野党連合(連邦与党)統一進歩同盟 計227
・トリナムール会議派(TMC)184(+154)
・国民会議派(INC)42(+21)
・社会主義統一センター(SUCI)1(+1)
●左翼戦線 計62
・インド共産党マルクス主義派(CPI-M)40(-136)#日本では「左派共産党」とされることが多い
・全インド前進同盟(AIFB)11(-12)#旧チャンドラ・ボース派
・革命社会党(RSP)7(-13)
・インド共産党(CPI)2(-6)#日本では「右派共産党」とされることが多い
・社会党(SP)1(+1)
・民主社会党(DSP)1(+1)
●その他
・ゴルカ人民勢力戦線(GJM)3(+3)#インド人民党と選挙協力
・無所属 2(-4)
【タミルナドゥ州】定数234(小選挙区制)
●州野党連合 計203
・全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(AIADMK)150(+93)
・民族進歩ドラヴィダ同盟(DMDK)29(+28)
・インド共産党マルクス主義派(CPI-M)10(+1)
・インド共産党(CPI)9(+3)
・プティヤ・タミラカム(PT)2(+2)
・マニタネヤ・マカル・カッチ(MNMK)2(+2)
・全インド前進同盟(AIFB)1(+1)
●州与党連合 計31
・ドラヴィダ進歩同盟(DMK)23(-77)
・国民会議派(INC)5(-32)
・パタリ・マカル・カッチ(PMK)3(-15)
【ケララ州】定数140(小選挙区制)
●州野党連合・統一民主戦線(UDF)計72
・国民会議派(INC)38(+14)
・インド連合ムスリム連盟(IUML)20(+13)#ムスリム連盟ケララ州委員会(MLKSC)として立候補
・ケララ会議派(KC)9(+2)#ケララ会議派マニ派(KC-M)として立候補
・社会主義ジャナタ党民主派(SJ-D)2(新党)#ジャナタ・ダル世俗派から分裂
・ケララ会議派バラクリシュナ派(KC-B)1(±0)
・ケララ会議派ジェイコブ派(KC-J)1(前回は民主インディラ会議派の一部として参加)
・革命社会党ボリシェビキ派(RSP-B)1(+1)
●州与党連合・左翼民主戦線(LDF)計68
・インド共産党マルクス主義派(CPI-M)45(-16)
・インド共産党(CPI)13(-4)
・ジャナタ・ダル世俗派(JD-S)4(-1)#社会主義インター加盟政党
・革命社会党(RSP)2(-1)
・国民主義会議党(NCP)2(+1)
・LDF支援無所属 2
【アッサム州】定数126(小選挙区制)
・国民会議派(INC)78(+25)
・全インド統一民主戦線(AIUDF)18(+8)
・ボドランド人民戦線(BDF)12(前回は無所属)
・アソム人民協会(AGP)10(-14)
・インド人民党(BJP)5(-5)
・トリナムール会議派(TMC)1(+1)
・無所属 2
【プドゥチェリー連邦直轄領】定数30(小選挙区制)
●野党連合 計20
・全インド我が国会議派(AINRC) 15(新党)
・全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(AIADMK)5(+2)
●与党連合 計9
・国民会議派(INC)7(-3)
・ドラヴィダ進歩同盟(DMK)2(-5)
●その他
・ドラヴィダ進歩同盟公認漏れ 1
【西ベンガル州】定数294(小選挙区制)
●州野党連合(連邦与党)統一進歩同盟 計227
・トリナムール会議派(TMC)184(+154)
・国民会議派(INC)42(+21)
・社会主義統一センター(SUCI)1(+1)
●左翼戦線 計62
・インド共産党マルクス主義派(CPI-M)40(-136)#日本では「左派共産党」とされることが多い
・全インド前進同盟(AIFB)11(-12)#旧チャンドラ・ボース派
・革命社会党(RSP)7(-13)
・インド共産党(CPI)2(-6)#日本では「右派共産党」とされることが多い
・社会党(SP)1(+1)
・民主社会党(DSP)1(+1)
●その他
・ゴルカ人民勢力戦線(GJM)3(+3)#インド人民党と選挙協力
・無所属 2(-4)
【タミルナドゥ州】定数234(小選挙区制)
●州野党連合 計203
・全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(AIADMK)150(+93)
・民族進歩ドラヴィダ同盟(DMDK)29(+28)
・インド共産党マルクス主義派(CPI-M)10(+1)
・インド共産党(CPI)9(+3)
・プティヤ・タミラカム(PT)2(+2)
・マニタネヤ・マカル・カッチ(MNMK)2(+2)
・全インド前進同盟(AIFB)1(+1)
●州与党連合 計31
・ドラヴィダ進歩同盟(DMK)23(-77)
・国民会議派(INC)5(-32)
・パタリ・マカル・カッチ(PMK)3(-15)
【ケララ州】定数140(小選挙区制)
●州野党連合・統一民主戦線(UDF)計72
・国民会議派(INC)38(+14)
・インド連合ムスリム連盟(IUML)20(+13)#ムスリム連盟ケララ州委員会(MLKSC)として立候補
・ケララ会議派(KC)9(+2)#ケララ会議派マニ派(KC-M)として立候補
・社会主義ジャナタ党民主派(SJ-D)2(新党)#ジャナタ・ダル世俗派から分裂
・ケララ会議派バラクリシュナ派(KC-B)1(±0)
・ケララ会議派ジェイコブ派(KC-J)1(前回は民主インディラ会議派の一部として参加)
・革命社会党ボリシェビキ派(RSP-B)1(+1)
●州与党連合・左翼民主戦線(LDF)計68
・インド共産党マルクス主義派(CPI-M)45(-16)
・インド共産党(CPI)13(-4)
・ジャナタ・ダル世俗派(JD-S)4(-1)#社会主義インター加盟政党
・革命社会党(RSP)2(-1)
・国民主義会議党(NCP)2(+1)
・LDF支援無所属 2
【アッサム州】定数126(小選挙区制)
・国民会議派(INC)78(+25)
・全インド統一民主戦線(AIUDF)18(+8)
・ボドランド人民戦線(BDF)12(前回は無所属)
・アソム人民協会(AGP)10(-14)
・インド人民党(BJP)5(-5)
・トリナムール会議派(TMC)1(+1)
・無所属 2
【プドゥチェリー連邦直轄領】定数30(小選挙区制)
●野党連合 計20
・全インド我が国会議派(AINRC) 15(新党)
・全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(AIADMK)5(+2)
●与党連合 計9
・国民会議派(INC)7(-3)
・ドラヴィダ進歩同盟(DMK)2(-5)
●その他
・ドラヴィダ進歩同盟公認漏れ 1
2011-05-14
【インド】5州・地域議会選挙が行われ中道派が前進
インドで4月から5月にかけて行われた5州・地域議会選挙の開票が13日、いっせいに行われ、左右両派に対して各州レベルの中道派的な州野党勢力が伸ばす結果となった。
コルカタ(旧カルカッタ)を抱える東部の大州・西ベンガル州議会議員選挙(定数294、小選挙区制)では過去34年にわたって州政権を続けて握ってきたインド共産党マルクス主義派(CPI-M)主導の左翼戦線が大敗。バナルジー連邦鉄道相率いる民主社会主義的な地域政党・トリナムール会議派(草の根会議派、 TMC)と連邦第1与党で民主社会主義的な国民会議派(INC)の政党連合が200議席以上を獲得し、州政権が交代することとなった。左翼戦線は経済自由化や外資導入に消極的だったこと、長期政権化による政策の硬直化・独善化や汚職もみられたことなどが有権者から批判され、バッタチャルヤ州首相も落選する惨敗ぶりだった。またヒンズー右派のインド人民党(BJP)も議席を獲得できなかった。この結果を受けてバナルジー連邦鉄道相が横滑りで新しい州首相となる見通し。
チェンナイ(旧マドラス)を抱える南部の大州・タミルナドゥ州議会議員選挙(定数234、小選挙区制)ではこれまで州与党だった地域政党・ドラヴィダ進歩同盟(DMK)と国民会議派を中心とする州与党連合が大敗。別の地域政党、全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(AIADMK)を軸に共産系なども参加した州野党連合が200議席以上を獲得して圧勝した。南インド系のドラヴィダ・タミル民族主義を同じくルーツとするDMKとAIADMKの両党は毎回、タミル語映画産業を巻き込んで熾烈な選挙戦を繰り広げることで知られるが、今回DMKは所属していた連邦閣僚が携帯電話の電波割り当てをめぐる汚職で辞職・逮捕されるなどし、また国民会議派とのあいだの選挙協力も不調に終わるなど支持を失っていた。また、インド人民党は議席を獲得できなかった。この結果を受けてDMK党首で脚本家出身のカルナーニディ州首相は辞任し、AIADMK党首で女優出身のジャヤラリター前州首相が返り咲く見通し。
南部・ケララ州議会議員選挙(定数140、小選挙区制)では国民会議派を軸とする州野党連合・統一民主戦線(UDF)とインド共産党マルクス主義派を軸とする州与党連合・左翼民主戦線(LDF)とのあいだで激戦となった。当初はUDFの圧勝とみられていたが、連邦中央政治レベルでの汚職などへの批判が国民会議派およびUDFに集まったこともあり、LDFが盛り返した。しかし結果は僅差でUDFが逃げ切り、アチュタンナンダン州首相は辞任を表明、州政権が交代することとなった。なお、インド人民党はここでも議席を獲得できなかったが、一部選挙区では三つ巴の接戦にまで持ちこみ、次につながる結果となった。
東部・アッサム州議会議員選挙(定数126、小選挙区制)では州与党の国民会議派が勢力を伸ばし、単独過半数の議席を獲得した。地域政党やインド人民党は勢力を伸ばしきれなかった。ゴゴイ州首相は続投の見通しだが、国民会議派がこれまで組んできたボドランド人民戦線との連立を解消するかが注目される。
南部・プドゥチェリー(旧名ポンディシェリー)連邦直轄領(準州に相当)議会議員選挙(定数30、小選挙区制)では国民会議派を離党したランガスワミ前直轄領首相が新地域政党を結成し全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟と提携して勝利、返り咲く見通し。
今回の5州・地域議会選挙では全体として各州レベルでの地域政党を軸とする野党が勝利する結果が目立った。また共産系政党が大敗するいっぽう、ヒンズー右派のインド人民党も地域政党との連携を欠いた結果として議席をほとんど獲得できず、北インドを地盤とする同党の全インド規模での支持拡大に大きな課題を残すこととなった。今回、州政権を獲得したトリナムール会議派(西ベンガル州)、全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(タミルナドゥ州)は共に民主社会主義的・中道的な主張を持つ地域政党だが、中道という以上に各地元州の権益を代表する政党としての側面が強く、両党とも連邦政治レベルでは主張を通すために国民会議派・インド人民党の連邦2大政党のあいだを渡り歩いた経緯がある。
なお投票率は70%から80%にのぼり、各州有権者の関心はかなり高かった。
コルカタ(旧カルカッタ)を抱える東部の大州・西ベンガル州議会議員選挙(定数294、小選挙区制)では過去34年にわたって州政権を続けて握ってきたインド共産党マルクス主義派(CPI-M)主導の左翼戦線が大敗。バナルジー連邦鉄道相率いる民主社会主義的な地域政党・トリナムール会議派(草の根会議派、 TMC)と連邦第1与党で民主社会主義的な国民会議派(INC)の政党連合が200議席以上を獲得し、州政権が交代することとなった。左翼戦線は経済自由化や外資導入に消極的だったこと、長期政権化による政策の硬直化・独善化や汚職もみられたことなどが有権者から批判され、バッタチャルヤ州首相も落選する惨敗ぶりだった。またヒンズー右派のインド人民党(BJP)も議席を獲得できなかった。この結果を受けてバナルジー連邦鉄道相が横滑りで新しい州首相となる見通し。
チェンナイ(旧マドラス)を抱える南部の大州・タミルナドゥ州議会議員選挙(定数234、小選挙区制)ではこれまで州与党だった地域政党・ドラヴィダ進歩同盟(DMK)と国民会議派を中心とする州与党連合が大敗。別の地域政党、全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(AIADMK)を軸に共産系なども参加した州野党連合が200議席以上を獲得して圧勝した。南インド系のドラヴィダ・タミル民族主義を同じくルーツとするDMKとAIADMKの両党は毎回、タミル語映画産業を巻き込んで熾烈な選挙戦を繰り広げることで知られるが、今回DMKは所属していた連邦閣僚が携帯電話の電波割り当てをめぐる汚職で辞職・逮捕されるなどし、また国民会議派とのあいだの選挙協力も不調に終わるなど支持を失っていた。また、インド人民党は議席を獲得できなかった。この結果を受けてDMK党首で脚本家出身のカルナーニディ州首相は辞任し、AIADMK党首で女優出身のジャヤラリター前州首相が返り咲く見通し。
南部・ケララ州議会議員選挙(定数140、小選挙区制)では国民会議派を軸とする州野党連合・統一民主戦線(UDF)とインド共産党マルクス主義派を軸とする州与党連合・左翼民主戦線(LDF)とのあいだで激戦となった。当初はUDFの圧勝とみられていたが、連邦中央政治レベルでの汚職などへの批判が国民会議派およびUDFに集まったこともあり、LDFが盛り返した。しかし結果は僅差でUDFが逃げ切り、アチュタンナンダン州首相は辞任を表明、州政権が交代することとなった。なお、インド人民党はここでも議席を獲得できなかったが、一部選挙区では三つ巴の接戦にまで持ちこみ、次につながる結果となった。
東部・アッサム州議会議員選挙(定数126、小選挙区制)では州与党の国民会議派が勢力を伸ばし、単独過半数の議席を獲得した。地域政党やインド人民党は勢力を伸ばしきれなかった。ゴゴイ州首相は続投の見通しだが、国民会議派がこれまで組んできたボドランド人民戦線との連立を解消するかが注目される。
南部・プドゥチェリー(旧名ポンディシェリー)連邦直轄領(準州に相当)議会議員選挙(定数30、小選挙区制)では国民会議派を離党したランガスワミ前直轄領首相が新地域政党を結成し全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟と提携して勝利、返り咲く見通し。
今回の5州・地域議会選挙では全体として各州レベルでの地域政党を軸とする野党が勝利する結果が目立った。また共産系政党が大敗するいっぽう、ヒンズー右派のインド人民党も地域政党との連携を欠いた結果として議席をほとんど獲得できず、北インドを地盤とする同党の全インド規模での支持拡大に大きな課題を残すこととなった。今回、州政権を獲得したトリナムール会議派(西ベンガル州)、全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(タミルナドゥ州)は共に民主社会主義的・中道的な主張を持つ地域政党だが、中道という以上に各地元州の権益を代表する政党としての側面が強く、両党とも連邦政治レベルでは主張を通すために国民会議派・インド人民党の連邦2大政党のあいだを渡り歩いた経緯がある。
なお投票率は70%から80%にのぼり、各州有権者の関心はかなり高かった。
2011-05-11
【英国】続報・北アイルランド議会選挙結果
5日に行われた英国・北アイルランド議会選挙(定数108、中選挙区移譲式比例代表制)の結果は次の通り(カッコ内は前回選挙比)。
民主統一党(DUP)38(+2)#ユニオニスト(英国統合派)右派強硬派
シン・フェイン(SF)29(+1)#ナショナリスト(アイルランド統合派)左派強硬派
アルスター統一党(UUP)16(-2)#穏健保守ユニオニスト
社会民主労働党(SDLP)14(-2)#穏健ナショナリスト、社会主義インター加盟政党
同盟党(All.)8(+1)#中間派、自由主義インター加盟政党
伝統統一の声(TUV)1(新党)#ユニオニスト右派最強硬派
緑の党(Green)1(±0)#中間派、エコロジスト
進歩統一党(PUP)0(-1)#ユニオニスト左派
社会民主労働党は社会主義インターにも加盟する民主社会主義政党だが、人工妊娠中絶に反対するなどアイルランドのカトリック系住民を代表する一面も有している。
社会民主労働党 公式サイト(英語)
http://www.sdlp.ie/
民主統一党(DUP)38(+2)#ユニオニスト(英国統合派)右派強硬派
シン・フェイン(SF)29(+1)#ナショナリスト(アイルランド統合派)左派強硬派
アルスター統一党(UUP)16(-2)#穏健保守ユニオニスト
社会民主労働党(SDLP)14(-2)#穏健ナショナリスト、社会主義インター加盟政党
同盟党(All.)8(+1)#中間派、自由主義インター加盟政党
伝統統一の声(TUV)1(新党)#ユニオニスト右派最強硬派
緑の党(Green)1(±0)#中間派、エコロジスト
進歩統一党(PUP)0(-1)#ユニオニスト左派
社会民主労働党は社会主義インターにも加盟する民主社会主義政党だが、人工妊娠中絶に反対するなどアイルランドのカトリック系住民を代表する一面も有している。
社会民主労働党 公式サイト(英語)
http://www.sdlp.ie/
2011-05-08
【シンガポール】総選挙で与党大勝も野党が過去最多に
シンガポールで7日、国会の解散に伴う総選挙(任命等を除く選挙区定数87、中・小選挙区制だが勝者総取り方式)が行われた。リー・シェンロン首相率いる与党・人民行動党(PAP)は81議席を獲得し勝利したが、野党で民主社会主義的な労働者党(WP)が初めてグループ選挙区(GRC、勝者総取り式の中選挙区)を制するなど、野党としては過去最多となる6議席を獲得した。
シンガポールの国父とされるリー・クアンユー元首相(現・顧問相、リー・シェンロン現首相の父)が1954年に創設した与党・人民行動党は当初は英領マラヤにおける華人系の民主社会主義政党だったが、マレーシアからシンガポールが独立した後はヘゲモニー政党的な一党支配色を強め、1976年には社会主義インターから脱退した。以後は経済発展と社会政策充実を旨とした中道保守政党視されることが多い(ただし現在も公式には「(共産主義とは異なる)社会主義的民主主義」の旗を降ろしていない)。なおシンガポールでは野党の活動は長いこと低調だったが、1990年のリー・クアンユーの首相退任後は活発化をはじめ、今回の総選挙では労働者党、人民党、民主党、国民団結党などの野党が選挙区をほぼ住み分ける協力体制をしいてほとんどの選挙区で人民行動党に対抗する候補者を出馬させ(これまでは野党の候補者不足のため無投票で人民行動党の当選が決まる選挙区が非常に多かった)、物価上昇や外国人出稼ぎ労働者問題を取り上げて成果を挙げた。逆に人民行動党は過去最低の得票率約60%にとどまり、ヨー外相が落選する波乱もあった。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は選挙前比、選挙区定数3増)。
人民行動党 81(-1)
労働者党 6(+5)および非選挙区議員2
人民党 0(-1)および非選挙区議員1
#非選挙区議員は予算案および憲法改正案への議決権を持たない。ほかに任命議員9名。
人民行動党 公式サイト(英語)
http://www.pap.org.sg/index.php
労働者党 公式サイト(英語)
http://wp.sg/
#シンガポールは英語・中国語・マレー語・タミル語が公用語だが、英語優先政策の結果が著しい。
シンガポールの国父とされるリー・クアンユー元首相(現・顧問相、リー・シェンロン現首相の父)が1954年に創設した与党・人民行動党は当初は英領マラヤにおける華人系の民主社会主義政党だったが、マレーシアからシンガポールが独立した後はヘゲモニー政党的な一党支配色を強め、1976年には社会主義インターから脱退した。以後は経済発展と社会政策充実を旨とした中道保守政党視されることが多い(ただし現在も公式には「(共産主義とは異なる)社会主義的民主主義」の旗を降ろしていない)。なおシンガポールでは野党の活動は長いこと低調だったが、1990年のリー・クアンユーの首相退任後は活発化をはじめ、今回の総選挙では労働者党、人民党、民主党、国民団結党などの野党が選挙区をほぼ住み分ける協力体制をしいてほとんどの選挙区で人民行動党に対抗する候補者を出馬させ(これまでは野党の候補者不足のため無投票で人民行動党の当選が決まる選挙区が非常に多かった)、物価上昇や外国人出稼ぎ労働者問題を取り上げて成果を挙げた。逆に人民行動党は過去最低の得票率約60%にとどまり、ヨー外相が落選する波乱もあった。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は選挙前比、選挙区定数3増)。
人民行動党 81(-1)
労働者党 6(+5)および非選挙区議員2
人民党 0(-1)および非選挙区議員1
#非選挙区議員は予算案および憲法改正案への議決権を持たない。ほかに任命議員9名。
人民行動党 公式サイト(英語)
http://www.pap.org.sg/index.php
労働者党 公式サイト(英語)
http://wp.sg/
#シンガポールは英語・中国語・マレー語・タミル語が公用語だが、英語優先政策の結果が著しい。
2011-05-07
【英国】地方選挙と選挙制度改革国民投票が行われる
英国で5日、スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの各議会選挙および地方選挙、ならびに下院における単純小選挙区制度の改革を問う国民投票が行われ、6日に開票がなされた。全体として社会主義インター加盟政党である労働党をはじめ、民主社会主義的な勢力が伸ばす結果となった。単純小選挙区制の改革は否決され、当面は下院総選挙において単純小選挙区制が維持されることとなった。
スコットランド議会選挙(定数129、小選挙区比例代表併用制)においては将来の英国からの独立を掲げる民族主義的なスコットランド国民党(SNP)が議席を大きく伸ばして過半数の69議席を獲得。SNP党首のサーモンド・スコットランド首相が続投を決めた。SNPは独立以外には民主社会主義的な政策を掲げている。第2党は労働党、続いて保守党、自由民主党となったが、軒並み議席を減らした。
ウェールズ議会選挙(定数60、小選挙区比例代表併用制)では労働党が議席を伸ばしちょうど半数となる30議席を獲得した。以下は保守党、プライド・カムリ(ウェールズ独立をめざす民主社会主義的な民族主義政党)、自由民主党と続いた。この結果により労働党のジョーンズ・ウェールズ首相が続投する見通しだが、これまでのプライド・カムリとの連立が切り替えられる可能性もある。
北アイルランド議会選挙(定数108、中選挙区移譲式比例代表制)は複雑な投開票方式のため、まだ帰趨は決まっていないが、右派ユニオニスト(英国統合派)の民主統一党(DUP)と左派ナショナリスト(アイルランド統合派)のシン・フェインが次々と議席を確保し他党は伸び悩んでいる。全体として前議会と同様に左右に二極分化し、社会主義インター加盟政党の社会民主労働党や自由民主党の姉妹政党ともされるリベラル派の同盟党など中道派・中間派が弱まった議会となる見通し。
ほかに英国各地で自治体選挙が行われ、保守党が全体として勢力を維持したものの労働党が都市部を中心に勢力を急伸させ、代わって自由民主党が大敗を喫した。農村部で強い保守党は自治体議会の議席では第1勢力を維持したものの、有権者の多い都市部を含めた得票では労働党が上回った。
英国下院総選挙における単純小選挙区制度から小選挙区移譲式への選挙制度変更を問うた国民投票においては、反対票が約68%と賛成票の約32%の2倍以上に達し、大差で否決される結果となった。「賛成」陣営は労働党や自由民主党など与野党左右両派の各少数政党の党首を並べる「より公正な制度を」と訴えるなどのキャンペーンを展開してきたが、保守党が強く推し、労働党の一部も暗に支持した「反対」陣営の普通選挙制導入時の歴史的スローガンを彷彿とさせる「一人一票」や「シンプルな制度」キャンペーンに大きく及ばなかった。なお国民投票の投票率は42%強にとどまり、有権者の関心も高くなかった。
各選挙での後退とあわせ、第3党(与党第2党)として選挙制度改革を強く推進してきた自由民主党では、連立政権下での緊縮財政などに譲歩することで党是のリベラル政策を失ってきた結果だとして党首のクレッグ副首相に対する責任論が強まっており、キャメロン首相率いる第1党・保守党との連立に亀裂が入る可能性もある。いっぽう、労働党のエド・ミリバンド党首は各選挙での勝利・善戦により結集力を強めるとみられるが、労働党内の一部にはスコットランド議会選挙での敗北や、自治体選挙も目標に及ばなかった点を指摘する声もある。
各選挙の結果は次の通り(カッコ内は前回比)。
スコットランド議会
・スコットランド国民党 69(+22)
・労働党 37(-9)
・保守党 15(-2)
・自由民主党 5(-11)
・緑の党 2(±0)
・無所属 1(±0)
ウェールズ議会
・労働党 30(+4)
・保守党 14(+2)
・プライド・カムリ 11(-4)
・自由民主党 5(-1)
労働党 公式サイト(英語)
http://www.labour.org.uk/
スコットランド国民党 公式サイト(英語)
http://www2.snp.org/
プライド・カムリ 公式サイト(ウェールズ語・英語)
http://www.plaidcymru.org/
スコットランド議会選挙(定数129、小選挙区比例代表併用制)においては将来の英国からの独立を掲げる民族主義的なスコットランド国民党(SNP)が議席を大きく伸ばして過半数の69議席を獲得。SNP党首のサーモンド・スコットランド首相が続投を決めた。SNPは独立以外には民主社会主義的な政策を掲げている。第2党は労働党、続いて保守党、自由民主党となったが、軒並み議席を減らした。
ウェールズ議会選挙(定数60、小選挙区比例代表併用制)では労働党が議席を伸ばしちょうど半数となる30議席を獲得した。以下は保守党、プライド・カムリ(ウェールズ独立をめざす民主社会主義的な民族主義政党)、自由民主党と続いた。この結果により労働党のジョーンズ・ウェールズ首相が続投する見通しだが、これまでのプライド・カムリとの連立が切り替えられる可能性もある。
北アイルランド議会選挙(定数108、中選挙区移譲式比例代表制)は複雑な投開票方式のため、まだ帰趨は決まっていないが、右派ユニオニスト(英国統合派)の民主統一党(DUP)と左派ナショナリスト(アイルランド統合派)のシン・フェインが次々と議席を確保し他党は伸び悩んでいる。全体として前議会と同様に左右に二極分化し、社会主義インター加盟政党の社会民主労働党や自由民主党の姉妹政党ともされるリベラル派の同盟党など中道派・中間派が弱まった議会となる見通し。
ほかに英国各地で自治体選挙が行われ、保守党が全体として勢力を維持したものの労働党が都市部を中心に勢力を急伸させ、代わって自由民主党が大敗を喫した。農村部で強い保守党は自治体議会の議席では第1勢力を維持したものの、有権者の多い都市部を含めた得票では労働党が上回った。
英国下院総選挙における単純小選挙区制度から小選挙区移譲式への選挙制度変更を問うた国民投票においては、反対票が約68%と賛成票の約32%の2倍以上に達し、大差で否決される結果となった。「賛成」陣営は労働党や自由民主党など与野党左右両派の各少数政党の党首を並べる「より公正な制度を」と訴えるなどのキャンペーンを展開してきたが、保守党が強く推し、労働党の一部も暗に支持した「反対」陣営の普通選挙制導入時の歴史的スローガンを彷彿とさせる「一人一票」や「シンプルな制度」キャンペーンに大きく及ばなかった。なお国民投票の投票率は42%強にとどまり、有権者の関心も高くなかった。
各選挙での後退とあわせ、第3党(与党第2党)として選挙制度改革を強く推進してきた自由民主党では、連立政権下での緊縮財政などに譲歩することで党是のリベラル政策を失ってきた結果だとして党首のクレッグ副首相に対する責任論が強まっており、キャメロン首相率いる第1党・保守党との連立に亀裂が入る可能性もある。いっぽう、労働党のエド・ミリバンド党首は各選挙での勝利・善戦により結集力を強めるとみられるが、労働党内の一部にはスコットランド議会選挙での敗北や、自治体選挙も目標に及ばなかった点を指摘する声もある。
各選挙の結果は次の通り(カッコ内は前回比)。
スコットランド議会
・スコットランド国民党 69(+22)
・労働党 37(-9)
・保守党 15(-2)
・自由民主党 5(-11)
・緑の党 2(±0)
・無所属 1(±0)
ウェールズ議会
・労働党 30(+4)
・保守党 14(+2)
・プライド・カムリ 11(-4)
・自由民主党 5(-1)
労働党 公式サイト(英語)
http://www.labour.org.uk/
スコットランド国民党 公式サイト(英語)
http://www2.snp.org/
プライド・カムリ 公式サイト(ウェールズ語・英語)
http://www.plaidcymru.org/
2011-05-03
【カナダ】総選挙で保守党勝利、新民主党も議席約3倍増
カナダで2日、下院(定数308、小選挙区制)総選挙が行われ、ハーパー首相率いる与党・保守党が過半数の議席を確保して勝利した。いっぽうこれまで野党第1党だった自由党は議席を半分以上失う大敗となり、代わって社会主義インター加盟政党の新民主党が議席を3倍近く伸ばして議席を3桁に乗せ初めて野党第1党となった。ケベック州に基盤を置く民主社会主義的な地域政党ブロック・ケベコワ(ケベック連合)は議席の大半を失う惨敗となった。また緑の党が初議席を獲得した。ハーパー保守党政権は06年、08年の選挙で過半数を続けて確保できず少数与党に甘んじてきたが、今回は念願の安定政権への道を開いた。
今回の総選挙は保守党が少数与党だった前下院において自由・新民主・ケベコワの野党3党が財政赤字にもかかわらず法人税減税やF35新型戦闘機の導入などを織り込んだ予算案に反発して内閣不信任案を可決させ、これにハーパー首相が下院解散で応じたことによるもの。ハーパー首相率いる保守党は法人税減税を通じた企業・経済活動活性化による財政再建を掲げ、予想以上の支持を集めた。いっぽう新民主党や自由党は逆に法人税増税を掲げ、特に新民主党は社会保障の拡大や環境保護を掲げて党のシンボルカラーから「オレンジの波」と報じられたブームを都市部を中心に起こしたが、両党で中道左派有権者の票を奪い合う結果ともなった。有権者は好調な経済を背景に「小さな政府」の主張に耳を傾けたものの、同時に新民主党が強く主張した社会保障など「大きな政府」論にも根強い支持が寄せられ、世論の二極分化が鮮明となった。事前の世論調査では保守党の過半数確保は難しいとの予測もあり、自由・新民主両党による連立政権の樹立を有力視する見方もあったが、共に党首が落選した自由党およびブロック・ケベコワの大敗により及ばなかった。自由党はオンタリオ州で退潮が著しく、ブロック・ケベコワは地盤のケベック州で新民主党に大量の議席を奪われた。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比)。
保守党 167(+24)
新民主党 102(+65)
自由党 34(-43)
ブロック・ケベコワ 4(-45)
緑の党 1(+1)
無所属 0(-2)
新民主党 公式サイト(英語・フランス語)
http://www.ndp.ca/home
今回の総選挙は保守党が少数与党だった前下院において自由・新民主・ケベコワの野党3党が財政赤字にもかかわらず法人税減税やF35新型戦闘機の導入などを織り込んだ予算案に反発して内閣不信任案を可決させ、これにハーパー首相が下院解散で応じたことによるもの。ハーパー首相率いる保守党は法人税減税を通じた企業・経済活動活性化による財政再建を掲げ、予想以上の支持を集めた。いっぽう新民主党や自由党は逆に法人税増税を掲げ、特に新民主党は社会保障の拡大や環境保護を掲げて党のシンボルカラーから「オレンジの波」と報じられたブームを都市部を中心に起こしたが、両党で中道左派有権者の票を奪い合う結果ともなった。有権者は好調な経済を背景に「小さな政府」の主張に耳を傾けたものの、同時に新民主党が強く主張した社会保障など「大きな政府」論にも根強い支持が寄せられ、世論の二極分化が鮮明となった。事前の世論調査では保守党の過半数確保は難しいとの予測もあり、自由・新民主両党による連立政権の樹立を有力視する見方もあったが、共に党首が落選した自由党およびブロック・ケベコワの大敗により及ばなかった。自由党はオンタリオ州で退潮が著しく、ブロック・ケベコワは地盤のケベック州で新民主党に大量の議席を奪われた。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比)。
保守党 167(+24)
新民主党 102(+65)
自由党 34(-43)
ブロック・ケベコワ 4(-45)
緑の党 1(+1)
無所属 0(-2)
新民主党 公式サイト(英語・フランス語)
http://www.ndp.ca/home
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