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2006-07-10

【マケドニア】社会民主同盟政権が敗退

 5日に投票が行われた旧ユーゴスラビアの1国、マケドニア議会総選挙(定数120、比例代表制)の総選挙が行われ、ブチコフスキ首相率いる社会民主同盟が約4分の1の議席にとどまるなど同党を核とする中道・左派与党連合が敗退。35歳のグルエフスキ党首率いる右派政党「内部マケドニア革命機関-マケドニア民族統一民主党(VMRO-DPMNE)」が過半数近い議席を獲得した。グルエフスキ党首は勝利を宣言し連立交渉を開始した。

 社会民主同盟は旧ユーゴのマケドニア共産主義者同盟の流れをくむ政党で、現在は社会主義インターに加盟しているが、同党はブチコフスキ政権のもとで実業界寄りのネオリベラル経済政策に傾斜していったとも評価されており、約3割にのぼる失業率に象徴される国内経済格差の拡大を招いた。
 こうした社会経済政策に批判的なグループが「新社会民主党」を結成(同党は約6%を得票)するなどの政治経済の混乱に嫌気がさした有権者が「内部マケドニア革命機関-マケドニア民族統一民主党」の支持に向かったとみられるが、19世紀末の政治結社「内部マケドニア革命機関」の流れをくむ同党はもともとマケドニア・ナショナリズムに基づく激しい排外主義で知られており、ギリシャやブルガリア、国内のアルバニア系少数民族のあいだに警戒心がある。同党はそうしたイメージの払拭につとめ、現在は「キリスト教民主主義」を標榜する他、アルバニア系穏健派と連立を組むなどしてきた。だが「国民解放軍」の流れのアルバニア系強硬派は社会民主同盟政権と連携するなど、同党の右派排外主義的体質への警戒心が解けたとはいえず、連立交渉や政権運営には困難も予想される。

マケドニア社会民主同盟(マケドニア語)
http://www.sdsm.org.mk/

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2006-07-07

【メキシコ】中道左派オブラドル候補、及ばずか

 中道左右両候補が大接戦を展開しているメキシコ大統領選挙は6日、中央選管が最終集計結果を公表。中道右派与党・国民行動党(PAN)のカルデロン候補が社会主義インターに加盟する中道左派・民主革命党(PRD)のオブラドル候補に 0.58%の小差をつけて最多票を集めたと発表した。しかし「中央選管は選挙の執行・集計までが権限で当選者の決定権は選挙裁判所にある」として、カルデロン候補の当選は宣言しなかった。
 オブラドル候補は選挙不正などを理由に選挙裁判所での法廷闘争に持ち込む構え。両候補ともすでに「勝利宣言」しているほか開票中も一時期、オブラドル候補の優勢が報じられた経緯などがあり、一部票の有効・無効の入れ替わりや一部地域での投票のやり直しなどが命じられた場合、結果が入れ替わる可能性も残されている。
 なお今回選挙を地域別に見ると、アメリカ国境に近い北部ではカルデロン候補が、国境から遠い中米側の南東部ではオブラドル候補がそれぞれ首位に立っており、アメリカ経済との関連が見えて興味深い。さらに過去、一党支配政党だった中道ポピュリスト・制度的革命党(PRI)のマドラーゾ候補が各地で2位につけて善戦しており(これは首位を争う両候補が3位にとどまった地域が多いことを示している)、メキシコ国内の南北格差が明瞭に表れた選挙戦となった。
 また同時に行われた上下両院選挙は、次のような結果となっている。

【下院選挙結果】(定数500、小選挙区300+比例補償200)
国民行動党   208(小選挙区139、比例69)
民主革命党系  159(小選挙区62、比例97)
制度的革命党系 119(小選挙区99、比例20)
新同盟党     10(比例のみ)
社民・農民選択党 4(比例のみ)
#小選挙区の勝者は比例配分が少なくなる組み合わせ制度で、
 議席比と比例得票比の差は8%が上限とされる準比例制。

【上院選挙結果】(定数128、各州3議席と全国比例の並立制)
国民行動党   52(各州41、比例11)
民主革命党系  36(各州26、比例10)
制度的革命党系 38(各州29、比例9)#第2党!
新同盟党    1(比例のみ)
社民・農民選択党1(比例のみ)

3大政党のいずれも過半数を獲得できない結果となった。新大統領の議会運営は事前予想通り、困難なものとなりそうだ。

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最終的に決定していないとはいえ、オブラドル候補に不利な状況となりました。確かに大統領選は僅差ですが、議会選でやや離されている結果をみると、逆転への道のりは険しいかも知れません。

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2006-07-05

【スロバキア】中道左派スメルと国粋派が連立へ

 先日のスロバキア国会総選挙(1院制)で第1党となった中道左派で社会主義インター加盟政党の「スメル-社会民主主義」党首のフィツォ新首相はガスパロビッチ大統領に組閣名簿を提出、承認された。新たな連立政権はジュリンダ前首相が率いた中道右派勢力を排除し、左派民族主義の「民主スロバキア運動」と極右民族主義(国粋主義)のスロバキア国民党の、経済改革に批判的な民族主義2党とで構成されることになり、ユーロの導入など経済改革の遅れへの懸念が出ている。
 民族主義2党は東欧民主化の後、国営重工業を基盤に急進的な市場経済化への批判を結集して民族派のメチアル首相(当時)率いる連立を樹立したが、特にハンガリー系少数民族への排外的な政治姿勢などが国際的な非難を浴び、スロバキアの国際的孤立を招いた経緯がある。今回は8年ぶりの政権参加となる。
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民族主義2党はポリティカルコンパスでいうと「保守左派」に位置するような政党で、リベラル左派というべきスメルと「経済左派」連立を組むことになりました。本来、欧州政治では「保守左派」はキリスト教政党の定位置なんですが…周辺諸国とのあいだに混乱を起こさないためにも、排外姿勢の軟化を期待したいところです。

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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